12月に決算を迎える「光ビジネスフォーム」と「リリカラ」は、どちらも最低投資金額が10万円以下と、比較的少額から投資することが可能です。今回は、光ビジネスフォームとリリカラについて、今期の業績や今後の配当利回りの予想も踏まえて、詳しく解説します。
光ビジネスフォーム(3948)
光ビジネスフォームは、企業向けの印刷サービスやデータプリント、帳票・用紙の製造販売などの印刷に関する事業を行う企業です。また、印刷事業に関連して、デザイン制作やWEBサイト制作、申込書やアンケートの収集など、さまざまな事業を展開しています。
2023年度の売上高は約99億円、経常利益は約13億円の実績でした。2024年度は売上高が約77億円、経常利益は約2.6億円と大幅な減収・減益になる予想です。
光ビジネスフォームの株価
2024年11月時点の株価は約770円です。株価変動の発生頻度はそれほど多くないものの、長期に渡り大幅な変動が起こる傾向があります。
2020年から2023年にかけて、株価が約280円から約1100円まで大きく株価が上昇しましたが、2024年に入ってから下落し始めており、今後の株価動向には注意が必要です。
光ビジネスフォームの株主優待
株主優待制度は、2024年11月時点では実施されていません。
光ビジネスフォームの配当と配当性向の推移
2024年度の配当金は、6月末の中間配当で18円と12月末の期末配当で20円の、年間1株当たり38円となる予想です。この金額は、2023年度の35円からやや増配となっています。
配当性向の推移は、2020年度が約38%、2021年度が約25%、2022年度が約23%、2023年度が約26%の実績でした。配当性向は30%未満の年が多く、企業としては利益の一部を安定的に配当に充てる方針が見られます。
光ビジネスフォームの利回り
1株770円で100株購入した場合、投資金額7.7万円になります。配当金額は年間1株当たり38円のため3800円となり、配当利回りは約4.9%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2020年度は約5.8%、2021年度は約6.8%、2022年度は約7.8%、2023年度は約4.3%でした。配当性向はそれほど高くありませんが、毎年非常に高い利回りでの配当が続いています。
リリカラ(9827)
リリカラは、壁紙やカーテン、家具などのインテリアを各種取り扱う企業です。また、インテリアを活用した、オフィスやホテル、公共施設などのコーディネートを行う空間アドバイザーとしての事業や、不動産投資事業も行っています。
2023年度の売上高は約328億円、経常利益は約14億円の実績でした。2024年度は売上高が約338億円とやや増収するものの、経常利益は約0.9億円と大幅な減益になる予想です。
リリカラの株価
2024年11月時点の株価は約650円です。2008年から2011年までの株価は、100円から250円ほどの間を推移していましたが、2022年以後急上昇し、2023年には700円を突破しました。
2024年度の株価は、500円から750円ほどの間で推移しています。小さな株価変動は頻発していますが、大きな株価変動が発生したのは一度だけです。
リリカラの株主優待
株主優待制度は、2024年11月時点では実施されていません。以前は実施されていましたが、2022年12月末の贈呈を最後に廃止されました。
リリカラの配当と配当性向の推移
2024年度の配当金は、12月末の期末配当において、年間1株当たり36円となる予想です。この金額は、2023年度の14.5円から増配となっています。
配当性向の推移は、2021年度が約22%、2022年度と2023年度が約19%の実績でした。昨年度までの配当性向はそれほど高くありませんが、2024年から2026年は、配当性向40%以上でDOE5%以上を目標に掲げており、今後も高い配当が期待されます。
リリカラの利回り
1株650円で100株購入した場合、投資金額は6.5万円になります。配当金額は年間1株当たり36円のため3600円となり、配当利回りは約5.5%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約3.2%、2022年度は約3.3%、2023年度は約2.5%でした。株主優待が廃止された影響もあり、今期の利回りは例年に比較して大幅に上昇しています。
まとめ
光ビジネスフォームは毎年高い利回りでの配当が継続しており、今期は業績が悪化しても配当利回りがそれほど下がらなかったことから、今後も高配当株であることが期待できるのではないでしょうか。
リリカラは2024年から2026年の株主還元方針を、配当性向40%以上かつDOE5%以上を目標として掲げているため、今後2026年度までは配当額が高くなることが予想されます。
今後も高配当が期待できる銘柄ですが、業績や株価変動など懸念事項もありますので、ぜひ十分考慮した上で投資先として検討してみてください。