株主優待の中には独自のユニークな制度を取り入れている企業があります。今回紹介する「エプコ」は、なんと自社が扱う100万円相当の製品が抽選で当たる特典となっています。配当利回りも高く4%を超える水準になり、もう一つの銘柄「デイトナ」も総利回りでは同じく4%を超える企業になります。高配当と株主優待に期待を持てる両銘柄について解説していきますので、ご参考いただければと思います。
エプコ(2311)
株式会社エプコは、住宅設備の設計、メンテナンス、省エネリフォーム、住宅・エネルギーシステムの開発を手掛ける会社です。住宅専門のコールセンター運営や省エネ推進事業も行っており、住宅分野のスペシャリストとして、家の建設から住み替えまでのライフサイクルに対応した事業を展開しています。
エプコの強みは、100万戸以上の設備設計実績と日本最大の年間設備設計戸数を有しており、24時間365日対応の住宅アフターメンテナンスを提供している点です。
また、エプコは創業から30年以上の歴史があり、安定した経営基盤と地球環境にやさしい住宅の普及に努めています。企業名「Energy Plan Company」は、エネルギー問題の解決を目指す企業としての姿勢を示しています。
エプコの2023年11月現在の株価は、約770円となっています。前期12月の決算後は670円台まで落ち込みましたが、年間を通じて安定した株の値動きをしています。
業績は比較的安定し、1月から9月の累計連結経常利益は2億1500万円に伸びしています。これは、年間計画の2億8900万円に対して進捗率は74.4%となり、増収と増益の見込みになります。
エプコの株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は6月と12月の年2回になっています。100株以上を保有している株主に対して、「太陽光発電システム」もしくは「蓄電池」を戸建住宅(新築及び既築)に無償で設置する権利が抽選で当たる企画を年間2回実施しています。
製品・工事代・メンテナンス代込みで100万円相当になっており、年間10名に当たります。
また100株毎に1口で応募でき、上限は10口になっています。マンションや一部設置ができない形状の住宅もあるようなので、ご注意ください。
エプコの株主優待はいつ届く?
確定月6月の場合は、7月下旬に応募書類が郵送されます。WEBで応募する形式になり、8月下旬に当選結果が発表されます。
また12月の場合は翌年1月下旬に応募書類が郵送され、2月下旬に当選結果が発表される予定になります。
エプコの100万円相当の株主優待の当選確率は?
エプコのIR情報で発表されていますが、基準日が2023年6月末の当選確率は、2364名の申し込みに対して5名の当選者なので、0.21%になります。応募口数に比例して当選確率も上がっている状況です。
また株主優待は年に2回ありますので、ぜひ戸建を持っておられる方は挑戦してみてはいかがでしょうか?
エプコの利回り
配当金がもらえる権利月は6月と12月の年2回です。今期6月の中間配当は14円の実績でした。期末は18円で年間配当32円の見込みとなっています。前期・前々期の年間配当も32円だったため、2期連続の配当維持となる予定です。
例えば1株770円で100株購入した場合、投資金額は約7.7万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は3200円になるので、配当金利回りは約4.2%となります。また100株以上保有した場合の株主優待特典は100万円相当額の抽選のため、総利回りは割愛させていただきます。
デイトナ(7228)
株式会社デイトナは、オートバイのカスタムパーツや部品、用品の企画・開発・販売を行うバイク文化の創造企業です。国内外から厳選された部品や用品の輸入・販売も手掛けており、2015年からは電動乗物事業に進出し、特に目を引くオリジナルの電動自転車の販売に力を入れています。
デイトナの経営理念は「バイク文化の創造企業。カスタマイズから提案します」で、バイク愛好家の間で高い評価を得ており、さらに、デイトナ・インターナショナル(FREAK'S STORE)は全国に46店舗を展開し、200億円以上の売上を達成しています。
また若手社員でも責任のある仕事を任され、裁量を持って業務を遂行することができる風土があり、個人の目標達成に応じて部署や垣根を超えて挑戦する機会も提供している会社になります。
デイトナの2023年11月現在の株価は、約3100円となっています。前期の決算月(12月)は3700円台をつけていましたが、今期は年間を通じて株価を下げている状況です。
業績の面では1月から9月の連結経常利益は14.3億円に減ることが発表されています。これは前年同期と比べて18.8%減になっています。
デイトナの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2023年11月現在、権利確定月は12月の年1回です。保有数と保有期間に応じて、プレミアム優待倶楽部ポイントが贈呈されます。このポイントを使うと食品や電化製品、旅行券など 2000点以上の商品から選択できる内容となっています。
2年未満か連続2年以上の保有により、付与されるポイントが変わってきますので、詳しくは以下のイラストをご参照ください。
またポイントは1ポイントが1円相当となっており、有効期間は最大で2年間になっていますのでご注意ください。
デイトナの株主優待はいつ届く?
確定月12月の翌年2月頃にポイントが付与されるとなっています。優待商品の交換は2月中旬から下旬にかけて可能ですので、このタイミングでの贈呈されると考えていただければと思います。
また、2022年分は2023年2月24日から交換が始まっています。
デイトナの利回り
配当金がもらえる権利月は12月の年1回です。前期では年間配当123円の実績でした。そして今期は年間配当121円が見込まれています。今期は残念ながら2円の減配の予定となっています。
例えば1株3100円で100株購入した場合、投資資金は約31万円ほど必要となり、年間で受け取れる配当金は12100円になります。配当金だけの利回りは約3.9%となっています。また100株を2年未満保有した場合の500ポイント(500円相当分)の優待を合わせると、総利回りは約4.1%となります。
まとめ
今回は配当で4%が狙える「エプコ」と「デイトナ」を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?「エプコ」は4%を超えながら、株主優待は100万円相当の内容といったユニークな特典になっています。
一方、「デイトナ」は配当利回りでは4%を割り込んでいますが、総利回りはそれを超えています。今期は減配ながら株価の値動きによってはまだ配当利回りで4%を狙える内容ですので、購入のタイミングを見計らってはいかがでしょうか?