決算を迎える企業が最も多い3月は、注目株が多い分、どの企業に投資するか迷いますよね。今回は、高配当なだけでなく株主優待ももらえる「スクロール」と「パイオラックス」の2銘柄についてご紹介します。
スクロール(8005)
スクロールは、主に婦人向けの衣料や服飾雑貨を、カタログやインターネットなどで通信販売している会社です。通販事業を通じて得たノウハウから、物流や決済などの仕組みを提供するソリューション事業や、EC販売を専門店化に特化したeコマース事業なども行っています。
2023年2月現在の株価は約750円です。比較的株価変動が大きく、200円台の時もあれば、1500円近い高値が付く時もあります。2020年以降はインターネットで服を購入する機会が増えたこともあり、株価が300円台から900円台へ急上昇しました。
スクロールの株主優待
株主優待の内容は変更になる可能性がありますが、現在のところ3月末の決算時に、100株以上保有する株主に対し、株式の保有数に応じて株主優待が贈呈されます。優待券の内容は、スクロール商品購入時の割引として利用できる優待ポイントです。
株主優待ポイントは毎年6月頃に届きますが、翌年3月末までの有効期限があるため注意が必要です。1年以上継続して株式を保有すると、継続年数と株式の保有数に応じて、長期継続保有特典が追加でもらえます。
スクロールの配当
2022年度の配当金は、年間1株当たり64.5円の実績でしたが、2023年度は44円に減配される予定です。例えば1株750円で100株購入した場合、投資金額は7.5万円で配当金は4400円なので、配当金による利回りは約5.87%です。
1000円分の株主優待ポイントを利用した時の、配当金と株主優待の総合利回りは約7.2%です。長期継続保有特典がもらえる1年以上継続した場合の総合利回りは約7.87%、2年以上継続で約8.53%、3年以上継続で約9.2%になります。
パイオラックス(5988)
パイオラックスは、主に自動車関連、衣料関連、セキュリティ関連の製品に使う、金属や樹脂のばねを製作している企業です。ばねだけでなく、例えば自動車関連製品としては、フィルターやチューブ、コネクターなどの燃料系部品や配管などを車体に固定するためのファスナー部品など、数多くの部品を作成し業界トップシェアを誇ります。
2023年2月現在の株価は約1800円です。自動車部品メーカーの株は景気に左右される傾向が高く、パイオラックスの株価も景気によって大幅な株価変動が頻繁に発生しています。現在は感染症と円安の影響を大きく受け、株価は低迷している状態です。
パイオラックスの株主優待
株主優待の内容は変更になる可能性がありますが、現在のところ3月末の決算時に、1年以上継続して100株以上保有する株主に対し、株式保有数と継続年数に応じて株主優待が贈呈されます。優待券の内容は株式の保有数や継続年数によって異なりますが、クオカードやグルメギフト券などです。
株主優待としてグルメギフト券がもらえる場合、毎年6月頃に対象商品が記載されたカタログギフトが送付されます。9月末の有効期限までに欲しい商品を選択し、専用はがきで申し込みが必要です。有効期限を過ぎると株主優待はもらえなくなるので注意してください。
パイオラックスの配当
2022年度の配当金は、年間1株当たり45円の実績でした。2023年度から2025年度の3年間、配当金還元について配当性向100%を目標に掲げています。そのため、2023年度の配当金は大幅に増配し1株当たり97円となる予想です。
例えば1株1800円で100株購入した場合、投資金額は18万円で配当金は9700円です。初年度は株主優待がもらえないため、配当利回りのみの約5.39%ですが、1年以上継続していた場合、株主優待との総合利回りは約5.67%、3年以上継続で約5.94%になります。
配当利回りだけでも約5%を超える高利回り株ですが、グルメギフト券やクオカードなど使い勝手のよい株主優待内容も魅力のひとつです。現時点での株価や配当金から算出された株主優待と配当金を合わせた総合利回りが最も高くなるのは、3年以上継続して300株保有した場合の約6.31%という結果になりました。
まとめ
3月決算のおすすめ銘柄「スクロール」と「パイオラックス」についてご紹介しました。配当利回りが5%を超える高配当株かつ、スクロールは自社商品購入時の商品割引ポイント、パイオラックスはグルメギフト券やクオカードなどの、使い勝手の良い株主優待がもらえるのが魅力です。
どちらの銘柄も配当金・株主優待をもらうためには、3月末の決算日から2営業日前までに株式を購入する必要があるので、余裕をもって購入するようにしてください。