ストレートとクロス
日本でFX取引を行っていると、取引の主となるものが主に対円になるでしょう。
日本人だから、円が中心になるのは不思議ではありません。
一方、国際的にみてどうなのでしょうか?
主に対ドルが取引の主になります。(例外は下記参照)
ドル対円、ユーロ対ドル、豪ドル対ドル・・・などです。
これらの対ドルでの取引を「ストレート」と呼ぶこともあります。
一方で、ドルストレートでない取引をクロス取引と呼ぶこともあります。
クロスというのは、通貨同士を掛け算したり、割り算したりし算出するからです。
日本でFX業務をやっていると便利なことに、ほとんどの対円での取引が比較的ナローなプライスで提供されます。
しかし、実際の金融界で豪ドル円やポンド円、トルコリラ円などは流動性があるのでしょうか?
流動性の悪いクロス円取引
ユーロ円のようなメジャー通貨には、それなりの流動性があります。
しかしながら、ほかの多くのクロス円通貨は流動性が限られています。
そもそも、トルコリラを対円で取引するひとたちは日本国内以外は非常に少ないでしょう。
それらの通貨をどのように金融界では取引をしているかというと
ドル円とドルリラで取引をしています。
例えばリラ円を売る場合は、ドル円を売り・ドルリラを買うことでリラ円にしています。
ポンド円を売りたい場合は、ポンドドルを売り・ドル円を売ることでポンド円にします。
ユーロ及び近隣国はドルストレートではない
また、ユーロ及びその近隣国は、ドルストレートではなくユーロクロスの取引が主になります。
これは以前にも記載しましたが、例えば英国ポンドの取引は対ドルよりも圧倒的に対ユーロが多いです。
スイスフラン、スウェーデンクローネやノルウェークローナも同様に対ユーロの取引が対ドルよりも多いです。
よって、ポンド円を売るときは上述のドルを利用するのではなく
ユーロポンド買い・ユーロ円を売ることでポンド円にすることもあります。
クロスの持ち方を覚えればポジションの持ち替えも可能
例えばドル円をショートにしていて、ドル円が上昇していることであきらめようか悩んでいるとします。
ただし、ユーロドルをショートにしていて、このショートのコストがものすごくよかった場合
ユーロ円がもっと下がると予想をしている人がいれば、どうすればよいでしょうか?
実際のFX会社で付け替えることはできないでしょうが、その場合は両ポジションを保持し
ユーロ円のショートという感覚で持ち替えることも出来るわけです。
例を挙げるとAさんはドル円を145円でショート(現在の相場は150円まで上昇)
ユーロドルは1.15ドルでショート(相場は1.08ドルまで下落)の両ポジションを持っているとします。
ユーロ円の現行相場は150×1.08で162.00円になります。
一方Aさんのユーロ円の持ち値は145×1.15で166.75円となります。
もしAさんが、ドル円は本来はショートをやめるべきだが、ユーロ円は下がると思うので
2つの合成ポジションでユーロ円に変更することも出来るわけです。
このようにクロス通貨取引を知れば、ポジションを常にカットする必要もなくなることもできます。