日々是売買~トレードへの道

第148回「AI懸念でハイテク株急落・VIX急騰 この状態で米中間選挙へ」

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日米重要イベントでもドル円の値幅は1円70銭

 

今週のドル円は一目均衡表雲の中でのもみ合いに終始。安値は26日の156.65円、高値は28日の158.35円で値幅は1円70銭程度でした。今週は日米金融政策の発表など、重要なイベントが相次いだにもかかわらず、ドル円は大きな方向感が出ず。テクニカル的にも雲の中での推移が続いていることから、トレンド形成への期待は低い状態です。来週のビッグイベント「米中間選挙」に賭けたいとところです。

 

*Trading Viewより

 

なお、米連邦準備理事会(FRB)は今週開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)でFFレートの誘導目標を10対2の賛成多数で3.75-4.00%に据え置くことを決めたと発表。据え置きに反対したのはハマック米クリーブランド連銀総裁とクックFRB理事の2人で、今回の会合でFF金利を0.25%引き上げることを主張しました。声明では「経済活動は力強いペースで拡大してきた」とし、従来の「底堅いペース」から判断を変更。また、「インフレ率は依然として高い水準にある。今後、より多くの情報が集まることで、委員会はインフレ率を目標である2%に速やかに戻すために適切な政策スタンスを決定できるだろう」と指摘しました。

ウォーシュFRB議長はFOMC後の会見で「インフレ率は依然として高すぎる」「金融環境は引き締まりつつあるが、『引き締まっている』とまでは言えない」と述べ、年内の利上げに含みを持たせるにとどまりました。

 

また、日銀は29-30日の金融政策決定会合で政策金利を予想通り1.25%で維持。消費者物価については「基調的な上昇率は2%の『物価安定の目標』と概ね整合的な水準となっており、先行きも同程度で推移すると考えられる」として、物価目標に到達したとの判断が初めて示されています。

 

 

 

AI懸念でハイテク株急落・VIXは急騰

 

シカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は30日に一時23.93と4月上旬以来約半年ぶりの高水準を付けました。人工知能(AI)投資の収益化や持続性を巡る懸念が一段と高まる中、ハイテク株中心に米国株相場が下落すると、「リスク・オフ」の様相が強まりました。なお、投資家心理をあらわす指標の1つであるVIXは「20」を超えると投資家の不安が高まった状態を意味するとされています。

 

 *Trading Viewより

 

 


「Fear & Greed Index」は「26」 やや恐怖が和らぐ

 

また、VIX指数よりも簡単に投資家心理を確認できる便利なツール「Fear & Greed Index(恐怖と強欲の指数)」を見ると、現在は「26」で「FEAR」(恐怖)となっています。投資家の不安が1週間前の「16」=「EXTREME FEAR」(極度の恐怖)からは和らいだことが分かります。

 

*CNNのHPより

 

「Fear & Greed Index」は米国のテレビ局CNNが提供している投資家心理に関する指標です。Fearが恐怖、Greedが強欲で「恐怖と強欲の指数」となります。上の表を見て頂くと分かるとおり、この指数は0~100までの数値で表されており、0~25が「EXTREME FEAR」(極度の恐怖)、25~45が「FEAR」(恐怖)、45~55が「NEUTRAL」(中立)、55~75が「GREED」(強欲)、75~100が「EXTREME GREED」(極度の強欲)となっています。

 

 

 

この状態で「米中間選挙」を迎える

 

来週から11月相場に入りますが、日本は3日が文化の日の祝日で休場。この3日に米国では中間選挙が行われ、4日の東京市場で開票に関するニュースを消化することになりそうです。今回は与党共和党の苦戦が予想されていますが、野党民主党が大躍進した場合、「米データセンター建設にブレーキ⇒AI関連急落⇒リスク回避の円買い」もあり得る状況です。となると、日経平均株価は米ハイテク企業の動向、AI・半導体関連の動向に大きく左右されやすい状況が続いていますので、日経平均の動き次第でドル円は上下に動く可能性もあります。最近聞かなくなった「リスク・オンで円売り」「リスク・オフで円買い」です。もちろん、今週のドル円のように株価に影響されず、独自の道を行く可能性もあります。

