2025年の10大リスク・・・すでに現実化
毎年、アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」がその年の「世界の10大リスク」を年始に発表しています。
今年に入り、まだひと月ちょっとしか経っていませんが、すでにそのリスクが現実化しています。
まずは、その10大リスクですが、下記のようになっています。
1…Gゼロが勝利
2…トランプの支配
3…米中関係の崩壊
4…トランプノミクス
5… ロシアが悪党のまま
6…窮地に立つイラン
7…世界経済がより貧しくなる
8…制御不能なAI
9…統治なき領域の拡大
10…アメリカとメキシコの対立
このうち、すでに、1、2、4、6は現実化。
3、5、7、9、10も瀬戸際です。
Gゼロの勝利とは?
1番目のリスクであるGゼロの世界とは、世界的課題を推進し、国際秩序を維持する意志と能力を持つ国やグループが1つもない時代です。
米国が国際秩序を保とうとしているようには見えますが、トランプ政権が行っていることは2番目のリスクでもある「トランプの支配」であり、国際秩序では、まったくありません。
また、イランの同盟者であるハマスとヒズボラが打撃を受けたことで、6番目のリスクであるイランは窮地に立たされています。
これまでもグリーンランドを買う、カナダを51番目の州にするなど、とんでもないことを言っていましたが、2月上旬にはガザを米国が所有し「中東のリビエラ」へ再開発するなどと発言しています。
日本人からすると、中東の複雑な状況を理解するのは地政学的にも離れていることや、ユダヤ教やイスラム教との接点が少ないことで分かりにくいことでしょう。
しかし、ガザを米国所有し、そこに住んでいる住人を他国へ追いやるなどという発言は常軌を逸しています。
明確に国連憲章に違反していますが、トランプ氏からすると国連なども抜ければよいと思っているのかもしれません。
FX・・・ドル売りリスクの高まりに要警戒
今回のガザの問題を含めGゼロとなっていること、警戒しなくてはならないのはテロでしょう。
ガザをめぐる宗教的な問題は、今回のトランプ氏の発言で米国に対するテロも高まっています。
しかもリスクの7である「世界経済がより貧しくなる」ことで、格差に対するイスラム圏などからの反米の感情が高まっています。
そもそも、米国国内ですら米国のイスラエル擁護に多くの国民が反発しているほどです。
非常に残念ながら、今後は9/11のころに逆戻りしたとも言えます。
しかも、米国ではCIAの職員も早期退職を募集しているほどですので、これまで以上にテロに対しても脆弱とも言えます。
当然、FXでは米国へのテロはドル売り要因になることで、ガザで起きていることが遠くの出来事ではなく、FXを行う上で非常に重要なことと言えるでしょう。