いつの間にかなくなった日本でのストライキ
西武池袋本店が8月31日にストライキを実行したことは、新聞やテレビのニュースで報じられたので
多くの人が知っていることでしょう。このストライキは、百貨店業界では61年ぶりとなるそうです。
私が小中学生だったころには1年に1度は交通機関がストライキをすることが多くありました。
しかし、ようやく電車通学になった高校生のころからストライキが行われなくなり
せっかく、休めると思ったものが、休めず悔しい思いをした記憶があります。
日本ではめっきりストライキがなくなりましたが、一部では
ストライキ=赤=左翼、などという訳の分からない決めつけの風潮までありますが
資本主義の本流となる米国では、様々な会社・業界などが幅広くストライキを実行します。
ストライキの経済的影響
本邦の労働組合が弱くなり御用機関になっているのに反し、米国は自分(達)の権利を重要とする
ことを大切にしていることで、ストライキは普通に行われます。
米国で注目されているストライキは、動画配信大手や制作会社などに利益の公正な分配と労働条件
の改善などを求める脚本家や俳優のストライキが注目されています。
エンターテインメントの経済的な役割が大きいことで、このストライキも注目されていました。
更に注目が増しているのが、米国大手自動車メーカー3社の従業員が加盟する
全米自動車労働組合(UAW)が一斉にストライキを実行したことです。
現時点ではUAWの従業員の一部にしか影響はなく、経済全体への影響は限られています。
しかし、事態が拡大し、長期化し自動車メーカー3社で働く15万人弱の従業員を動員する
全面ストライキになれば事態は変わる可能性があるとされています。
すでに、今年は8月だけで単月としては2000年8月以来最大となる
約410万時間の労働時間が失われました。ストライキの長期化、拡大化となれば
ある試算では四半期GDPが1.7%下がる可能性が指摘されています。
この件に関し、イエレン米財務長官は「経済にとって何を意味するか予想するのは時期尚早」
(I think it’s premature to be making forecasts about what it means for the economy)
と話しています。
今後の展開がどのように進むかは現時点では読めません。しかし、どの程度進んでいるかは
常に目を配っておく必要があります。
どのようにして最新の情報を知るべきかということですが、以前記載した
【やってはいけないこれだけの理由】第11回「FXだけで食べていく計画、その3…無料の情報を生かす」
にも記載していますが、NBCやBloombergなどのテレビをながらで良いのでつけっぱなしにすることです。
すでにストライキなどの報道は繰り返されていますが、ストライキが拡大した場合などは
最新ニュースとして常にアップデートされます。そのアップデートがどのようなものかにより
FXも中長期的に動意づける要因になります。
ストライキの影響は現時点では限定的でしょうが、常に状況を見定める必要がありそうです。