高配当銘柄といえば、安定したインカムゲインが魅力ですが、その裏には株価の変動や業績の波といったリスクも存在します。今回は利回り5%を超える高配当銘柄の「東京ソワール」と「ミズホメディー」について、配当金はいつもらえるのか?株価下落の理由は?将来性に問題はないのか?などの疑問について詳しくご紹介します。
東京ソワール(8040)
東京ソワールは、喪服やパーティドレスなどのフォーマルウェアを中心に製造・販売する国内最大手企業です。また、フォーマルシーンに適したバッグやジュエリーの販売、フォーマルドレスのレンタルサービスも提供しています。
2024年度の売上高は約157億円、経常利益は約3.4億円でした。2025年度は売上高が約167億円、経常利益は約4億円となる予想で、どちらもやや増収・増益となる見込みです。
東京ソワールの株価と下落理由
2025年5月時点の株価は約880円です。2019年まで約900円だった株価が、2020年には約400円台まで下落しました。新型コロナウイルスによる外出や大人数で集まる結婚式などのパーティが自粛されたことが理由だと考えられます。
一時は約半値まで下落しましたが、2021年半ば頃から徐々に回復し、2022年以降はコロナの影響を受ける前と同じく、約900円前後をほぼ横ばいで推移しています。
株主優待内容は?いつもらえる?
東京ソワールの株主優待は、毎年6月末と12月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、オンラインストアと店舗それぞれで使える20%オフクーポンが贈呈されます。
6月末の権利確定日に贈呈されるクーポンは、毎年9月頃に郵送されます。有効期限は、手元に届いてから翌年3月末までです。また、12月末の権利確定日に贈呈されるクーポンは、3月頃に郵送され、9月末までの有効期限となっています。
2025年度の配当金はいつもらえる?
東京ソワールの配当金は、毎年12月末の期末配当に合わせて年に1度配当されます。2025年度の配当金は、年間1株当たり45円となる予想です。この金額は、2022年度から2期連続で増配していた2024年度と同じ金額を維持しています。
東京ソワールの利回り
1株880円で100株購入した場合、投資金額は8.8万円になります。配当金額は年間1株当たり45円のため4500円となり、配当利回りは約5.1%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は無配当のため0%、2022年度は約2.2%、2023年度は約3.5%、2024年度は約5.4%でした。
ミズホメディー(4595)
ミズホメディーは、主にインフルエンザの抗原検出薬などの医療機関向けウイルス検査薬を開発・販売する企業です。また、研究用試薬の提供や個人客向け妊娠検査薬などの薬局販売、農業分野向けウイルス検査薬の製造・販売などの事業も行っています。
2024年度の売上高は約114億円、経常利益は約52億円でした。2025年度は売上高が約116億円に微増する一方で、経常利益は約45億円に減収となる予想です。コロナウイルスの検査薬販売により業績が伸びていましたが、2023年度以降の業績は伸び悩んでいる印象を受けます。
ミズホメディーの株価と下落理由
2025年5月時点の株価は約1500円です。比較的株価変動が大きく、約500円から約2100円の間で頻繁に変動が起こっています。2022年12月時点で約2100円だった株価は、半年後には約1000円まで下落しました。
下落の原因は、新型コロナの脅威分類が、2類から5類に移行したことで、検査キットの需要減少により売上が落ちたことが要因と考えられます。しかし、さらに半年後には再び約2000円まで上昇しており、業績は伸び悩んでいるものの、株価はそれほど下落していません。
ミズホメディーの株主優待
ミズホメディーは2025年5月時点で株主優待を実施していません。
2025年度の配当金はいつもらえる?
ミズホメディーの配当金は、毎年6月末の中間配当と12月末の期末配当の年2回もらえます。2025年度の配当金は、中間配当で40円、期末配当で45円の、年間1株当たり85円となる予想です。この金額は、2024年度から減配となっています。
ミズホメディーの利回り
1株1500円で100株購入した場合、投資金額は15万円になります。配当金額は年間1株当たり85円のため8500円となり、配当利回りは約5.7%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約5.8%、2022年度は約9.2%、2023年度は約7.4%、2024年度は約6.1%でした。
東京ソワールとミズホメディーの将来性は?
「東京ソワール」と「ミズホメディー」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
東京ソワールは、2025年度以降の還元方針にて、配当性向40%以上と株主優待の拡充を目標としており、今後さらに高い株主還元が受けられることが期待されています。ただし、コロナ影響時の在庫過多や人件費・原価高騰により、業績が伸び悩んでいる点には注意が必要です。
ミズホメディーは毎年高配当が継続しており、2024年度からは配当方針を配当性向50%に引き上げることを目標としています。今後も高配当が継続することが期待される一方、新型コロナの終息によって業績が伸び悩んでおり、現時点で今後の急激な増収は見込めません。
どちらの銘柄も、今後も積極的な株主還元が期待される一方で、業績面での不透明感が残ります。投資先として検討される場合は、業績の悪化による配当金の廃止なども考慮した上で、慎重に判断してください。