第93回で、スポーツ賭博とFXにも共通する依存症のバンプについて説明しました。
ギャンブル依存症はバンプ以外にも共通点があります。
嘘をつく
ギャンブル依存症になり、負け(損失)が込んでくると、その負けをいかに隠すかを画策します。
損失を隠すための最大にして唯一の手段は「嘘をつく」ことです。
本人からすると、現在の損失は一時的で、自分は儲けることが出来る
儲けることが出来るから、出来るだけ大きめのバンプを必要としていると思っています。
嘘をついているものの、これは現在ある損失はすぐになくなり、取り返せるのだから
これは嘘というわけではない、と辻褄が合おうが合わないが思考的にそうなっているようです。
そして、損失はいずれ無くなるということを信じ切っています。
スポーツ賭博を行ったと発覚したのにもかかわらず、送金も同意を得ていたと発言するなど
嘘が嘘を呼んでしまいます。
この嘘があまりにも大規模なため発覚するのが遅くなり、どれが嘘か周りは見抜けなくなります。
FXの世界でも嘘をつき巨額の架空売買も
FXの世界でも、このような行為を行った者は、巧みに嘘をつき自分の金融機関ではなく
他の金融機関と取引が行われたような画策を取ります。
具体的な一例では、同僚だったHというディーラーは、大学の後輩が働いている商社と
架空の取引を行ったように見せていました。
その取引の決済日がスポット(2営業日)ではなく、フォワード取引だったり
こまごまとした細工をしていました。
更にたちが悪かったのが、この後輩もその事実を知っていたことです。
大学の後輩なだけでなく、就職後も麻雀仲間で、接待も異常な回数をこなしていました。
最終的には、不正取引発覚後に後輩には反対売買を入れて、何もないような形にはしましたが
自分の金融機関以外が間に入ると、不正を探すのが余計難しくなります。
バンプの時は、バンプを行おうとしていたら、すでに依存症の兆候と分かりますが
上述のように嘘をついている人たちは、自分が嘘をついている認識が低いことが問題です。
よって、本来ならばそこで取引をやめるべきなのに、認識が低く、嘘をつき続け被害が拡大します。
自分がこのようになった場合は、もう手遅れかもしれません。
しかし、自分の周りでFXをやっている人で、いつも儲かっているような口ぶりをする人は
おそらく嘘をついています。
何とかしてその人が深みにはまらないように、FXをやらないようにしなくてはならないでしょう。