高い配当金だけでなく株主優待ももらえる「ジョイフル本田」と「鳥越製粉」ですが、「株価急落」のやばい噂が話題になっています。しかし一方で、株主優待の内容が2025年度から拡充されるという明るいニュースも。今回は、株価急落の真相と、拡充された優待の内容について詳しく解説します。
ジョイフル本田(3191)
ジョイフル本田は、日用品や庭・農園用品、家具、ペット、アウトドア用品、資材・プロ用品など、様々な種類の商品を取り扱うホームセンターを経営する企業です。また、住宅リフォームやペット用品専門店の運営、スポーツクラブの運営なども行っています。
2024年度の売上高は約1270億円、経常利益は約116億円でした。2025年度は売上高が約1280億円、経常利益は約117億円となる予想で、直近5年間の売上高・経常利益はともにほぼ横ばいとなる見込みです。
株価急落の真相とは?
ジョイフル本田の2025年5月時点の株価は約2000円です。2024年11月に約2000円から約1800円に急落しました。急落の原因は、約750万株の株式売り出し計画が発表されたことによる、需要悪化を懸念してのものだと考えられます。
しかし、下落後約半年ですでに株価は回復済みです。ジョイフル本田は比較的株価変動が大きい特徴が見られますが、長い目で見ると2020年の約1000円から右肩上がりが続いています。
株主優待内容と拡充された変更点
ジョイフル本田の株主優待は、毎年6月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、株式の保有数および保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される内容は、商品券、カタログギフト、寄附から1点選択可能です。
2025年6月末の権利確定日分から、株主優待の内容が拡充されます。保有数による変更はありませんが、すべての保有数にて3年未満保有時の相当金額が増額され、3年以上保有した場合の長期保有特典が新設されます。
なお、拡充前は優待内容として「お米」を選択することが可能でしたが、拡充後はカタログギフトの選択肢の1つとして提供される形に変更されました。株式の保有数および保有年数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記のイラストをご確認ください。
配当金は連続増配が継続
2025年度の配当金は、12月末の中間配当で32円、6月末の期末配当で32円の、合わせて年間1株当たり64円となる予想です。この金額は、上場した2014年以降、11期連続で増配しています。
ジョイフル本田の利回り
1株2000円で100株購入した場合、投資金額は20万円になります。配当金額は年間1株当たり64円のため6400円となり、配当利回りは約3.2%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約2.3%、2022年度は約2.8%、2023年度と2024年度は約2.6%でした。
また、初年度は年間3000円相当の株主優待が贈呈されるため、優待利回りは約1.5%、配当と優待を合わせた利回りは約4.7%になります。株式の保有数に応じた、配当と優待を合わせた利回りは下記の一覧表をご確認ください。
鳥越製粉(2009)
鳥越製粉は、パン作りなどに使われるミックス粉をはじめとし、小麦粉・ライ麦粉など様々な製粉商品を製造・販売する企業です。また、パイシートなどの冷凍食品や粉末スープ、丸麦などの精麦製品、飼料の製造・販売まで幅広く展開しています。
2024年度の売上高は約262億円、経常利益は約14億円でした。2025年度は売上高が約285億円、経常利益は約15億円となる予想で、直近5年間の売上高・経常利益はともにほぼ横ばいとなる見込みです。
株価急落の噂が流れるやばい理由は?
鳥越製粉の2025年5月時点の株価は約900円です。比較的株価変動が大きいのが特徴で、2020年まで約1100円だった株価は翌年には約700円まで急落しました。この急落の原因は、当時全国的に小麦粉の値上げがあり、製粉関連企業の株価が軒並み下落したことが挙げられます。
しかし、2023年に約600円の値が付いて以降は右肩上がりが続いています。2025年以降特に大きく上昇していますが、これは米の値上げが原因ではないかと考えられます。米の価格が落ち着いたら再び急落する可能性が考えられるため、今後の動向には注意が必要です。
株主優待内容と拡充された変更点
鳥越製粉の株主優待は、毎年12月末の権利確定日に、500株以上株式を保有する株主に対して、約4000円相当のそうめん1箱が贈呈されます。
また、2025年6月末の権利確定日分から、株主優待の内容が拡充されます。それに伴い、500株以上の株式を3年以上継続して保有する株主には、6月末の権利確定日に、約3000円相当の久留米ラーメン1箱が贈呈されます。
配当金は連続増配が継続
2025年度の配当金は、12月末の期末配当にて、年間1株当たり44円となる予想です。この金額は、2021年度以降、4期連続で増配しています。
鳥越製粉の利回り
1株900円で100株購入した場合、投資金額は9万円になります。配当金額は年間1株当たり44円のため4400円となり、配当利回りは約4.9%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約1.7%、2022年度は約2.3%、2023年度は約2.7%、2024年度は約5.9%と年々上昇しています。
また、500株保有した場合、投資金額は45万円です。初年度は年間4000円相当の株主優待が贈呈されるため、優待利回りは約0.9%、配当と優待を合わせた利回りは約5.8%になります。なお、3年以上継続して保有した場合の配当と優待を合わせた利回りは約6.4%です。
まとめ
「ジョイフル本田」と「鳥越製粉」について解説しました。
2銘柄とも少し前に株価が急落していますが、2025年5月時点ですでに株価は回復しており、6月末の権利確定日を前に上昇傾向が続いています。また、次回の権利確定日から拡充される株主優待にもぜひ注目してみてください。