先週は、25-26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、27日に欧州中央銀行(ECB)理事会
27-28日に日銀政策決定会合など、各中銀が金融政策を決定する会合を開きました。
各国により会合の呼び方は違いますが、金融政策委員会(MPC)という呼び方は
英国、ニュージーランド、南アフリカ、トルコなど多くの国で使われています。
それぞれ、国により会合に出席をするメンバーが決まっているのですが
そのメンバーが会合が終わるまで、金融政策などについて話してはいけない期間が設定されています。
その期間のことを「ブラックアウト・ピリオド(期間)」と呼ばれています。
日米のブラックアウト・ピリオドは長さが全く違う
話を遡り、植田日銀総裁も16日には「イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)のゆがみは緩和してきている」
とも発言していました。また22日にはに日銀関係者が「YCCを変更しない」との話も伝わっています。
これらの発言を聞いて、一部のFX関係者の中では「ブラックアウト期間中になんでこんなことを言うんだ!」
との文句の声が聞こえてきました。
おそらく、このFX関係者は日銀のブラックアウト期間が米連邦準備理事会(FRB)と同程度の期間と勘違いしたことで
このようは発言をしたのでしょう。
FRBのブラックアウト期間は「前々週土曜からFOMC終了時まで」と決まっています。
日銀がこれと同じ期間であれば、金融政策などについて話すことはご法度です。
しかしながら、日銀のブラックアウト期間は僅か
「各金融政策決定会合の2営業日前(会合が2営業日以上にわたる場合には会合開始日の2営業日前)」
しかないのです。
よって、3営業日前までは、好き放題金融政策について話しても良いわけです。
各国のブラックアウト期間は?
日米のブラックアウト期間が違うだけでなく、他の中銀も違っています。
例えばオーストラリア準備銀行(RBA)の場合は「前週の水曜14時半から」、ECBは会合前の7日間
イングランド銀行(BOE)は(発表が通常の木曜ならば)「発表の前の木曜日に始まり、発表が行われた木曜日の午前 0 時に終了」
カナダ銀行(BOC)は(発表が通常の水曜ならば)「発表の前の水曜日に始まり」、終了は2つあり
1つ目は 政策決定と声明の発表後、2つ目は 発表後に記者会見がある場合は東部時間 11 時 15 分の記者会見開始後のいずれか
となっています。
このように各国によってブラックアウト期間が違うことで、この期間は中銀関係者の話が市場に伝わる可能性があるかないか
を知らないで取引をすると、思わぬ動きに翻弄されることがあるので、期間を知らないで取引をしてはいけないでしょう。