 

ある市場関係者からは「米中間選挙では下院で民主党が過半数を奪還する可能性が高まっている。上院はどちらが過半数を獲得するか微妙な状況。トランプ米大統領はこれまで議会を軽視し、大統領令を使って関税問題などを進めてきたため、結果がどうあれ方向性は変わらない。そのため、金融市場も大きく反応はしないのではないか。特に大きな変化はなく、ドル円は今後も同じような展開が予想される」との声が聞かれています。

 

*Trading Viewより

 

ドル円の一目均衡表チャートを見ると、雲の中で方向感に乏しい動きとなっていることが分かります。週末の終値157.56円で雲の上限158.44円は下回っていますが、基準線157.51円や転換線157.34円、雲の下限156.63円は上回っています。また、重要なポイントである200日移動平均線158.55円は下回っています。テクニカル的なポイントに挟まれて、動きづらい状況と言えます。

 

*IG証券より

 

なお、現在は「ドル円のショート」を維持した状態。8月10日に「158.414円」、11日に「159.070円」、18日に「159.692円」、9月4日に「156.202円」でショートしており、平均コストは「158.344円」。含み益は前週の6万円程度から3万円弱まで減少しています。

 

「VIX指数」や「Fear & Greed Index」を見ると、「リスク・オフ」相場が予想されますが、最近はリスク回避の円買いはあまり期待できない状況です。とはいえ、円売りを進める根拠も薄くなっており、悩ましい状況です。もうしばらくは「ドル円のショート」を維持したいと思いますが、ポジションを清算することも考えていきたいところです。

 

 

 

【免責事項・注意事項】

 

