気になるテーマ解説

丙午の迷信が気になる2026年

今年は午(うま)年ということで、相場格言的には午尻下がりと言われます。年後半にかけて相場が下がりやすいと言われ、あくまで科学的根拠に乏しいアノマリーではありますが、投資家にとってはあまり気持ちが良いものではありませんね。


干支は12年で一周しますが、さらに細分化すると60年で一周することになります。干支は十干(じっかん:甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸)10種類と十二支(じゅうにし:子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥)12種類を組み合わせて年を数える仕組みで、10と12の組み合わせが元の並びに戻る最小周期が最小公倍数の60です。

 


このため、60年周期ということになります。詳細は省きますが、10×12で120年というわけではありません。なお、今年は丙午(ひのえうま)という年。どちらも火の性質を持ち、力強さを感じますよね。これだけ聞くとなんだか良さそうな年を期待したくなりますが、穏やかではない話もあります。今回は丙午の迷信について見ていきたいと思います。


丙午の迷信

丙午は60あるうちの43番目で、丙・午ともに火を表すものです。この組み合わせから気性が激しいなどの連想につながりました。先入観的な要素が強いですが、これを染みつかせる大きな要因となったのが「八百屋お七」という人物とされます。


「八百屋お七」は恋人に会うため放火事件を起こし、自身が火刑に処されたという話として文学や歌舞伎などにもなりました。物騒ではありますが切ない物語ですね。当人が丙午生まれだったとされ、「丙午の女は男を不幸にする」という俗信が広まったと言われます。


処刑されたのは1683年なので、最も近い丙午は1666年です。そこか60年ごとなので1666年、1726年、1786年、1846年、1906年、1966年、2026年となりますが、1966年に大きく出生率が低下したという歴史があります。


出所:厚生労働省


上のグラフを見ると1966年(昭和41年)の出生数ががっつり減っていることが分かります。「ひのえうま」としっかり書かれていますね。この年は出産を前年か翌年にずらす、妊娠自体を避けるといった動きが顕著だったようです。


1966年より前にも丙午の年は何度もあったのに、なぜこの年が特に顕著なのか?となりますよね。いくつか理由が考えられ、その1つは「丙午の女性は縁談で敬遠される」可能性があったこととされます。子どもが将来、丙午の生まれであることを理由に結婚で不利になるといった親の心配です。


2つ目はテレビ、新聞、雑誌といったメディアが普及したことが挙げられます。丙午に関する報道が増えたことで、迷信とはわかっていても意識してしまう環境になりました。そういう意識が広がると、みんなが避けるから私もそうするといった集団行動につながります。


3つ目は、高度経済成長の最中にあり生活水準が劇的に向上した時期であることです。過去のように、将来の働き手となる子どもを作らなければ村が崩壊するような状況ではありません。医療技術や衛生面も発達したため乳幼児の死亡率も下がりました。こういったさまざまな事情から「今子供を作らなくてもいいよね」といった意識が広く浸透した結果、1966年が特殊なケースになったと言われます。


令和はすでに1966年を下回る

前述のように丙午だった1966年は特殊な事例でしたが、1970年台後半から出生数は再び減少。2024年の出生数は68万人台となり、統計開始後で最低の記録になりました。1966年のおおよそ半分しかありません。



出所:厚生労働省「人口動態統計」


もはや十干十二支は関係なく、子どもの数は減り続ける一方となっています。国としても出生数の増加に取り組んではいるものの、実を結んでいないのが現状です。時代の流れととともに価値観も変わってきました。結婚して子供を作ることが人生と考える人は減り、自分の人生を好きに生きると考える人が増えた印象です。その背景には格差、将来不安、さまざまなエンターテインメントやSNSの発達といったさまざまな要因があるでしょう。


そもそも出生数が激減している時代であり、なおかつ晩婚化しています。結婚後、年齢的に子供が欲しければ早い方が良いと考えるでしょうから、丙午を理由に出産、子作りを見送ろうという人が60年前並みにいるのかは疑問です。結論として丙午を理由に出生数が激減することは考えづらく、今年もこれまで通りの減少傾向を辿るのではないでしょうか。


もしも人口増に期待できたら?

人口減が続く状況に歯止めをかけて増加に転じさせるのは容易ではありませんが、もし好転することがあれば日本はかなりの好景気であることが考えられます。今後の政治経済による部分が大きいですが、仮にうまくいった際のことを想定すると、株式投資でいえば内需や高額商品に恩恵がありそうですね。


今の時代は、若者の●●離れという言葉が乱立しています。筆者の個人的な意見ですが、別にやりたくなくて離れていっているわけではなく、先立つものがないだけだと思います。現実志向が強まっているので、借金をしてまで見栄を張る必要はないというのが根底にあるでしょう。


景気の拡大が津々浦々に広まり、全国民の所得が大きく増えたとしたら、抑えられていた購買意欲が爆発する可能性があります。もしそうなれば、これまで意識していなかった商品も買ってみようかなという気になるかもしれません。たらればの話ばかりですが、仮に日本が好景気になるとしたら、自動車、旅行、住宅、ブランド物などに関連する株に注目したいところです。

 

