今やスマートフォンは現代の生活に欠かせない存在となっています。そんな携帯サービスを提供する「ソフトバンク」と「NTT」が、高配当として人気の高い銘柄であることをご存知でしょうか。さらに、株主優待でもらえるPayPayポイントやdポイントの詳細についても解説します。
ソフトバンク(9434)
ソフトバンクは、個人向け携帯サービスにおける三大キャリアの1つで、携帯電話端末などの販売や、携帯電話回線およびインターネット接続サービスを行う企業です。
また、データのクラウドやセキュリティ、AI技術などのサービス提供、IoT器機の販売、ECサイト運営、QRコード決済「PayPay」など、情報機器に関する様々な事業を展開しています。
2024年度の売上高は約6兆円、経常利益は約8000億円の実績でした。2025年度の売上高は約6.3兆円に増加すると予想されていますが、経常利益は未定です。
ソフトバンクの株価
2025年2月時点の株価は約200円です。2024年10月1日に、1株を10株に分ける株式分割が実施されています。調整後の金額で表すと、2018年の上場当初から2023年まで、約150円前後をほぼ横ばいで推移しています。
株価変動は比較的小さく、2023年後半に約200円まで上昇した後、2025年2月時点でもその水準を維持中です。
ソフトバンクの株主優待は「PayPayポイント」
ソフトバンクの株主優待は、毎年3月末の権利確定日に、100株以上の株式を1年以上継続して保有する株主に対して、PayPayポイントが1000ポイント分一律で贈呈されます。
ソフトバンクの株主優待は2025年3月に導入されます。初回の株主優待適用保有期間は、2025年3月の権利確定日から2026年3月の権利確定日までとなっています。そのため、2024年3月より以前からソフトバンクの株式を保有している株主も、株主優待が贈呈されるのは2026年3月の権利確定日からです。
ソフトバンクの配当と配当性向の推移
2025年度の配当金は、9月末の中間配当にて4.3円、3月末の期末配当にて4.3円の、年間1株当たり8.6円となる予想です。この金額は、2021年度から4期連続で同じ金額が維持されています。
配当性向の推移は、2021年度が約83%、2022年度が約78%、2023年度が約76%、2024年度が約83%の実績でした。毎年配当性向が80%前後と高い水準を維持しており、利益の多くが株主に還元されていることが分かります。
ソフトバンクは今年も高配当継続!
1株200円で100株購入した場合、投資金額は2万円になります。配当金額は年間1株当たり8.6円のため860円となり、配当利回りは約4.3%です。なお、1年以上継続して保有すると株主優待として1000円相当のPayPayポイントがもらえるため、株主優待と配当を合わせた利回りは約9.3%になります。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約6.3%、2022年度は約5.8%、2023年度は約5.7%、2024年度は約5.0%でした。今年の配当利回りは昨年までと比較するとやや低くなっていますが、それでも4%を超える高利回りとなっています。
日本電信電話(9432)
日本電信電話(以下、NTT)は、個人向け携帯サービスにおける三大キャリアの1つである「ドコモ」の親会社であり、携帯電話やインターネットに関する様々なサービスを提供しています。
また、データのクラウドやシステム・ソフトウェア開発、コンサルティング、フレッツ光などの電気通信、再生可能エネルギー開発など、様々なサービス・事業を多岐に渡り展開しています。
2024年度の売上高は約13.3兆円、経常利益は約1.9兆円の実績でした。2025年度は売上高が約13.4兆円にやや増収するものの、経常利益は約1.7兆円とやや減収になる予想です。
NTTの株価
2025年2月時点の株価は約150円です。2023年7月1日に、1株を25株に分ける株式分割が実施されています。調整後の金額で表すと、2012年まで40円以下で推移していた株価が2013年以降右肩上がりに上昇し続け、2024年1月に約190円の値がつきました。
大幅な株価上昇がありましたが、長期間かけて上昇したため変動の波は比較的ゆるやかです。2024年5月に約150円まで下落して以降は、約150円前後をほぼ横ばいで推移しています。
NTTの株主優待は「dポイント」
NTTの株主優待は、3月末の権利確定日に、株式の保有年数が一定年数経過した100株以上保有する株主に対し、dポイントが贈呈されます。保有年数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
株主優待が贈呈されるのは最大2回の、合わせて4500ポイントとなっており、毎年贈呈されるわけではない点に注意が必要です。
NTTの配当と配当性向の推移
2025年度の配当金は、9月末の中間配当にて2.6円、3月末の期末配当にて2.6円の、年間1株当たり5.2円となる予想です。この金額は、2010年度から14期連続で増配となっています。
配当性向の推移は、2021年度が約42%、2022年度が約35%、2023年度が約35%、2024年度が約34%の実績でした。配当性向は平均的な水準となっており、非常に安定した株主還元が行われていることが分かります。
NTTの配当利回りは今年も安定
1株150円で100株購入した場合、投資金額は1.5万円になります。配当金額は年間1株当たり5.2円のため520円となり、配当利回りは約3.5%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約4.1%、2022年度は約3.7%、2023年度は約3.1%、2024年度は約3.0%でした。3%を超える利回りが毎年継続しています。
まとめ
株主優待でPayPayがもらえる「ソフトバンク」とdポイントがもらえる「NTT」についてご紹介しました。
どちらも比較的少額から投資可能で、高い配当利回りに加え、魅力的な株主優待がある点が魅力です。ただし、NTTは毎年株主優待がもらえるわけではないので、投資先として検討される際はご注意ください。