2022年も終わり、2023年になりましたが昨年はどの通貨への投資を
「やってはいけなかった(逆にやるべきだった)」のかランキングを見てみたいです。
対円での投資…G10通貨では
まずは昨年1月3日の取引開始日に円を外貨(G10通貨)に投資し、
年末にポジションを閉めたという仮定で、どの通貨が一番収益を得たかのランキングです。
1位は米ドル、2位はスイスフランになり、
この2通貨は15%超の利益を為替だけで得ることが出来ています。
続いてカナダドル、デンマーククローネ、ユーロ、豪ドルが
それぞれ9%超の利益を得ることが出来ました。
年後半には日銀による為替介入や、日銀による(実質)利上げの影響で円が買わた面もありましたが
G10通貨に対しては昨年は円が全面安の展開でした。
一時大幅に下落した対ポンドでも3%以上の収益を得ることが出来ています。
金利を入れると更に利益は大きくなった
為替だけでなく、金利分(スワップポイントと考えても良いでしょう)を加えた利益でも
1位は米ドル、2位はスイスフランになり、米ドルは19%弱の利益となります。
単純な計算で1月3日に100万円を円からドルにしたら、
年末は119万弱になっていることになります。
2位のスイスフランも15%弱、カナダドル、豪ドル、NZドルも
利上げ幅が大きかったことで二桁の利益になります。
新興国通貨は簡単ではないが…
一方、新興国通貨はどうだったでしょうか?
為替だけの場合ブラジルレアル、メキシコペソ、ロシアルーブルなどが
20%超のリターンとなっています。
その反面、トルコリラは18%以上もリラ円は売られています。
多くの国がインフレで苦しみ利上げを重ねたこともあり金利を含んだリターンでは
1位のロシアルーブルは80%超の利益となっています。
日本でも取引が盛んになっているメキシコペソも34%超のプラスリターン。
年初に100万円を円からペソに交換したら134万になっていることになります。
また、リラ円は大幅安となったものの、トルコ中銀が利下げを繰り返したのにもかかわらず
トルコのもともとの金利が高いこともあり、リラ円ですら7%を超える収益を上げることが出来ています。
取引通貨として人気のランド円も14%弱のプラスリターンとなっています。
このように昨年はとにかく円を売って、途中の乱高下も無視できていれば、
どの通貨でも年末にはホクホクでした。
要するに、円をもって何もしなかったことが一番「やってはいけない」という結果です。
それでも…金利差だけでの投資は危険
これだけを見ると、外貨預金や外貨への投資が魅力的に感じることでしょう。
昨年はたまたま円安基調で、円が金利面を入れると一人負けでした。
しかし、これはたまたまと言って良いでしょう。
最悪の例としては、一昨年2021年の取引開始日にリラ買い・円売りをして
2021年の取引最終日にそのポジションを閉じた例です。
その場合は、為替だけのリターンは、なんとマイナス37%弱!金利面を入れても21%弱のマイナスでした。
2023年に入り円高に傾いていますが、どの通貨をやり、どの通貨をやってはいけないか
今後の経済、政治情勢を見ていかないと、大儲けも大損もありそうです。