やってはいけないこれだけの理由

第27回「昨年は何の通貨をやってはいけなかったか?」

2022年も終わり、2023年になりましたが昨年はどの通貨への投資を

「やってはいけなかった(逆にやるべきだった)」のかランキングを見てみたいです。

 

対円での投資…G10通貨では


まずは昨年1月3日の取引開始日に円を外貨(G10通貨)に投資し、

年末にポジションを閉めたという仮定で、どの通貨が一番収益を得たかのランキングです。


1位は米ドル、2位はスイスフランになり、

この2通貨は15%超の利益を為替だけで得ることが出来ています。

続いてカナダドル、デンマーククローネ、ユーロ、豪ドルが

それぞれ9%超の利益を得ることが出来ました。


年後半には日銀による為替介入や、日銀による(実質)利上げの影響で円が買わた面もありましたが

G10通貨に対しては昨年は円が全面安の展開でした。

一時大幅に下落した対ポンドでも3%以上の収益を得ることが出来ています。


金利を入れると更に利益は大きくなった


為替だけでなく、金利分(スワップポイントと考えても良いでしょう)を加えた利益でも

1位は米ドル、2位はスイスフランになり、米ドルは19%弱の利益となります。

単純な計算で1月3日に100万円を円からドルにしたら、

年末は119万弱になっていることになります。


2位のスイスフランも15%弱、カナダドル、豪ドル、NZドルも

利上げ幅が大きかったことで二桁の利益になります。



新興国通貨は簡単ではないが…


一方、新興国通貨はどうだったでしょうか?

為替だけの場合ブラジルレアル、メキシコペソ、ロシアルーブルなどが

20%超のリターンとなっています。

その反面、トルコリラは18%以上もリラ円は売られています。


多くの国がインフレで苦しみ利上げを重ねたこともあり金利を含んだリターンでは

1位のロシアルーブルは80%超の利益となっています。


日本でも取引が盛んになっているメキシコペソも34%超のプラスリターン。

年初に100万円を円からペソに交換したら134万になっていることになります。


また、リラ円は大幅安となったものの、トルコ中銀が利下げを繰り返したのにもかかわらず

トルコのもともとの金利が高いこともあり、リラ円ですら7%を超える収益を上げることが出来ています。

取引通貨として人気のランド円も14%弱のプラスリターンとなっています。


このように昨年はとにかく円を売って、途中の乱高下も無視できていれば、

どの通貨でも年末にはホクホクでした。

要するに、円をもって何もしなかったことが一番「やってはいけない」という結果です。



それでも…金利差だけでの投資は危険


これだけを見ると、外貨預金や外貨への投資が魅力的に感じることでしょう。

昨年はたまたま円安基調で、円が金利面を入れると一人負けでした。

しかし、これはたまたまと言って良いでしょう。


最悪の例としては、一昨年2021年の取引開始日にリラ買い・円売りをして

2021年の取引最終日にそのポジションを閉じた例です。

その場合は、為替だけのリターンは、なんとマイナス37%弱!金利面を入れても21%弱のマイナスでした。


2023年に入り円高に傾いていますが、どの通貨をやり、どの通貨をやってはいけないか

今後の経済、政治情勢を見ていかないと、大儲けも大損もありそうです。


この連載の一覧
第84回「月のアノマリーはあるのか・・・その月の特徴を知らないでやってはいけない?」
第83回「中央銀行も変わる・・・マイナーチェンジを知らないでやってはいけない」
第82回「コンプライアンス・・・時代の移り変わりを知らずにやってはいけない」
第81回「こういう人はFXをやってはいけない③・・・利食えない人はやってはいけない」
第80回「こういう人はFXをやってはいけない②・・・損切りが遅い人はやってはいけない」
第79回「こういう人はFXをやってはいけない①・・・自分が正しいと思う人はやってはいけない」
第78回「なぜ年末は取引をやってはいけないのか・・・応当日の特殊事情」
第77回「今年1年は何をやったら儲かったか・・・反省せずに来年はやってはいけない」
第76回「昨年の値動きを忘れずにやってはいけない」
第75回「今年は今週でおしまい?・・・最後の2週間はやってはいけないこと」
第74回「実弾介入しか防げない・・・根強い円安基調でやってはいけないこと」
第73回「感謝祭相場・・・11月の特別事情を知らないでやっていけない」
第72回「要人発言を吟味しないでやってはいけないこと・・・介入は入らない?」
第71回「スイスフランの値動きを見ないで、やってはいけない」
第70回「10月の介入実績ゼロ、介入の噂だけを信じてやってはいけない」
第69回「下手な鉄砲は数撃っても当たるのか?・・・動かない相場の時は何をしてはいけないか」
第68回「中東紛争・・・過去とのFXの動きが違うことを考慮しなくてやってはいけない」
第67回「NZ総選挙を知らずにやるな・・・今日はNZドルに要注意」
第66回「米政治・次回は政府閉鎖も・・・FXも動く可能性あり」
第65回「月末は余裕がない人はやってはいけない」
第64回「ストライキ・・・舐めてはいけない経済への影響」
第63回「どうせなら格好よく言おう・・・こういえば通と思われる?」
第62回「NZ・10月総選挙・・・これを知らないでNZドルを取引してはいけない」
第61回「食料インフレ・・・国によって違うことを知らないでやってはいけない」
第60回「インフレ指標・・・これを知らずにやってはいけない」
第59回「夏枯れ相場でも手を出す3タイプのディーラー・・・やってはいけないのは?」
第58回「中銀は内容だけでなくスケジュールも異なる」
第57回「日銀?分からないときはやってはいけない・・・海外勢は理解不能」
第56回「ブラックアウト期間を知らないでやってはいけない…国によっても違う」
第54回「新聞を確かめずにやってはいけない」
第53回「スワップポイントを知らずにやってはいけない」
第52回「日銀の利上げ?・・・準備を怠らずにやってはいけない」
第51回「対ドル以外の取り引きを見ないでやってはいけない」
第50回「時間帯を知る②東京市場とは・・・これを知らずにやってはいけない」
第49回「時間帯を知る①月曜早朝取引・・・これを知らずにやってはいけない」
第48回「歴史は繰り返す・・・過去の動きを忘れてやってはいけない」
第47回「政治的な動きを知らなくてはやってはいけない」
第45回「経済指標での動きを50/50と思ってやってはいけない」
第46回「常に知識・情報をアップデートしないといけない」
第44回「銀行の融資状況を知らなくてFXをやってはいけない」
第43回「雇用・CPI等から、新たな視点に変えないでやってはいけない」
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第41回「高金利通貨は各国の状況を知らないとやってはいけない」
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第39回「ドットプロットとフェドウォッチのずれを判断しないでやってはいけない」
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為替情報部 アナリスト

松井 隆

大学卒業後、1989年英系銀行入行。入行とともに為替資金部(ディーリングルーム)に配属。以後2012年まで、米系、英系銀行で20年以上にわたりインターバンクのスポット・ディーラーとして為替マーケットで活躍。ロンドン本店、アムステルダム、シンガポール、香港の各支店でもスポット・ディーラーとして活躍する。 銀行退職後は本邦総研、FX会社のコンサルティング、ビットコインのトレーディング等多岐にわたって活躍。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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