本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

この連載の一覧
第148回「AI懸念でハイテク株急落・VIX急騰 この状態で米中間選挙へ」
第147回「久々に登場 『リスク回避の円買い』」
第146回「恐怖指数(VIX)・ブラックスワン指数(SKEW)が急上昇 警戒が必要か!?」
第145回 「臨機応変に対応できるように半身の姿勢」
第144回 「ドル円ショートは粘り腰」
第143回 円キャリートレードの終焉?円高トレンドへの転換か!?
第142回 ウォーシュFRB議長「hike! hike! hike!」 *hike=ハイキングの方
第141回「FRBにも米財務省にも逆らいません」
第140回「ドル円、下押しは悉く拾われる」
第139回「投機筋の円売りポジション、2年ぶり高水準から急減」
第138回「FRBに喧嘩は売るな 15年ぶり協調介入か」
第137回「止まらない円安・ドル高 ドル円は39年8カ月ぶり高値」
ドル円、1週間の値幅は1円未満も・・・
第135回「不意打ち介入なら24時間スマホが手放せず」
第134回「ドル円、高値更新も値幅は極狭」
第133回「押し目待ちに押し目なし」
第132回「いよいよ来週は新議長のもとでのFOMCが開催」
第131回「米雇用統計上振れで株急落・ドル高 FRB利上げ観測」
第130回「介入効果!?ドル円はこう着状態に 値幅1円未満」
第129回「ドル円、介入あれば絶好の買い場!?」
第128回「今週も米イランヘッドライン相場」
第127回「ホルムズ海峡『開放』表明で原油急落・株高・円高」
第126回「投機筋の円売りポジション、2024年7月以来の水準に拡大」
第125回「“Headline Fatigue”から“Cautiously Optimistic”へ」
第124回「ドル円は160円突破 為替介入はあるか?」
第123回「中銀ウィーク通過 各国利上げ観測が高まる」
第122回「ドル円、160円目前 中東情勢の混乱は継続」
第121回「世界的株安・米原油2年半ぶり高値・有事のドル買い 中東緊迫」
第120回「円安は進みやすく、円高は進みにくい?」
第119回「日本の『トリプル高(株高・債券高・通貨高)』は続くのか」
第118回「日経平均先物、夜間取引で2000円高の急騰 自民圧勝期待で」
第117回「為替介入は『なし』、ドル円急落はレートチェック」
第116回「日米当局、レートチェック お上に逆らうな(為替介入)」
第115回「ドル円、衆院解散で160円突破か!?」
第114回「ドル円、1年ぶり高値 衆院解散を検討との報道」
第113回「ドル円、2026年上昇予想が増加」
第112回「ドル円、年初来高値158.87円が視野」
第111回「来週はいよいよ日銀金融政策決定会合」
第110回「米感謝祭ウィークで商いは低調 来週に期待」
第109回「ドル円、10カ月ぶり高値 利上げや介入への警戒高まる」
第108回「米利下げ確率、1カ月前の94.4%から45.8%まで低下」
第107回「高市トレード(円売り・株買い)継続」
第106回「終わってみればサナエノミクス」
第105回「VIX(恐怖指数)、半年ぶりの高水準を更新」
第104回「忘れた頃にやってくるトランプ砲、でもTACOか?」
第103回「米政府機関の一部閉鎖で投機筋ポジション発表されず」
第102回「ドル円、ついにレンジをブレイクか!?」
第101回「サナエノミクス!ジャパン・イズ・バック!に期待」
第100回「上サイド突破を期待しながらポジションを追加」
第99回「ドル円、結局1カ月前と同様の結果に」
第98回「ドル円、パウエル発言伝わると急落」
第97回「投機筋の円買いポジション、縮小が続く」
第96回「上サイド突破を期待しながらポジションを維持」
第95回「イベント満載の1週間 ドル円は上値重い展開」
第94回「夏休み前、傾いたポジションは整理される傾向に」
第93回「参院選後も円安の流れは変わらずか!?」
第91回「ポジションを切るかどうかの瀬戸際」
第90回「ドル円、来週以降は買い増しを検討」
第89回「投機筋の円ロングポジション、縮小が続く」
第88回「投機筋の円ロングポジション、縮小」
第87回「ドル円、140円割れを目指す展開か!?」
第86回「米国『トリプルA』格付け失う 来週は為替協議の思惑も」
第85回「投機筋の円買いポジション、やや拡大 過去最大を更新」
第84回「投資家心理は改善 恐怖指数=VIXは順調に低下」
第83回「注目は24日予定の日米財務相会談 為替について協議」
第82回「ドル円『1日の値幅は3円超』 売っても買ってもやられる相場」
第81回「虎の子だったはずのポジションが見事に粉砕」
第80回「円買いポジションの解消に伴う急速な円安・ドル高圧力」
第79回「投機筋の円買いポジション、いよいよ巻き戻しスタートか!?」
第78回「来るか!?行き過ぎた『ポジションの偏り』の反動」
第77回「投機筋の円買い過去最大 行き過ぎた『ポジションの偏り』」
第76回「投機筋の円買いが過去最大に 偏り警戒160円超えを指摘する声も」
第75回「投機筋の円買いポジション、再び6万枚超まで拡大」
第74回「投機筋の円買いポジション、5万4615枚に拡大」
