やってはいけないこれだけの理由

第83回「中央銀行も変わる・・・マイナーチェンジを知らないでやってはいけない」

FOMC投票メンバーは毎年変わる


2024年になり、中央銀行もこまごまと変わっています。

例えば、誰もがおそらく知っているのは米連邦準備理事会(FRB)では毎年

米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票メンバーが変わります。


パウエルFRB議長やバー副議長をはじめ理事は毎年投票権があります。

また現在はウィリアムズ氏が務める米ニューヨーク連銀総裁も毎年投票権があります。

しかし、それ以外の地域のメンバーは毎年、投票メンバーが変わります。


今年は、メスター米クリーブランド連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁

ボスティック米アトランタ連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁

が投票権を有しています。


このように、毎年メンバーが変わることで、そのメンバーがタカ派なのかハト派なのかを

事前に調べ、これまで以上にこのメンバーの発言に市場が過敏に反応することを

念頭に置いてトレードをしなくてはなりません。


発表回数やMPCメンバーの増減も変わる


おそらくFOMCの投票メンバーの交代は多くの方が知っていると思われますが

それ以外にも中央銀行はマイナーチェンジをすることがあります。



例えば、これまで1月以外は月の第一火曜日に政策金利を発表していた

豪準備銀行(RBA)は、今年から毎月の会合を取りやめました。

今年は2・3・5・7・8・9・11・12月に理事会が行われます。


4・6・10月の第一火曜日に理事会が行われるから、その前にポジションを閉めよう

というようなディーラーの動きが、これらの月では理事会が開かれないので

相場動向もその前後ではこれまでと変わってきます。


また、RBAはこれまで1日開催だった理事会を2日間行うことに変更

FRB同様に理事会後しばらくするとRBA総裁が記者会見を行うことにもなりました。


他にも、まだ決定はしていませんが南アフリカ準備銀行(SARB)も

これまでの金融政策委員会(MPC)のメンバーを5名から7-8名に増員する

との話がクガニャゴSARB総裁が述べています。


これまでは、参加者メンバーの考えが読みやすかったものが

増員により難しくなる(逆に容易になる)可能性もあることで

南ア・ランドの動きも、これまでと変化が生じる可能性もありそうです。


このように、中央銀行も微妙にマイナーチェンジを行うことで

毎年、中央銀行の動向も知らないでFXはやってはいけないと思われます。



この連載の一覧
第122回「トランプ相場もアジア通貨の動きを見ないでやってはいけない」
第121回「第2次トランプ政権・・・Xを見ないでやってはいけない」
第120回「いよいよ大統領選挙・・・この通貨の動向を知らないでやってはいけない」
第119回「円買いの流れを一瞬で止めた石破政権・・・今後の政局を知らないでやってはいけない」
第118回「想定為替レートを知らないでやってはいけない」
第117回「日銀には独立性がないことを知らないでやってはいけない」
第116回「ダブル石破ショック・・・今月は政治に翻弄されることを知らないでやってはいけない」
第114回「ディーラーは変わり身が早いのを知らないでやってはいけない」
第113回「FRBの2大責務…今は何を重要視しているかを知らないでやってはいけない」
第112回「バイアスがかかった考えをもってやってはいけない」
第111回「円相場を見るならアジア通貨の動きを見ないでやってはいけない」
第110回「7・8月の相場を振り返る・・・この反省を生かさないでやってはいけない」
第109回「日銀の政策決定会合の結果発表時間がなぜ定まらないのか」
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第107回「日銀のパラダイムシフト…これまで通りの考えでやってはいけない」
第105回「スポーツ賭博もFXも②・・・嘘が常態化する人はやってはいけない」
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第103回「円安を本当に止める気があるのか・・・何が信用できるかを確かめないでやってはいけない」
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第101回「介入を過度に警戒してはいけない」
第100回「CPI後のFOMC、ドットプロントに織り込んだか吟味しないでやってはいけない」
第99回「南ア政局・・・これを知らないでランド取引はやってはいけない」
第98回「G7財務相・中央銀行総裁会議・・・結果を調べないでやってはいけない」
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第95回「利上げだけで円安が止まると思ってやってはいけない」
第94回「介入にも限界があることを知らないでやってはいけない」
第93回「スポーツ賭博もFXも①・・・バンプはやってはいけない」
第92回「毎回同じ理由で動くと思ってやってはいけない」
第91回「クロス通貨・・・どのように算出しているか知らないでやってはいけない」
第90回「FXの世界のギャンブル依存症・・・このような人はFXもやってはいけない」
第89回「カントリーリスク・・・混迷する世界情勢を知らないでやってはいけない?」
第88回「チャートポイントを信じますか?・・こんなチャート利用法はやってはいけない」
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第81回「こういう人はFXをやってはいけない③・・・利食えない人はやってはいけない」
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第77回「今年1年は何をやったら儲かったか・・・反省せずに来年はやってはいけない」
第76回「昨年の値動きを忘れずにやってはいけない」
第75回「今年は今週でおしまい?・・・最後の2週間はやってはいけないこと」
第74回「実弾介入しか防げない・・・根強い円安基調でやってはいけないこと」
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第71回「スイスフランの値動きを見ないで、やってはいけない」
第70回「10月の介入実績ゼロ、介入の噂だけを信じてやってはいけない」
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第66回「米政治・次回は政府閉鎖も・・・FXも動く可能性あり」
第65回「月末は余裕がない人はやってはいけない」
第64回「ストライキ・・・舐めてはいけない経済への影響」
第63回「どうせなら格好よく言おう・・・こういえば通と思われる?」
第62回「NZ・10月総選挙・・・これを知らないでNZドルを取引してはいけない」
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第60回「インフレ指標・・・これを知らずにやってはいけない」
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第56回「ブラックアウト期間を知らないでやってはいけない…国によっても違う」
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第50回「時間帯を知る②東京市場とは・・・これを知らずにやってはいけない」
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第45回「経済指標での動きを50/50と思ってやってはいけない」
第46回「常に知識・情報をアップデートしないといけない」
第44回「銀行の融資状況を知らなくてFXをやってはいけない」
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為替情報部 アナリスト

松井 隆

大学卒業後、1989年英系銀行入行。入行とともに為替資金部(ディーリングルーム)に配属。以後2012年まで、米系、英系銀行で20年以上にわたりインターバンクのスポット・ディーラーとして為替マーケットで活躍。ロンドン本店、アムステルダム、シンガポール、香港の各支店でもスポット・ディーラーとして活躍する。 銀行退職後は本邦総研、FX会社のコンサルティング、ビットコインのトレーディング等多岐にわたって活躍。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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