※社名は一部省略



この連載の一覧
丙午の迷信が気になる2026年
金利上昇で利回り商品が芽吹き始める
今年も厳しそうな小売業
未曾有のメモリー価格高騰 追い風になりそうな企業は?
アクティビスト系ファンドの実力は?
興味深い残価設定型住宅ローン
新たな住宅購入補助金と住宅ローン減税
辰巳は株主優待制度の導入ラッシュ
長期金利上昇でフラット35はどうなる?
住宅ローン減税に見直し観測 需要喚起となるか?
日経平均がバブルになったらいくら?
「フィジカルAI」が次のテーマに
日経平均は一段と半導体株指数化が進む
日本のニッチトップ10選
日経平均と過去の自民党総裁選
つみたてNISAの成績、日経平均とS&P500が逆転?
令和7年の地価上昇トップは北海道
タイムズカーシェアの料金体系変更を考える
流行のハイベータ投資
ユニークなETF(上場投資信託) シンプレクスAM編
ユニークなETF(上場投資信託) グローバルX編
ソフトバンクグループとNAV
営業利益は増加しているが経常利益は減少
レバナスがひそかに高値更新
関税リスク後退で株価回復が期待される業種は?
8つに分けられるTOPIX(東証株価指数)
7月以降は訪日客数が持ち直すか?
いまさら聞けない関税を簡単解説
日銀のスケジュールをチェックしてみよう
注目度急上昇のステーブルコインとは?
モノ言う株主の存在感
量子コンピューターの人気が再燃
名前だけで買われてしまった銘柄
株主還元強化がマストのバリュー株
グロース市場に100億円の壁
NISAでまさかの毎月分配型が解禁?
急落はチャンス? 業種別で大きな差も
インバウンド需要はピークアウト?
節約志向の中で注目したい食品スーパー
日本の水道管は地球30周分
NISAでも債券投資の検討余地?
ありそうでなかったTOB(株式公開買い付け)狙いの投信が登場
HEMSとは
新しい配当基準「DOE」の採用が増加傾向
苦渋の値上げは続くのか
その優待、長く続く?
どこまで利上げする?
最近目にするAIエージェントとは?
2025年の注目テーマ3選
ハンバーガーが高すぎる?
来年はへび 変化の年は課題も山積み
神戸で市立中学校の部活動が終了 民間企業に求められることは?
持ち合い解消の流れが一段と加速
令和7年度の住まい補助は「子育てグリーン住宅支援事業」に
自社株買いの良い影響を考えてみる
AIが人の1万倍賢くなる?
手取りが増えたら何をしたい?
気を付けたい権利取りのポイント
【気になるテーマ解説】DX銘柄も生成AI活用が必須に
来年のNISA枠はどうする?
投資促進の一方で詐欺被害も多発
市場予想との付き合い方
政策保有株の解消良し悪し
「地面師たち」が大ヒット 厳しい日本の土地事情
7分の1は空き家の日本
QUOカードはなぜ人気なのか
住宅ローン人気銀行の動向まとめ
米大統領選、どこに恩恵?
中小型株への資金回帰が鮮明に
国際会計基準のルール変更へ 営業利益が分かりやすく?
新紙幣の発行開始でキャッシュレスが進む?
次世代自動車「SDV」とは?
マンション価格下落も依然高い そういえば晴海フラッグは?
プロが注目する配当株は?
出生率が過去最低を更新 止まらない少子高齢化
日本の長期金利が1%台に 今後の影響は?
日経平均と半導体株の関係
株式分割は本当に好材料なのか
株価は割高なのか? 指標を参考にしてみる
新興市場をざっくり振り返ってみる
金が人気の背景とは?
東京都の予算
マイナス金利解除が決定 マーケットへの影響は?
長期投資は我慢比べ
アクティブETFのその後
シリコンアイランド九州は復活か
政策保有株式の売却が進む(2)
決算プレーと自動売買
配当株投資の怖いところ
インターネット広告に試練 Cookie規制とは?
ロボアドバイザーの先駆け ウェルスナビの実力は?
優秀なインデックスファンドとは?
辰年は上がりやすい?
新NISA 注意したい配当金と分配金
新NISA 流行の積み立てと為替リスク
コスト最安の日本株アクティブファンドが登場
NTTが推進するIOWN構想とは?
政策保有株式の売却が進む
歯の健康は全身の健康 病気は未然に防ぐ時代へ
MSワラントの恐怖
配当金が保険料の賦課対象に?
今年は暖冬の予報 マーケットへの影響は?
投信の超低コスト競争に拍車
建設業界と2024年問題
積み立て投資との相性良し悪し
住宅ローンの借り入れは計画的に
東証スタンダード市場の選択申請が増加中
長期金利と株価の関係はよく言われるが・・・
国内初のアクティブETFが誕生
魚が高すぎて買えません
配当方針いろいろあります
太陽光発電は自家消費へ
メタの新SNS「Threads」使ってみた
電池の覇権、リチウムの次は亜鉛?
SENSEX指数が最高値更新 インドってどんな国?
訪日旅行者は今後も伸びる?
半導体製造装置 1台おいくら?
変動金利型住宅ローンが実質マイナス金利へ
話題沸騰のダイヤモンド半導体とは?
著名投資家の投資候補を考察
デジタル給与が解禁! メリット・デメリットは?
私の銀行は大丈夫?
全人代が開幕 いまさら聞けない日本の中国依存度
金利上昇の懸念はあるが省エネ住宅は拡大へ
【気になるテーマ解説】 健康だけじゃない? アミノ酸の可能性
なんでも材料視する株式市場
多発する客テロ AIカメラに注目集まる
会話は人そのもの 話題の「ChatGPT」とは?
「超」高齢化社会の日本
金利に翻弄される銀行 金利の影響と債券の仕組み
出生数80万人割れへ 子育て関連株の行方は・・・
何かと注目される親子上場
【気になるテーマ解説】市場規模は無限大? 壮大な宇宙産業
【気になるテーマ解説】レベル4解禁! ドローンの普及で何が変わるのか
【気になるテーマ解説】成功率3万分の1? 新薬開発の過酷な道のり
【気になるテーマ解説】パワー半導体ってなんだ?
【気になるテーマ解説】「Web3.0」ってなんだ?

日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

畑尾 悟の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております