今回はSNSでしばしば炎上する「ヨンドシーホールディングス(4℃)」について解説していこうと思います。業績状況や投資先としての魅力はどうなのかという視点で追っていこうと思います。
一方、ファッション系銘柄の「バロックジャパンリミテッド」は、女性に人気のブランド展開を行なっており、投資の面でもかなり魅力的な内容になっています。ぜひ記事をご参考いただければと思います。
ヨンドシーホールディングス(8008)
株式会社ヨンドシーホールディングス(4℃ホールディングス)は、ジュエリーブランド「4℃」を展開するエフ・ディ・シィ・プロダクツと、アパレル小売り・卸売り事業を展開するアスティからなる持株会社です。
指輪、ネックレス、イヤリング、ピアスなどを主力商品としており、若者にも価格面で手が出しやすく洗練されたデザインで知られている「4℃」ブランドのジュエリー事業、ODMを中心としたアパレルメーカー事業、デイリーファッション事業を中心に事業展開しています。
2023年秋には東京・原宿のジュエリーショップ「匿名宝飾店」を期間限定で運営しており、「デザインと品質」のみで判断してもらうという大胆な戦略が話題を集め、この店舗の正体が「4℃」であることが明かされ、驚きを呼んでいました。4℃はSNS上でネガティブなイメージを持たれがちでしたが、そのイメージを逆手に取ったプロモーションが称賛されています。
ヨンドシーホールディングスの2024年1月現在の株価は、約2000円となっています。前期の同時期は1700円台で推移していましたが、年間を通じて上昇傾向になっています。
通期の売上高は前期より約5億円多い400億円ですが、第3四半期での進捗は66.5%と例年よりも好調な状況です。
ヨンドシーホールディングスの株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は2月の年1回になっています。保有数に応じて優待券やクオカード、寄付(日本水フォーラム)を選択できる内容となっています。また500株以上保有の場合はクオカードの代わりにジュエリーが送られてきます。
例えば100株を保有している場合、株主優待券2000円相当か、クオカード500円相当、もしくは1000円相当の寄付から1つ選ぶ形になります。所有区分で内容が変わってきますので、詳しくは以下のイラストをご参考ください。
ヨンドシーホールディングス株主優待の使い方は?いつ届く?
優待券は店舗で使用する事が可能ですが、自社のオンラインショップにて商品を購入した際も利用が可能です。一旦精算したあと、「株主優待券ご利用票」に必要事項を記入のうえ郵送すると、口座にキャッシュバックを受ける流れになります。
また選択した優待内容によっても届く時期が異なりますので、ご注意ください。株主優待券の場合は、6月下旬から8月下旬となっています。クオカード・ジュエリー・寄付は8月下旬に届く予定となっています。
ヨンドシーホールディングスの利回り
配当は2月と8月の年2回実施され、前期の年間配当は83円となっていました。そして今期も配当維持の83円が見込まれています。
例えば1株2000円で100株購入した場合、投資金額は約20万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は8300円になるので、配当金利回りは約4.2%となります。また、株主優待券2000円相当を選択した場合、総利回りは約5.2%となります。
4℃は女性に嫌われている?なぜ炎上するのか?
4℃の購買層は男性顧客が主なターゲットで、女性への誕生日やイベントのプレゼント戦略が売上の軸になっていました。
しかしながら、ジュエリーブランドの中でも比較的廉価な商品群になっていたので、女性の要望との不一致でSNSではしばしば議論を引き起こす原因となっていました。
しかし、不採算店舗の整理やファッションジュエリーに経営資源を集中、そしてブランド再構築に取り組んだ結果、前期の女性客による売上は37億円に達し、前期比で30%の増加を達成しました。この成果により、女性に敬遠されがちだったイメージは徐々に払拭されつつある状態です。
昨年、SNS内でも炎上した匿名店舗など新たな一手を打ち出すマーケティング力で業績を伸ばす可能性を秘めている企業になります。
バロックジャパンリミテッド(3548)
株式会社バロックジャパンリミテッドは、2000年3月に創業した総合アパレル企業です。アパレル商品の企画・製造・輸出入・販売を手掛け、特に女性に人気のMOUSSYやSLY、AZUL BY MOUSSY、ENFOLDなど多数の人気ブランドを立ち上げてきました。ハイエンドブランドからファッションビルやショッピングモール向けのブランドまで幅広く展開しています。
また、生産方法は小ロット型のビジネスモデルを採用しており、SNS運用にも強く、特に店舗スタッフをインフルエンサーとして活動させるなど他社とは一線を画す活動をしています。
1つのブランドが落ち込んでも全体でカバーできる強みを持っており、現在は14ブランドを展開している会社になります。
バロックジャパンリミテッドの2024年1月現在の株価は、約830円となっています。前期の同時期も830円前後で推移していましたが、直近1年間では770円から930円と比較的、値幅が広い動きをしています。
通期の最終売上高は前期より約71億円多い660億円ですが、第2四半期での進捗は22.7%と例年よりも大きく下回っている状況です。この発表が株価に影響を与える一因となっています。
バロックジャパンリミテッドの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2024年1月現在、権利確定月は2月と8月の年2回です。保有数に応じて店舗や通販サイトで利用可能なクーポンが贈呈されます。
例えば100株を保有している場合、1枚2000円相当のクーポンが年間2枚(計4000円相当)が送られてきます。200株・500株の保有区分で内容が変わってきますので詳しくは以下のイラストをご参考ください。
バロックジャパンリミテッドの株主優待はいつ届く?
確定月8月の場合は、11月末に届く予定となります。また2月の場合は、5月末に送付される予定となります。また一部利用できない店舗がありますのでご注意ください。
バロックジャパンリミテッドの利回り
配当は2月の年1回実施され、前期の年間配当は38円となっていました。そして今期は前期と同額の38円の予定となっています。
例えば1株830円で100株購入した場合、投資資金は約8.3万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は3800円になります。配当金だけの利回りは約4.6%となっています。また株主優待券4000円相当を含めると、総利回りは約9.4%と高い水準となります。
まとめ
今回はファッションに関する2つの銘柄について解説しましたが、いかがだったでしょうか?「ヨンドシーホールディングス」は利回りが4%を超え高水準になっています。一方「バロックジャパンリミテッド」も4%を超える高利回りで、株主優待を含めると総利回りは約9.4%とかなり優秀です。
ただ「ヨンドシーホールディングス」はジュエリーがメインになりますので、日常的に使用する洋服の複数ブランド展開を行う「バロックジャパンリミテッド」の方が、優待の使い勝手という面ではアドバンテージがあるかもしれません。
いずれも投資先としては3%を超えると高配当と呼ばれる中では、とても優秀な銘柄です。一度、検討してみてはいかがでしょうか?