10月に決算を迎える「クミアイ化学工業」と「アールエイジ」についてご存知ですか?どちらも10万円以下の少額から投資可能で、配当利回りが4%近くある高配当銘柄です。2銘柄の配当と利回りの推移について詳しくご紹介します。
クミアイ化学工業(4996)
クミアイ化学工業(以下、クミカ)は、1949年に設立され、70年以上に渡って殺虫剤や除草剤などの農薬を製造する企業です。また、農薬を製造する技術から、医薬品やウレタン樹脂など様々な物質や製品も開発しています。
2023年度の売上高は約1600億円、経常利益は約240億円の実績でした。2024年度は売上高、経常利益ともにやや減収・減益となる予想がされています。
クミカの株価
2024年9月時点の株価は約800円です。2012年までは300円以下で推移していましたが、2015年には1300円を超えるまで急上昇しました。その後は、約500円から約1100円の間で、小さな株価変動を頻繁に繰り返しています。
2023年12月初時点の株価は約1000円前後でしたが、年末には約700円まで下落しました。2024年に入ってからの株価は、約800円前後でほぼ横ばいとなっています。
クミカの配当と配当性向の推移
2024年度の配当金は、4月末の中間配当で10円と10月末の期末配当で20円の、年間1株当たり30円となる予想です。
この金額は、2017年度の8円、2018年度の10円、2019年度の11円、2020年度の12円、2021年度の15円、2022年度の22円から6期連続で増配していた2023年度の45円から、15円の減配となっています。
配当性向の推移は、2021年度が約20%、2022年度が約16%、2023年度が約30%の実績で、2024年度も約30%ほどになる予想です。2024年から2026年までの3年間、配当性向30%以上を目標にかかげており、来年以降も高配当が期待されます。
クミカの株主優待
株主優待制度は、2024年9月時点では実施されていません。
クミカの利回りと推移
1株800円で100株購入した場合、投資金額は8万円になります。配当金額は1株当たり30円のため3000円となり、配当利回りは約3.8%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの推移は、2020年度は約1.3%、2021年度は約1.6%、2022年度は約2.4%、2023年度は約4.6%でした。配当性向の高くなった2023年以降、配当利回りも高くなっていることが分かります。
アールエイジ(3248)
アールエイジは、1993年に設立され、東京と千葉に合わせて6つの事務所を構える不動産会社です。賃貸マンションの管理と運営のほか、賃貸マンションの新規開発事業も行っています。
2023年度の売上高は約34億円、経常利益は約5億円の実績でした。2024年度は売上高、経常利益ともに約1.5倍の増収・増益が予想されています。
アールエイジの株価
2024年9月時点の株価は約900円です。過去20年間の株価は、2009年と2013年に急上昇と急下落の大きな変動が発生していますが、それ以外は約500円から800円の間を緩やかに推移しています。
新型コロナの影響で2020年に約400円まで下落しましたが、小さな変動を繰り返しながら4年以上緩やかに右肩上がりを続けています。
アールエイジの配当と配当性向の推移
2024年度の配当金は、4月末の中間配当で15円と10月末の期末配当で21円の、年間1株当たり36円となる予想です。この金額は、2021年度の28円、2022年度の31円、2023年度の33円から、3期連続で増配となっています。
配当性向の推移は、2020年度が約29%、2021年度が約34%、2022年度が約26%、2023年度が約32%の実績で、2024年度も約32%ほどになる予想です。標準的な数値である約30%前後を維持しており、無理のない範囲で株主還元を行っています。
アールエイジの株主優待
株主優待制度は、2024年9月時点では実施されていません。
アールエイジの利回りと推移
1株900円で100株購入した場合、投資金額は9万円になります。配当金額は1株当たり36円のため3600円となり、配当利回りは約4.0%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの推移は、2020年度は約4.8%、2021年度は約4.3%、2022年度は約4.6%、2023年度は約4.3%でした。毎年利回りが4%を超える高配当銘柄であることが分かります。
まとめ
「クミカ」と「アールエイジ」についてご紹介しました。
クミカは2023年から配当性向を高くし、配当金による株主還元に力を入れ始めており、2026年度まで高い配当性向を保持する目標をかかげています。同じくアールエイジも高い配当性向をキープしており、利回りは毎年4%を超えています。
どちらの銘柄も、今後も高配当が期待される銘柄です。