10月は介入ゼロ・・・赤っ恥をかいた指南役たち
10月3日に、ドル円が150円台に乗せた後に147円台まで急落しました。
動いたのが日本時間の23時過ぎだったのですが、市場では本邦当局による「円買い介入」
との話も出ました。
翌日になると、いわゆる指南役とされる元ディーラーが
「介入のアマウントは非常に少しだけ」「邦銀の1行にだけ売りが出た」
「数千本だけしかドルを売っていない」などと発言が伝わってきました。
しかし、10月31日に公表された介入実績が分かる外国為替平衡操作の実施状況では
この日は介入など全く行われなかったことが判明。
前言を発していた事情通とされる指南役はとんだ赤っ恥をかいたわけです。
介入は口外禁止
そもそも、このような金融機関のディーラーが指南役に介入という最も口外してはいけない
コンプライアンスが重要視されることを他人に伝えることは、まずありません。
以前勤務していた金融機関では、同じ部屋(ディーリングルーム)で働いている同僚にさえ
介入をしていることを口外禁止になっていました。
同僚にも言わない・言えないことを、かつての同僚だからと言って
介入が行われた当日・翌日に伝えることはありません。
伝えたのがばれた場合には、外銀では間違いなく解雇されます。だれがそんなリスクを取るでしょうか?
介入翌日に「あれは介入」などと発言している人ほど、出鱈目だということです。
(値動きなどで明らかに分かるものもありますが)
因みに金融機関に寄りけりですが、私が働いていたところは日中の携帯電話は一切禁止。
携帯を触ることも許されません。中では携帯を帰宅まで会社に預けるところもあります。
メールも社内メールのみ使用可能で、必要とあればメール内容なども全てチェックされます。
金融機関のディーラー同士ではGive&Takeの関係もあります。
例えば大きな売りオーダーを持っていたら、仲の良い仲間にはそのようなことを匂わせたり
そのお返しに、これから大きなドル売りが出ると分かっていたら「いまは自分はドルロングにはしない」
などと話したりするときもあります。
しかし、介入に対してはそんなことを話すことはご法度ですし
Give&Takeの関係もなくなった、元ディーラーなどに伝えてもTakeするものもなく
介入の情報は伝わらないものです。
介入時は取材も難しい
これまでの介入は、まずは邦銀のメガバンクに入ります。
色からするとメガバンクの赤、続いて青、が最初の介入金融機関とされています。
(色は銀行のシンボルカラーです、他にもメガは緑もあります)
その後に大手外資系金融機関へと介入玉が広がっていきます。
もちろん外資系金融機関の中でも優劣があり、介入玉が多いところと少ないところがあります。
10月3日に介入のうわさがあった後に、介入があったか否かを報道が
複数の金融機関などに取材をしていましたが、取材の回答先が外資系金融機関(しかもあまり介入が入らないところ)
や証券系などが中心で、肝心のメガバンク(特に赤と青)には取材していません。
と、言うのも一番介入が行われる金融機関であるメガバンクに取材をしても応えることができないからです。
今回のように水準的に介入が行われる可能性が高い場合は、介入のうわさが後を絶ちません。
しかし、上述のように介入は口外禁止なので、噂の領域を出ない状況で、指南役は知る由もなく
それを信じて取引をやってはいけないと思います。