1年を通しての結果はどうだったか?
昨年は日銀の利上げや米連邦準備理事会(FRB)の利下げがあったものの、ドル円は140円台からじり高となり、7月には161円まで上昇しました。
基本はドル円は、ドル買い・円売りをしていれば儲かった相場だったのですが、その間に日銀の円買い介入などもあり、なかなかポジションをマネージすることは難しかったのではないかと思われます。
今年1番儲かった通貨は?
今年1月2日に円から外貨に換えて、12月31日までで一番リターンが多かった通貨は下記のようになります。
(ここでは主にFX会社で取引されている通貨を元にしています)
1…米ドル 10.49%
2…英ポンド 9.81%
3…南アランド 9.11%
4…ユーロ 5.00%
5…デンマーククローネ 4.95%
6…スイスフラン 3.98%
7…カナダドル 2.48%
8…オーストラリアドル 1.53%
9…ノルウェークローネ 0.85%
10…NZドル ▲0.43%
11…トルコリラ ▲8.93%
12…メキシコペソ ▲12.08%
となっています。
2023年は円のほぼ独歩安だったものの、2024年は通貨によりまちまちの結果になっています。
総じてドルが強い1年だったといえます。
高金利として名高い南アランドは大きくプラスリターンを得ましたが、これは5月末の総選挙で与党アフリカ民族会議(ANC)が単独議席を獲得ができず、政権第2党の民主同盟(DA)等と国民統一政府(GNU)を設立したことが好感したものでした。
一方で、同じく高金利のトルコリラやメキシコペソは大幅にマイナスのリターンとなっています。
メキシコはモレナ党が選挙で圧勝したことによる、政治的な安定が期待される一方で、権力集中への懸念も高まったこと。
トランプ氏再選による米墨通商摩擦再開などが嫌気されるなど、こちらも政治的要素が売り要因になりました
金利を加味して儲かった通貨は?
上述のリターンは為替のみのリターンですが、通常通貨を持つと金利(スワップポイント)が付きます。
この金利を含めた通貨順位は
1...トルコリラ 53.09%
2…南アランド 18.84%
3…米ドル 16.62%
4…英ポンド 15.61%
5…ユーロ 8.62%
6…デンマーククローネ 8.19%
7…スイスフラン 4.98%
8…カナダドル 7.11%
9…オーストラリアドル 5.97%
10…ノルウェークローネ 5.44%
11…NZドル 4.25%
12…メキシコペソ 0.97%
となります。
トルコリラはあまりの高金利のおかげで、通貨安にも関われらず金利分を入れると大幅に利益を得ていることが分かります。
このように金利を加味すると、状況が異なってきます。
今年はどうなるか?
では今年はどのような展開になるでしょうか?
トルコは再びエルドアン大統領が非伝統的な金融政策(インフレなのに利下げ)に舵を切ろうとしていたりすることで、今年は一波乱置きそうです。
日本は利上げの可能性が高まっていますが、米国は利下げ打ち止め感が出てきています。
また、昨年は南アやメキシコを見てもわかるように政治で大きく左右された一年でしたが、今年は第2次トランプ政権樹立後は政治相場になる可能性もあるでしょう。
日本も衆参同時選挙のうわさもあります。
今年も金融情勢や政治の状況を、しっかりと見てのトレードをする必要がありそうです。