トランプ相場始まる
昨年の大統領選挙でトランプ氏がハリス副大統領に勝利を収めてから、トランプ相場は始まっています。
カナダやメキシコへの課税強化、中国へも増税などを主張しましたが、先週は「トランプ次期大統領が、重要な輸入品に一律の関税導入を検討している」との米ワシントンポスト紙の記事が伝わると、ドル売りが進行しました。
1月20日には大統領に正式に就任し、いよいよトランプ・フェイズ2(トランプ2.0)が始まります。
最初は素直に相場は動くか?
上述のようにトランプ氏は思ったことをすぐに口に出すか、SNSの発表をすることで、下交渉などのような面倒なことを省き分かりやすいとも言えます。
特にトランプ米次期大統領が自身のSNSのTruthSocialには注目が集まるでしょう。
FXをはじめほかのマーケットも、その発言で素直にドル買いやトランプ氏に標的にされた国の通貨を売る(時には買う)ことで利益を上げやすいでしょう。
米国離れに要警戒?
トランプ氏がバイデン大統領の前に大統領だったことで、これまでの一般常識が通じるような大統領であることは世界中がすでに認識しています。
再選のように、再びトランプ政権=米国にすり寄る国は当然あります。
日本のように(実際に日本がアメリカの傘の傘下に入っているという甘い考えを信じるか否かをここでは無視して)安全保障上でも頼っている国。
カナダやメキシコのように地政学上で米国との通商関係が崩せない国。
これらの国は、ある面トランプ氏の言いなりになる傾向が出てくることでしょう。
しかし、他国は、第1期のトランプ政権のやり方を知っていることで、これまでのように自国しか振り向かない米国から離れる傾向が出てくる可能性もありそうです。
例えば、それはBRICS諸国です。
BRICSという名前でBrasil(ブラジル)、Russia(ロシア)、India(インド)、China(中国)、South Africa(南アフリカ)の5カ国と思っている方もいます。
しかし、もうすでに5カ国ではありません。
すでに、イラン、エジプト、アラブ首長国連邦、エチオピア、インドネシアの5カ国が加わっています。計10カ国です。
更に、今年に入り
インドネシア、タイ、マレーシア、ウズベキスタン、カザフスタン、ベラルーシ、ウガンダ、ボリビア、キューバの計9カ国がパートナー国として加わっています。
さらにトルコ、ナイジェリア、ベトナムなどの国も参加をする可能性が示唆されています。
これまでは米国と民主主義というイデオロギーにもとで結び付いていた国々も、トランプ政権に自国のみにしか興味のない大統領が復活することで、ほかの大きな経済圏と手を結んだ方が有益だということになったわけです。
これまではG7などの国々が経済的な規模が大きかったものの、この拡大BRICSの経済圏はG7とは比較にならない人口がいることで、今後の経済規模の優位性は圧倒的です。
すでに、欧州圏に対して北大西洋条約機構(NATO)に対しての負担増加を要求しているトランプ氏ですが、G7各国も今後は米国頼りから脱皮する可能性もあるかもしれません。
日本のように、米国離れができない国にとっては、これまでにような世界経済情勢ではなくなることを覚悟しないと、FXの動きも時代遅れになる可能性もあるでしょう。