今回は不動産関連銘柄の「ファースト住建」と「東建コーポレーション」を紹介していこうと思います。株価によっては利回り4%を狙え、株価成長が狙える内容です。またエンドユーザーからのネガティブな評価についても触れてみましたので、参考にしていただければと思います。
ファースト住建(8917)
ファースト住建株式会社は住宅建築と不動産仲介の会社で、関西でトップクラスの戸建て住宅の販売実績を誇ります。年間約1300棟の木造戸建て住宅を提供する「建売」方式で、土地の仕入れから家の設計・建築・販売までを自社で一貫して手がけています。
特に、お客様の満足を第一に考え、各地域のニーズに合わせた家作りを心掛けながら、事業の効率化やコストダウンを図ることで、品質の高い家を適正価格で提供することに強みを持っています。そのために、自社での管理と外部の資源を上手に活用し、お客様一人ひとりのニーズに細かく応えることで、快適な住まいを実現している会社です。
ファースト住建の2024年3月現在の株価は約1090円となっています。前期の同時期は1100円台で推移していましたので、ほぼ横ばいになっています。
今期の売上高目標は434億円と前期の実績より約2700万円を上回る計画がなされています。ただし直近の第1四半期(11-1月)の発表では、経常利益は前年同期比52%減の2.7億円と大きく減益となっています。
第1四半期の最終利益の減少が止まらず、前年同時期比53%の大幅減になっています。
ファースト住建の株主優待
株主優待がもらえる権利確定月は4月と10月の年2回になっています。100株以上を1年間以上保有している株主に対して、QUOカードが贈呈されます。
100株以上300株未満の保有の場合は500円の額面になり、300株以上の場合は、おじゃこのやわ煮が送られてきます。
ファースト住建は不祥事で最悪?会社の評価は?
過去の記事などを確認すると大きな不祥事は見当たりませんでした。しかしながら強引な工事施工で近隣住民とのトラブルが散見されます。担当者レベルのもので、会社の体質そのものではないかもしれませんが、仕事の行い方が「最悪」など評価されていると投資家サイドとしては不安に感じることもありますよね。
今期売上は微減の着地予想ですが、エンドユーザーからの良い評価が更にもたらされると株価成長へのいい循環が期待されるかもしれません。
ファースト住建の利回り
配当は4月と10月の年2回実施され、前期の年間配当は43円となっていました。そして今期の年間配当も同額の43円が見込まれています。実現すれば過去数年にわたり、同額の配当を維持している形となります。
例えば1株1090円で100株購入した場合、投資金額は約10.9万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は4300円になるので、配当金利回りは約3.9%となります。また100株を1年以上保有した場合、株主優待を含めた総利回りは、約4.4%になります。
東建コーポレーション(1766)
東建コーポレーションは、1974年に創業された総合建築企業で、賃貸マンションやアパート、貸店舗などの建設から管理までを手掛ける会社です。
土地の有効活用を提案し、土地オーナーや入居者に喜ばれる賃貸住宅の供給を目指しています。この会社は、新商品開発、リース建築、設計・建築、入居仲介・賃貸管理(ホームメイト)、ネット広告、リフォーム事業など幅広い事業を展開しており、建設業だけでなく、不動産仲介や広告代理店業、さらには旅行代理店業やゴルフ場・ホテル施設の運営も行っています。
特に不動産管理に強く、独自の「高耐震鉄骨構造」や「高耐震木造2×4工法」などの耐震技術、オリジナル商品開発にも力を入れています。東建コーポレーションは、建物の頑丈さ、保証システム、自社生産、バリアフリー対応、入居仲介促進システム、豊富な管理実績といった点で業界随一の強みを持ち、長年のノウハウとネットワークを持った会社です。
東建コーポレーションの2024年3月現在の株価は、約9500円となっています。前期の同時期も7500円台で推移していましたので、大きく上昇した形となっています。
通期の売上目標は前期より約221億円高い3389億円になっています。5月から2024年1月までの第3四半期累計経常利益は、前年同期比3.6%高い86.6億円に増益しました。ただし2月から4月(4Q)の経常利益は前年同期比1.2%低い17億円に減収する見込みとなっています。
東建コーポレーションの株主優待
株主優待は変更される可能性がありますが、2024年3月現在、権利確定月は4月の年1回と随時受け取れる特典があります。4月の分は1000株以上保有している株主に対して「魚沼産コシヒカリ」「ミネラルウォーター」「焼酎」が選択できる内容になっています。
更に100株保有で「本体工事請負金額の割引」「賃貸の仲介手数料割引」「ゴルフ場の割引券」「ホテルの割引券」「ゴルフツアーの鑑賞券」など様々な特典がついています。保有区分に応じて内容が変わっていますので、詳しくは以下のイラストをご参考ください。
東建コーポレーションの利回り
配当は4月の年1回実施され、前期の年間配当は250円となっていました。そして今期も同額の年間配当250円の予定となっています。
例えば1株9500円で100株購入した場合、投資資金は約95万円が必要となり、年間で受け取れる配当金は2500円になります。配当金だけの利回りは約2.6%となっています。また株主優待を含めた総利回りは、定量化できないので割愛させていただきます。
東建コーポレーションのやばい噂とは?
東建コーポレーションの従業員のノルマが過去には大きく課されていたようです。契約が取れなかった期間に応じて給料が減額される仕組みで働く側のプレッシャーが大きい評価でした。また一方で契約本数を多く取れる担当者の給料は大きくなっており、強引な契約や契約後の対応にマイナス評価が入っている場面もあったようです。
こちらも投資先としては、エンドユーザーから評価される企業であって欲しいと思います。
まとめ
今回は不動産関連銘柄の中でも利回り4%が狙える「ファースト住建」と「東建コーポレーション」について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
「東建コーポレーション」は株価高騰の影響で、利回りが落ち込んだ数値になっていますが、安定した業績で成長が期待できる銘柄です。
また「ファースト住建」は、株価次第では利回り4%になりますが、特に決算月は変動が予想されますので、見極めていただければと思います。