1年を通しての結果はどうだったか?
今年も残すところ1週間になりました。
今年はFXで儲かることはできたでしょうか?もしくは負けてしまったでしょうか?
金融機関の為替ディーラーは1年を通してどれだけ稼げたかが数字となって出てきます。
本邦勢は3月末が決算としているところが多いでしょうが、外資系は12月末が通常の決算です。
否が応でも、1年を通してどれだけ儲かったかが結果として出てきます。
損したディーラーは、おそらく翌年は契約してくれず、解雇されてしまいます。
為替ディーラー経験が一桁や十数年のディーラーは、ほぼ毎年儲かっていなかったと判断しても
間違いないと思われるほど、長い間稼ぎ続けるのは難しいものです。
このように為替ディーラーは結果がすぐに数字でも処遇でもわかりますが
個人で投資しているFXの結果は、ログを取っていない限り、証拠金の出し入れが激しければ
ざっくりとしかわからないかもしれません。
では、今年1年で一番利が乗った通貨は何だったのかを振り返ってみたいと思います。
今年1番儲かった通貨は?
今年1月3日に円から外貨に換えて、今月20日までで一番リターンが多かった通貨は下記のようになります。
ただし、通常取引ができない通貨は省いてあります。
アルゼンチンペソやハンガリアンフォリント、シンガポールドルなども除外しています。
1…メキシコペソ 24.03%
2…スイスフラン 18.89%
3…英ポンド 15.72%
4…スウェーデンクローナ 13.86%
5…ユーロ 13.67%
6…デンマーククローネ 13.38%
7…カナダドル 12.05%
8…オーストラリアドル 9.63%
9…米ドル 9.58%
10…NZドル 9.51%
がトップ10となっています。
新聞をはじめ報道は米ドル対円を報じることが多いですが、
ほかの通貨での円安がさらに進んでいました。
円安が色々な面で根強かったと言えます。
一方で、高金利として名高い
南アランドは 1.72%のリターンのみ、トルコリラは-29.59%となり、マイナスリターン。
要するにリラを買ったら3割近く損をしたわけです。
金利を加味して儲かった通貨は?
上述のリターンは為替のみのリターンですが、通常通貨を持つと金利(スワップポイント)が付きます。
この金利を含めた通貨順位は
1…メキシコペソ 39.34%
2…英ポンド 21.51%
3…スイスフラン 19.51%
4…スウェーデンクローナ 17.92%
5…ユーロ 17.47%
6…カナダドル 17.25%
7…デンマーククローネ 16.95%
8…NZドル 15.37%
9…米ドル 15.04%
10…オーストラリアドル 14.10%
が上位を占めます。
南アランドも通貨ではわずかなリターンでしたが、金利差が大きいことで10.42%のプラス。
マイナスリターンだったトルコリラも1.91%だけプラスリターンとなっています。
このように通貨のリターンと金利分を含めたリターンを比較すると
いかに日本の金利が異常に低い!ということも理解できるかと思います。
来年はどうなるか?
このような円独歩安となったと言っても過言でない1年でしたが、来年はどうなるのでしょうか?
主要国の多くはインフレが落ち着き、利下げ期待が台頭しています。
一方で、日本はインフレはとっくに2%以上を超えて進んでいます。
円安の巻き返しがあるのでしょうか?
ただし、日本の実質賃金は19カ月連続でマイナスとなっています。
給料は上がらない中で利上げをした場合は、国民はローンで苦しみ
企業も同様に資金繰りに苦しむ可能性もあります。
神田財務官は「一般論として日本に魅力がなければ(円は)下がるに決まっている」
と発言していますが、政権を担う自民党はキックバックの裏金問題が表面化するなど
政治不信も蔓延しています。
円がこの後どう動くか、円を売る・買うにしてもその相手となる通貨はどれにするのか
一年の計は元旦にあり、と言いますが
今年のこの結果を反省材料として生かして、
来年は自分も取引をしなくてはFXをやってはいけないでしょう。