高配当株を選ぶ際、利回りだけでなく「いつ配当金がもらえるのか?」という点も意外と大事ですよね。配当金は、企業の決算時期にあわせて支払われるのが一般的です。配当金を受け取るためには、企業の決算時期を把握し、決算前に株式を保有する必要があります。
今回は、毎年配当利回り4%超えの実績を持つ「ノダ」と「佐鳥電機」の2銘柄について、決算月や最新の配当予想について詳しく解説します。
ノダ(7879)
ノダは、主に木材製の住宅建材・合板を製造・販売する建材メーカーです。デザイン性に優れており、テレビドラマやバラエティ番組の舞台セットに美術協力として使用されている実績が多数あります。全国各地に営業所やショールームを持ち、インドネシアにも展開しています。
ノダの期末決算は11月
ノダの決算時期は毎年11月末です。
2024年度の売上高は約670億円、経常利益は約6.7億円でした。2025年度は売上高が約679億円、経常利益は約8億円とどちらもやや増収・増益となる予想です。
ノダの株価
2025年4月時点の株価は約650円です。2020年に約550円だった株価は、2022年には約1400円まで上昇しました。2023年までほぼ横ばいで推移していましたが、2024年以降右肩下がり傾向が続いています。
株価下落の理由としては、住宅着工数の減少や材料費のコストアップにより、業績が伸び悩んでいることが原因と考えられます。
ノダの株主優待
株主優待制度は、2025年4月時点では実施されていません。
ノダの配当金は連続減配中
2025年度の配当金は、5月末の中間配当で18円、11月末の期末配当で18円の、年間1株当たり36円となる予想です。この金額は、2022年度の60円、2023年度の55円、2024年度の42.5円から、3期連続で減配しています。
ノダの利回り
1株650円で100株購入した場合、投資金額は6.5万円になります。配当金額は年間1株当たり36円のため3600円となり、配当利回りは約5.5%です。配当金は減配傾向にあるものの、利回りは依然として高い水準にあります。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約4.1%、2022年度は約5.3%、2023年度は約4.6%、2024年度は約4.4%でした。
利回りを例年と同程度の水準である約4%から5%に維持するため、配当金が調整され、減配につながったと考えられます。しかし、減配が理由でさらなる株価下落が続いており、悪循環が発生しています。
佐鳥電機(7420)
佐鳥電機は、半導体や電子部品、電子機器などを取り扱う専門商社です。商社として仕入れを行うだけでなく、オリジナル商品の製造や、ソフトウェア開発・システム設計など様々な事業を行っています。
佐鳥電機の期末決算は5月
佐鳥電機の決算時期は毎年5月末です。
2024年度の売上高は約1480億円、経常利益は約36.5億円でした。2025年度は売上高が約1540億円にやや増益、経常利益は約35億円にやや減益となる予想です。
佐鳥電機の株価
2025年4月時点の株価は約1600円です。2009年に約300円だった株価は、小さな株価変動を繰り返しながら2018年には約1200円までゆるやかに上昇しました。その後、一度は下落傾向にあったものの、2021年以降再び右肩上がりとなり、2024年には約2700円の高値が付きました。
しかし、約1年ほど前から右肩下がりが続いており、円安や人的投資の影響で業績が伸び悩んでいることが原因と考えられます。
株主優待
株主優待制度は、2025年4月時点では実施されていません。
佐鳥電機の配当金は連続増配中
2025年度の配当金は、11月末の中間配当で40円と5月末の期末配当で46円の、年間1株当たり86円となる予想です。この金額は、2021年度の30円、2022年度の62円、2023年度の70円、2024年度の80円から、4期連続で増額となっています。
配当性向の推移は、2021年度が約95%、2022年度が約53%、2023年度が約51%、2024年度が約54%です。2022年度以降の配当性向は約50%ほどとなっており、連続増配しているものの、無理な配当が続いているわけではありません。
ただし、2025年度は業績悪化が見込まれる中で増配しています。無理な配当が続くと、今後高配当を維持できなくなり、さらなる株価下落につながるリスクもあるため、今後の業績や株価変動には十分注意が必要です。
佐鳥電機の利回り
1株1600円で100株購入した場合、投資金額は16万円になります。配当金額は年間1株当たり86円のため8600円となり、配当利回りは約5.4%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約3.7%、2022年度は約6.5%、2023年度は約5.1%、2024年度は約4.0%でした。
まとめ
今回は、ノダと佐鳥電機についてご紹介しました。
ノダと佐鳥電機は、いずれも高い配当利回りが継続している点が非常に魅力的な銘柄です。
しかし、ノダは業績が伸び悩んでいること、佐鳥電機は円安の影響を大きく受けていることから株価が下落傾向にあります。投資の際は、利回りだけでなく、決算時期に発表される企業の業績予想や配当方針などの情報を十分検討することをおすすめします。