第73回「ドル円、テクニカル的にも売りが出やすいか」
第72回「投機筋、ポジションはほぼフラットに」
第71回「28-29日のFOMC、利下げ見送りが濃厚」
第70回「日銀の追加利上げは織り込み済み」
第69回「ドル円は半年ぶり高値 ロングは維持したい」
第68回「やっぱり7月3日の高値161.95円突破を狙いたい」
第67回「ドル円、またまた160円台を目指していくのか」
第66回「日銀の年内利上げ観測後退 1月すらも怪しい」
第65回「感謝祭ウィーク週末のNY午後(日本の夜中2時)」
第64回「投機筋のユーロ売りポジション、再び5万枚に迫る」
第63回「クリスマスラリーに向けて仕込み時か!?その2」
第62回「クリスマスラリーに向けて仕込み時か!?」
第61回「投機筋、円買いポジションを大きく縮小」
第59回「投資の格言『損切りは早く、利は伸ばせ』」
第58回「円安予想で投機的ポジションを再び積み増し!?」
第57回「高市氏勝利を期待したポジションが含み損」
第56回「残暑厳しくも年末ラリーを期待する季節」
第55回「ドル円は年初来安値 歴史的な円安進行は終わり!?」
第54回「ブラックマンデーの再来!?!?(1カ月ぶり2度目)」
第53回「いろいろ底打ち? 日経平均は1カ月ぶり高値」
第52回「ドル円、二番底確認か?底割れか?」
第51回「投機筋のポジション、まさかの円ロングに」
第50回「株も為替もセリング・クライマックス」
第49回「植田総裁が突如タカ派路線、円高と株急落招く」
第48回「投機筋の円売りポジションが10.7万枚まで大幅に減少」
第47回「ヘッジファンドによる円売りポジションが急減」
第46回「ドル円、ピークアウトか 押し下げ介入?のサプライズ」
第45回「ドル円、またまた37年半ぶりの高値を更新」
第44回「ドル円、37年半ぶりの高値 当面は円安・ドル高基調か」
第43回「ドル円、34年ぶりの高値160円に接近 介入は困難か」
第42回「注目のFOMCを通過、今年の米利下げ予想1回に」
第41回「米雇用統計でFRBの年内利下げ観測が後退」
第40回「ドル円、介入規模は過去最大 ただ効果は1カ月」
第39回「ドル円、再び157円台に 介入は困難!?」
第38回「投機筋の円売りポジションが急減 介入受け」
第37回「政府・日銀、投機筋との攻防は長期化の可能性」
第35回「個人投資家の円買いvs投機筋の円売り」
第34回「介入期待もあってユーロ円のショートは維持」
第33回「久々のリスク・オフのムード 株安・原油急騰・円高」
第32回「ドル円、嵐の前の静けさか? 今週の値幅は1円未満」
第31回「中銀ウィークを無事通過!? ドル高・円安を期待」
第30回「ドル円ロングは維持、ストップは付かずに切り返す」
第29回「ドル円、上値重く 日銀の政策修正観測高まる」
第28回「【祝】日経平均株価、史上最高値 ドル円もそろそろ」
第27回「日経平均株価、史上最高値まであと少し」
第26回「ドル円、上値試すか 昨年11月の151円台も視野」
第25回「注目のFOMCタカ派寄りもドルは下落」
第24回「ドルと円、それぞれの買い要因が綱引き」
第23回「ドル円ショートは損切り 円安とドル高のダブルパンチで」
第22回「ドル円、1カ月ぶり146円台 追加でショート」
第21回「ドル円、年始の悪夢 1月3日のフラッシュクラッシュ」
第20回「ドル円、売りシグナル点灯 さらなる下落に期待」
第19回「ドル円、140円割れが視野に」
第18回「米債ロングは利食い FRB議長発言を前にポジションはなし」
第17回「米長期金利、2カ月ぶり低水準 上昇リスクにはなお注意」
第16回「米国債のロングポジション、含み益が拡大」
第15回「米国債のロングポジション、含み損から含み益に」
第14回「米10年債利回り、16年ぶりに『5%』を突破」
第13回「米国債、下落止まらず 利回りは2007年7月以来の高水準」
第12回「初めての米国債(CFD)買い、そろそろ底打ちかと思ったら・・・」
第11回「下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)」
第10回「日経ロングはキープもリスク高い週末 米政府機関の閉鎖はほぼ確実に」
第9回「日経225ロング、含みゾーン(損)に突入!」
第8回「日経平均、レジスタンス突破でいよいよ3万4000円台乗せか!?」
第7回「日経平均、9連騰ならず テクニカル的には・・・」
第6回「日経平均をロング トレンドは友達(Trend is your friend)」
第5回「重要イベント通過もポジション取れず・・・相場は乱高下」
第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」
第3回「ドル円、ストップロス水準に接近 祝日のため円安けん制発言も期待できず」
第2回「前週のドル円ショートはあえなくストップ 懲りずに再in」
第1回「ドル円、乱高下のあと何故か全戻し 戻りは叩く」

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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