「ファーストブラザーズ」と「モリト」という会社についてご存知でしょうか?11月に決算を迎える連続増配中の高配当銘柄として注目されている銘柄です。今回はこの2銘柄について詳しくご紹介しますので、聞きなじみのない方も、ぜひご参考にしてください。
ファーストブラザーズ(3454)
ファーストブラザーズは「我々はまだ何者でもない。」をスローガンに掲げ、一見何の会社か分かりづらいですが、主に不動産投資を行う企業です。宅建や一級建築士事務所の免許も持ち合わせており、不動産投資による資産運用や、投資に関するアドバイザリー業務のほか、宿泊施設の運営なども行っています。
2023年度の売上高は約220億円、経常利益は約38億円の実績でした。2024年度は売上高は約196億円、経常利益は約17億円の予想で、売上高と経常利益ともにやや減収・減益となりそうです。
ファーストブラザーズの株価
2024年9月時点の株価は約1100円です。比較的株価変動が大きく、2015年に約950円で上場開始しましたが2016年には約570円まで下落、しかしその後、2018年には約1600円まで上昇しました。
2024年に入ってからの株価変動は比較的緩やかで、一時的な株価変動はあるものの、約1000円から約1300円ほどの間でほぼ横ばいが続いています。
ファーストブラザーズの株主優待
ファーストブラザーズの株主優待は、毎年11月末の権利確定日に、500株以上保有する株主に対して、株式の保有数と保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、プレミアム優待倶楽部ポイントです。
プレミアム優待倶楽部ポイントは、最大2年間有効で、ポイントを貯めて食品や家電、キッチンツールなど好きな商品に交換することができます。贈呈される株主優待の内容は、下記のイラストをご確認ください。
ファーストブラザーズの配当
2024年度の配当金は、5月末の中間配当で33円と11月末の期末配当で34円の、年間1株当たり67円となる予想です。
この金額は、2017年度の15円、2018年度の18円、2019年度の21円、2020年度の24円、2021年度の27円、2022年度の30円、2023年度の32円から、7期連続で増配しています。
2024年度の配当金がこれまでに比べ急増していますが、これは2024年度の配当金以降、株主資本配当率2.0%の目標を掲げたことが要因です。つまり、一時的な増加ではなく、今後も高い水準で配当が行われることが期待できます。
ファーストブラザーズの利回り
1株1100円で100株購入した場合、投資金額は11万円になります。配当金額は1株当たり67円のため6700円となり、配当利回りは約6.1%です。
また、株式の保有数と保有年数に応じて、株主優待が贈呈されます。株式の保有数と株主優待内容選択による利回りの比較は、下記の一覧表をご参考ください。最も利回りが高くなるのは、株式の保有数に関わらず、株式を1年以上継続して保有した場合です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの推移は、2020年度は約2.6%、2021年度は約2.7%、2022年度は約3.5%、2023年度は約3.3%でした。2024年度以降、配当利回りがかなり高くなっていますが、これは前出に記載の配当政策の変更によるもので、今後も高利回りが継続することが期待されます。
モリト(9837)
モリトは、ボタンやホック、マジックテープ、紐、ネットといったパーツの卸売販売を行う専門商社です。モリトが取り扱う商品は、私たちの生活必需品に数多く利用されており、世界中の様々なブランドに提供されています。
パーツ専門商社としては国内シェアナンバーワンを誇り、取扱商品は約50万点以上です。具体的には、ジーンズのボタンやバッグの肩ひも、靴の靴ひもやインソール、スポーツ用品、自動車の内装部品、エンブレムなどとして利用されています。
2023年度の売上高は約490億円、経常利益は約28億円の実績でした。2024年度は売上高は約510億円、経常利益は約28億円の予想で、売上高と経常利益ともにやや増収・増益となりそうです。
モリトの株価
2024年9月時点の株価は約1350円です。2022年の株価は約700円台でしたが、2023年に入り約1000円まで急騰しました。その後、2024年まで約1年間かけて、小さな株価変動を繰り返しながら約1500円まで右肩上がりを続けました。
2024年7月頃までの株価は、約1500円前後を維持して推移していましたが、8月以降やや株価が下がり、約1300円前後で推移しています。
モリトの株主優待
モリトは、2014年から2016年にかけて、100株以上保有する株主に対し、年間2000円相当のクオカードを贈呈する株主優待制度を実施していました。2017年度に株主優待制度が廃止され、2024年9月時点では実施されていません。
モリトの配当
2024年度の配当金は、5月末の中間配当で29円と11月末の期末配当で29円の、年間1株当たり58円となる予想です。この金額は、2020年度の18円、2021年度の26円、2022年度の32円、2023年度の55円から、4期連続で増配しています。
モリトの利回り
1株1350円で100株購入した場合、投資金額は13.5万円になります。配当金額は1株当たり58円のため5800円となり、配当利回りは約4.3%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの推移は、2020年度は約2.6%、2021年度は約4.1%、2022年度は約4.4%、2023年度は約5.1%でした。2021年度以降、利回りが毎年約4%を超える高配当銘柄となっています。
まとめ
連続増配中の「ファーストブラザーズ」と「モリト」についてご紹介しました。
どちらも11月に決算を迎え、配当利回りは4%を超えます。また、ファーストブラザーズは500株以上の保有で株主優待も贈呈されるので、ぜひ投資先として検討してみてください。