配当を重視した投資を行う場合、「いつ、どれくらいもらえるのか?」は絶対にチェックしておきたいポイントです。今回ご紹介する「ヤマハ発動機」と「ホンダ」は、いずれも世界的な製造メーカーでありながら、高配当銘柄としても根強い人気があります。最新の株価や株主優待の内容も併せてご紹介します。
ヤマハ発動機(7272)
ヤマハ発動機は、オートバイなどの二輪車を製造・販売する世界的な大手企業です。電動自転車や電動車いす、ボートなどの乗り物や、産業用ロボット、ドローン、自動車エンジンなどの機械製造など、多岐に渡る分野で事業を展開しています。
2024年度の売上高は約2.5兆円、経常利益は約1800億円でした。2025年度は売上高が約2.7兆円にやや増収する見込みですが、経常利益は現時点で未定となっています。
ヤマハ発動機の株価
2025年5月時点の株価は約1100円です。リーマンショックの2008年、中国経済悪化の2016年、新型コロナ蔓延の2020年に株価が大きく下落しており、景気によって株価が大きく変動する「景気敏感株」に分類されます。
2020年に約370円まで下落した株価は、その後の回復により2024年には約1600円まで上昇しました。しかし、2025年に入ってからは右肩下がりが続いており、中国経済および半導体不足の影響によるものだとみられます。
株主優待内容は?いつもらえる?
ヤマハ発動機の株主優待は、毎年12月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、株式の保有数および保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される内容は、専用カタログギフトで使える優待ポイントです。
また、6月末の権利確定日には、3000株以上の株式を保有の株主に対し、希望者限定で翌年のカレンダーが贈呈されます。株式の保有数および保有年数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記のイラストをご確認ください。
12月末の権利確定日に贈呈される優待ポイントは、3月中旬頃までに郵送され、手元に届いてから6月末までが申し込み期間です。また、6月末の権利確定日に贈呈されるカレンダーは、9月中旬頃に申し込み書が郵送され、12月中に発送されます。
配当金はいつもらえる?増配は継続?
ヤマハ発動機の配当金は、毎年6月末の中間配当と12月末の期末配当の年2回もらえます。2025年度の配当金は、中間配当で25円、期末配当で25円の、合わせて年間1株当たり50円となる予想です。この金額は、2020年度から4期連続で増配していた2024年度と同じ金額を維持しています。
ヤマハ発動機の利回り
1株1100円で100株購入した場合、投資金額は11万円になります。配当金額は年間1株当たり50円のため5000円となり、配当利回りは約4.5%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約4.1%、2022年度は約4.5%、2023年度は約4.0%、2024年度は約3.6%でした。
ホンダ(7267)
ホンダ(本田技研工業)は、自動車や二輪車を製造・販売する世界的大企業です。オートバイなどの二輪車は世界ナンバーワンの売上を誇ります。また、金融サービスの提供や発電機などの環境技術事業も行っています。
2025年度の売上高は約22兆円、経常利益は約1.3兆円でした。2026年度は売上高が約20兆円にやや減収、経常利益は約4900億円と大幅減益となる予想です。
ホンダの株価
2025年5月時点の株価は約1400円です。ヤマハ発動機と同じく2008年、2016年、2020年に株価が大きく下落しており、景気敏感株の特徴が見られます。
2020年に約700円まで下落した株価は、2023年頃から大きく回復し始め、2024年には約1900円まで上昇しました。しかし、度重なる業績悪化と利益額予想の下方修正から、株価の下落が続いています。
株主優待内容は?カレンダーは廃止
ホンダの株主優待は、毎年3月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、株式の保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される内容は、割引クーポンやイベント招待などの抽選権利です。詳細は下記のイラストをご覧ください。
6月上旬頃に抽選方法などの詳細が案内され、申し込みを行うと8月上旬頃に当選者にのみ当選通知が送られます。2026年3月末の株主優待から内容が一部拡充されることが決定しており、それに伴い、これまで希望者のみ贈呈されていたカレンダーの贈呈が廃止されました。
配当金は年4回もらえるって本当?
ホンダの配当金は、毎年9月末の中間配当と3月末の期末配当の年2回もらえます。2021年度までは6月・9月・12月・3月の年4回配当されていましたが、2022年度以降は年2回の配当が続いています。
2026年度の配当金は、中間配当で35円、期末配当で35円の、合わせて年間1株当たり70円となる予想です。この金額は、昨年度の68円からやや増配しています。
ホンダの利回り
1株1400円で100株購入した場合、投資金額は14万円になります。配当金額は年間1株当たり70円のため7000円となり、配当利回りは約5.0%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約3.5%、2022年度は約3.6%、2023年度は約4.5%、2024年度は約4.4%でした。
まとめ
「ヤマハ発動機」と「ホンダ」について、2026年度の配当金がいつ、どれくらいもらえるのかご紹介しました。どちらも配当利回りが4%を超える高配当銘柄です。ただし、ホンダの配当金は年4回から年2回に変更されており、受け取り時期の変更には注意が必要です。
ホンダのように権利確定日が変更される銘柄もあるため、投資前だけでなく現在投資中の銘柄についても、毎年確認されることをおすすめします。