「三陽商会」と言えば以前は「バーバリー」で有名でしたが、2015年を持って40年間のライセンスが終了しました。現在は独自のオリジナルブランドを展開しており、売上も回復傾向のようです。「バロックジャパンリミテッド」もアパレル関連の企業で、若者を中心に人気の銘柄になっています。今回はおしゃれな人には馴染みのあるアパレル関連で、配当が期待できる銘柄の紹介をしていこうと思います。
三陽商会(8011)
株式会社三陽商会は婦人服ブランドを中心に百貨店などで運営しているアパレル企業になります。「AMACA(アマカ)」「EVEX by KRIZIA(エヴェックス バイ クリツィア)」などの人気ブランドで運営しており、その歴史も古く1943年の戦時中に創業されました。一時はバーバリーのライセンス撤退で業績は悪化しましたが、現在は希望退職や効率的な在庫運用にて増益傾向を見せています。
2023年7月時点の株価は、1株約2060円になっています。2015年以降はかなり株価を落としてきましたが、前期より経営が安定したことにより上昇傾向になっています。
三陽商会の株主優待
特典は株主優待セールへのご招待券となっています。こちらの株主優待セールはかなり人気になっており、商品によっては70%以上割引された衣料品を購入することができます。春と秋の年に2回あり、1枚につき4名が参加できますが、開催地は東京都のみになっています。普段から三陽商会ブランドを愛用されている方には、配当以上の割引リターンが期待できる優待になっています。
株主優待利用時の注意点
同一品番で同じ色の商品は1点しか購入できません。これは転売目的を禁止しているためです。裏を返せば、それほどお得なセールになっているということですね。また残念ながら東京のみの開催ですが、大阪と名古屋ではスペシャルセールが行われているようです。但しこちらは株主優待とは異なりますので、詳しくは三陽商会のホームページよりご確認ください。
三陽商会の利回り
配当金がもらえる基準日は2月の年1回となっています。2022年の前期は55円となっており、そして今期の2月(2024年2月)の配当は59円が予想されています。二期前は無配当が継続していましたが、収益の回復とともに二期連続の増配が予定されています。
2023年7月時点の株価(1株約2060円)を100株購入した場合、投資金額は20.6万円で年間の配当金は5900円になり、配当金だけの利回りでは約2.9%になります。優待はセールの招待状なので加味できませんが、大きな割引を活用した同ブランド品の購入を行えば大きなメリットになるかもしれません。ただ3%台の利回りを目指すには約19.6万円で購入する必要がありますので、タイミングを見極めてはいかがでしょうか?
バロックジャパンリミテッド(3548)
株式会社バロックジャパンリミテッドは若者のファッションの聖地、渋谷109に「MOUSSY」を展開し、現在19ブランドを抱えるアパレル会社です。若年層から30代の女性など細かくターゲットを分けたブランド戦略で、「SLY」「SHEL'TTER」「AZUL BY MOUSSY」など大型ショッピングモールへの出店などで人気を博しています。また現在は国内だけでなく、中国などへの店舗展開を行い、増収を計っています。
2021年2月期は大きく前年の売上から減少し、それに伴ない株価急落が起こりました。1000円台から700円台まで落ち込みましたが、現在まで徐々に回復し2023年7月時点で約900円の値をつけています。今期は増収が発表されており、ほぼ計画通りの進捗状況となっております。
バロックジャパンリミテッドの株主優待
「MOUSSY」などのグループ店舗で使用可能な優待買物割引クーポンが保有株式数に応じて2月と8月の年2回、贈呈されます。1枚2000円相当になっており、例えば100株の場合は各2000円で年間4000円となっています。
株主優待利用時の注意点
2,000円以下の商品でも利用可能ですが、その際はお釣りはでませんので注意してください。通販での利用も可能でその場合は送料は無料となります。セール品や複数枚の同時利用もできますが、一部店舗では利用ができない場合もありますので、事前にホームページやスタッフの方にご確認ください。
バロックジャパンリミテッドの利回り
配当金がもらえる基準日は前述の三陽商会と同様、2月の年1回となっています。2022年の前期では年間配当は38円となっており、そして今期の2月(2024年2月)の配当も同じく38円が予想されています。売上が落ち込んだ2021年2月期は年間配当32円になっていましたが、売上の上昇とともに配当金額が戻ってきました。
2023年7月時点の株価(1株約900円)を100株購入した場合、投資金額は9万円で年間の配当金は3800円になり、配当金だけの利回りでは約4.2%になります。株主優待の4000円の特典を加味した場合、総利回りは約8.7%と非常に高い数値になっています。高配当だけでなく、優待も魅力的な内容になっているので、展開されるブランドを好む方にとっては嬉しいポイントになっています。
まとめ
今回は人気アパレルブランドを展開する銘柄を2つ紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?三陽商会は一時の売上減少から徐々に回復をみせ、老舗ならではの強みを活かした経営展開で3%の利回りを狙える銘柄になっています。
一方、バロックジャパンリミテッドはアパレル業界では新進気鋭な企業ですが、海外への店舗戦略や若者を中心に確かな認知度を築いており、配当利回りだけでも4%を超えてきていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。