今年は午(うま)年ということで、相場格言的には午尻下がりと言われます。年後半にかけて相場が下がりやすいと言われ、あくまで科学的根拠に乏しいアノマリーではありますが、投資家にとってはあまり気持ちが良いものではありませんね。
干支は12年で一周しますが、さらに細分化すると60年で一周することになります。干支は十干(じっかん:甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸)10種類と十二支(じゅうにし:子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥)12種類を組み合わせて年を数える仕組みで、10と12の組み合わせが元の並びに戻る最小周期が最小公倍数の60です。

このため、60年周期ということになります。詳細は省きますが、10×12で120年というわけではありません。なお、今年は丙午(ひのえうま)という年。どちらも火の性質を持ち、力強さを感じますよね。これだけ聞くとなんだか良さそうな年を期待したくなりますが、穏やかではない話もあります。今回は丙午の迷信について見ていきたいと思います。
丙午の迷信
丙午は60あるうちの43番目で、丙・午ともに火を表すものです。この組み合わせから気性が激しいなどの連想につながりました。先入観的な要素が強いですが、これを染みつかせる大きな要因となったのが「八百屋お七」という人物とされます。
「八百屋お七」は恋人に会うため放火事件を起こし、自身が火刑に処されたという話として文学や歌舞伎などにもなりました。物騒ではありますが切ない物語ですね。当人が丙午生まれだったとされ、「丙午の女は男を不幸にする」という俗信が広まったと言われます。
処刑されたのは1683年なので、最も近い丙午は1666年です。そこか60年ごとなので1666年、1726年、1786年、1846年、1906年、1966年、2026年となりますが、1966年に大きく出生率が低下したという歴史があります。

出所:厚生労働省
上のグラフを見ると1966年(昭和41年)の出生数ががっつり減っていることが分かります。「ひのえうま」としっかり書かれていますね。この年は出産を前年か翌年にずらす、妊娠自体を避けるといった動きが顕著だったようです。
1966年より前にも丙午の年は何度もあったのに、なぜこの年が特に顕著なのか?となりますよね。いくつか理由が考えられ、その1つは「丙午の女性は縁談で敬遠される」可能性があったこととされます。子どもが将来、丙午の生まれであることを理由に結婚で不利になるといった親の心配です。
2つ目はテレビ、新聞、雑誌といったメディアが普及したことが挙げられます。丙午に関する報道が増えたことで、迷信とはわかっていても意識してしまう環境になりました。そういう意識が広がると、みんなが避けるから私もそうするといった集団行動につながります。
3つ目は、高度経済成長の最中にあり生活水準が劇的に向上した時期であることです。過去のように、将来の働き手となる子どもを作らなければ村が崩壊するような状況ではありません。医療技術や衛生面も発達したため乳幼児の死亡率も下がりました。こういったさまざまな事情から「今子供を作らなくてもいいよね」といった意識が広く浸透した結果、1966年が特殊なケースになったと言われます。
令和はすでに1966年を下回る
前述のように丙午だった1966年は特殊な事例でしたが、1970年台後半から出生数は再び減少。2024年の出生数は68万人台となり、統計開始後で最低の記録になりました。1966年のおおよそ半分しかありません。

出所:厚生労働省「人口動態統計」
もはや十干十二支は関係なく、子どもの数は減り続ける一方となっています。国としても出生数の増加に取り組んではいるものの、実を結んでいないのが現状です。時代の流れととともに価値観も変わってきました。結婚して子供を作ることが人生と考える人は減り、自分の人生を好きに生きると考える人が増えた印象です。その背景には格差、将来不安、さまざまなエンターテインメントやSNSの発達といったさまざまな要因があるでしょう。
そもそも出生数が激減している時代であり、なおかつ晩婚化しています。結婚後、年齢的に子供が欲しければ早い方が良いと考えるでしょうから、丙午を理由に出産、子作りを見送ろうという人が60年前並みにいるのかは疑問です。結論として丙午を理由に出生数が激減することは考えづらく、今年もこれまで通りの減少傾向を辿るのではないでしょうか。
もしも人口増に期待できたら?
人口減が続く状況に歯止めをかけて増加に転じさせるのは容易ではありませんが、もし好転することがあれば日本はかなりの好景気であることが考えられます。今後の政治経済による部分が大きいですが、仮にうまくいった際のことを想定すると、株式投資でいえば内需や高額商品に恩恵がありそうですね。
今の時代は、若者の●●離れという言葉が乱立しています。筆者の個人的な意見ですが、別にやりたくなくて離れていっているわけではなく、先立つものがないだけだと思います。現実志向が強まっているので、借金をしてまで見栄を張る必要はないというのが根底にあるでしょう。
景気の拡大が津々浦々に広まり、全国民の所得が大きく増えたとしたら、抑えられていた購買意欲が爆発する可能性があります。もしそうなれば、これまで意識していなかった商品も買ってみようかなという気になるかもしれません。たらればの話ばかりですが、仮に日本が好景気になるとしたら、自動車、旅行、住宅、ブランド物などに関連する株に注目したいところです。

※社名は一部省略



