以前に掲載した第48回「歴史は繰り返す・・・過去の動きを忘れてやってはいけないで
FXも歴史を繰り返すことを記載しました。
昨年の動きなんかは関係なく、今年は今年、今は今だという方もいるでしょうが、実は違います。
昨年12月の値動きを知らないでやってはいけない
12月7日に植田日銀総裁が参院財政金融委員会で
「年末から来年にかけて、一段とチャレンジングになると思っている」と発言して
大幅に円高に傾いたのを覚えているかと思われます。
では、なぜあれだけ円高が進んだのでしょうか?
昨年を振り返ってみると、12月17日の日経新聞に「政府、日銀との共同声明見直し論」との報道が流れ
2%の物価上昇目標の達成時期や範囲をより柔軟にし、表現の一部を修正との内容を報じました。
市場は瞬間的な円買いとなりましたが、影響は限られたものでした。
しかし、20日の日銀政策決定会合で長短金利操作の運用に関し、
長期金利の許容変動幅を従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大すると発表すると、一転円が急伸しました。
ドル円は当日の高値から7円弱の円高・ドル安が進行したのです。
そして今年の12月7日には、この値動きを昨年経験している米系ファンド勢は、
同じことを繰り返して、同じようにやられたくはないと即時に反応し、急激に円買いが進んだわけです。
12月7日時点では、まだドルロング・円ショート志向が多かった市場参加者も
昨年の動きを覚えていたら、円ロングにしなくても、とりあえずポジションを閉めることが出来たでしょう。
いよいよ今週最後の大イベント
さて、今週18-19日にいよいよ今年最後の日銀政策決定会合が開かれます。
植田日銀総裁及び日銀がどのような判断を下すかはわかりません。
しかし、昨年の動きを覚えていれば、どの程度相場が動くかなど判断する材料として使えます。
「市場は同じようなことを繰り返す」ことを忘れてやってはいけないでしょう。