有名なアパレルブランドを展開する「ダイドー」と「青山」は、それぞれ今期の配当利回りが5%を超える注目株です。今回は、「ダイドー」と「青山」の2銘柄について、投資の注意点や検討のポイントを詳しくご紹介します。
ダイドーリミテッド(3205)
ダイドーリミテッド(以下、ダイドー)は、大人の女性向けファッションブランド「ニューヨーカー」を展開する企業です。生地の製造から衣料品の縫製・製造・販売まで一括して行っています。
また、神奈川県にある複合商業施設であるダイナシティの管理・運営およびダイナシティ周辺の関係施設の管理や不動産開発など、不動産賃貸に関する事業も展開しています。
ダイドーの業績
2024年度の売上高は約286.9億円、経常利益は約3.3億円のマイナスでした。2025年度の売上高は約287.4億円と減収見込みで、経常利益は約3億円の赤字予想ですが、前年より赤字幅は縮小する見込みです。
昨年よりも赤字は縮小となる見込みですが、過去10年にわたって経常利益は赤字経営が続いています。投資を検討する場合は、今後の業績についても十分ご注意ください。
ダイドーの株価
2025年2月時点の株価は約1000円です。2006年の株価は約1800円でしたが、2007年以降右肩下がりとなり、2022年には約130円まで下落しました。2023年以降の株価は、再び右肩上がりで回復しています。
ダイドーの過去20年間の株価を見ると、約130円から約1800円まで比較的大きな変動幅で株価変動が起こっています。しかし、下落・上昇ともにゆるやかに推移しており、株価変動の頻度もそれほど多くありません。
ダイドーの株主優待はオンラインショップ割引券とブランド品の2種類
ダイドーの株主優待は、3月末と9月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、それぞれの権利確定日によって異なります。
9月末の権利確定日に贈呈される株主優待内容は、ダイドー子会社のオンラインサイトで取扱う商品の20%割引券です。3月末の権利確定日には、20%割引券の他、ファッションブランドショップ「ニューヨーカー」の商品1点も合わせて贈呈されます。
それぞれの権利確定日に保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。なお、ニューヨーカーのブランド品内容は毎年変更されます。
ダイドーの配当
2025年度の配当金は、3月末の期末配当にて、年間1株当たり100円が配当される予想です。この金額は、2023年度と2024年度の2円から大幅に増配されています。
2024年度から2025年度にかけて業績はほとんど変わっていないにも関わらず大幅増配されている理由は、配当方針の変更が関係しています。これまで連結経常利益の30%程度を方針として掲げていましたが、2025年度から2027年度までの3年間は、1株当たり100円の配当を基本とする方針に変更されました。
ダイドーの配当利回り
1株1000円で100株購入した場合、投資金額は10万円になります。配当金額は年間1株当たり100円のため10000円となり、配当利回りは約10.0%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度と2022年度は無配当のため0%、2023年度は約1.0%、2024年度は約0.5%でした。
青山商事(8219)
青山商事(以下、青山)は、「洋服の青山」や「スーツカンパニー」などのビジネスウェアを販売する企業です。ビジネスウェアの売上が全体の約7割を占めますが、残り3割は多岐に渡る事業にて構成されています。
その他事業とは、会員制クレジットカード「AOYAMAカード」の取扱および金融サービス提供や、折込チラシやDMにて行う販売促進支援、100円均一店「ダイソー」の運営、「焼肉きんぐ」などの飲食店経営、「2ndストリート」などのリユース店、WEBメディア事業などです。
青山の業績
2024年度の売上高は約1940億円、経常利益は約125億円の実績でした。2025年度は売上高が約1990億円、経常利益が約139億円となる予想です。また、売上高・経常利益ともに2021年度以降、4期連続で増収・増益となっています。
青山の株価
2025年2月時点の株価は約2200円です。比較的株価変動が大きく、2015年から2018年にかけての株価は、約4000円から約5000円の間で推移していましたが、2018年後半から下落し始め、新型コロナウイルスの影響もあり、2020年に約500円まで下落しました。
その後2022年まで1000円以下を低迷していましたが、2023年以降小さな株価変動を繰り返しながら再び回復傾向にあり、2024年の約1300円から2025年には約2300円まで急上昇しています。
青山の株主優待はオンラインショップでの利用不可
青山の株主優待は、3月末と9月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、株式の保有数に応じて贈呈されます。贈呈される株主優待の内容は、青山が提供する製品・サービスの20%割引券です。
それぞれの保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。贈呈される割引券は、「洋服の青山」をはじめとする店舗でのみ利用可能で、オンラインショップやアウトレット店では利用できません。また、他のクーポンとの併用は不可なので、株主優待に期待をして投資を検討される場合は注意が必要です。
青山の配当
2025年度の配当金は、9月末の中間配当で30円、3月末の期末配当で97円の、年間1株当たり127円となる予想です。この金額は、2021年度の0円、2022年度の8円、2023年度の26円、2024年度の65円から4期連続で増配となっています。
青山の配当利回り
1株2200円で100株購入した場合、投資金額は22万円になります。配当金額は年間1株当たり127円のため12700円となり、配当利回りは約5.8%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は無配当のため0%、2022年度は約1.1%、2023年度は約2.9%、2024年度は約4.5%でした。
まとめ
「ダイドー」と「青山」についてご紹介しました。
どちらも今期の配当利回りが5%を超える注目株ですが、業績や株主優待利用の条件など、それぞれに投資の際の注意点があります。この記事が、投資先として検討される場合の参考になれば幸いです。