やってはいけないこれだけの理由

【やってはいけないこれだけの理由】第11回「FXだけで食べていく計画、その3…無料の情報を生かす」

第10回「FXだけで食べていく計画、その2…情報ベンダーは契約する必要はあるか?」では、高額の情報ベンダーとの契約に対して否定的な意見を書きました。

それでは、限られた無料情報ツールをどのように利用し、少しでも儲けることが出来るかを考えていきましょう。

 

ニュースになれることが大切

 

まずは一番大切なことは、現在のFXの世界、もっと広義では金融界、国際情勢で何が一番注目されているかを知ることからスタートしましょう。

 

【やってはいけないこれだけの理由】第8回「新聞は読むな?」で記載しましたが、日本の新聞は「旧聞」とみなしてよいですが、日本のテレビのニュースも国際情勢については、タイムラグを感じます。

 

日本の株式市場を見ている方々には、NHKのニュースや、金融専門の国内のテレビなどから情報を得ることは意義があるでしょう。

しかしながら、国際情勢に左右されるFXの世界では、これらのニュースを見てもほとんど情報として役に立ちません。(ただし、一部は除きます…後述記載)

 

それでは、何を見るが良いでしょうか?

一番良いのはネット経由で海外のニュースの動画を見ることです。

しかも、最近は僅かな時間差で、ニュースを見ることが出来ます。


米国のCNNやFOXなどの一般的なニュース、BloombergやCNBCなどの金融に特化したニュース、英国からはBBC、Skyニュースなどもネットを通じて見ることが出来ます。

それらの動画のニュースを「ながら」状態で良いので流しっぱなしにすることが、まず重要な一歩となるでしょう。


海外テレビのニュースは情報の宝庫

 

文字で流れるニュース等で配信されていても気にとめなかったものでも、ニュース動画ではかなり執拗に報じていることが多々あります。

最近では欧州のガス価格の動きなども、この代表例でしょう。

 

欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTF天然ガス先物が暴落している時に、FXの世界では反応は限られていました。

しかし、金融専門のテレビでは、事あるごとに何パーセント下落しているかということを報じていました。

FXの世界はかなり経ってから後追いをし、ユーロドルが大きく下がりました。

 

テレビを真剣にずっと見ている必要性はありません。

「ながら状態」でも、何が今起きているのかを知ることが出来るわけです。

しかも、英語で話しているとはいえ、それほど難しい言葉を使っているわけではないので、英語が苦手な方でも理解をすることが出来るでしょう。

 

日本のテレビ番組などをつけるのではなく、情報に敏感でいるために、流しっぱなしでも良いのでニュース(動画)を流しておくことで、海外では今何が注目されているかを知ることが出来ます。


 


中央銀行の会見も必見

 

各中銀総裁は、金融政策決定会合後には通常は記者会見を行います。

その会見をネット経由の動画でも見ることが出来、これを見ることも重要です。

本人が用意していたものではなく、記者の鋭い質問にどのように回答するかなどには注目したいところです。

もっとも、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の会見は英語になるので、理解するのは難しいかもしれません。

 

ただし、日銀総裁の会見などは日本語で行うことで、日本人なら非常に役に立ちます。

日銀総裁の会見は政策決定会合の後だけではありません。

意外に重要なのが参議院決算委員会などでの証言です。

 

これも衆議院のホームページから動画で見ることが出来ます。

活字で出てくる報道と、動画で見ることではニュアンスが全く違う場合があります。

活字はいわゆる切り抜きの報道が多いのですが、動画の場合は、どのような質問をに対して応えたかもわかるわけで、

総裁が意味していることが活字の場合よりも明確にわかると思います。

 

まずはほぼ時差がなく、無料で手に入れることが出来るこれらの情報に慣れることを習慣をつけることが、FXだけで食べていくための近道になるでしょう。

この連載の一覧
第93回「スポーツ賭博もFXも①・・・バンプはやってはいけない」
第92回「毎回同じ理由で動くと思ってやってはいけない」
第91回「クロス通貨・・・どのように算出しているか知らないでやってはいけない」
第90回「FXの世界のギャンブル依存症・・・このような人はFXもやってはいけない」
第89回「カントリーリスク・・・混迷する世界情勢を知らないでやってはいけない?」
第88回「チャートポイントを信じますか?・・こんなチャート利用法はやってはいけない」
第87回「それって何の講演?・・・講演内容を知らないでやってはいけない」
第86回「タカ派ハト派を更新していますか?・・・最新の発言をアップデートしないでやってはいけない」
第84回「月のアノマリーはあるのか・・・その月の特徴を知らないでやってはいけない?」
第83回「中央銀行も変わる・・・マイナーチェンジを知らないでやってはいけない」
第82回「コンプライアンス・・・時代の移り変わりを知らずにやってはいけない」
第81回「こういう人はFXをやってはいけない③・・・利食えない人はやってはいけない」
第80回「こういう人はFXをやってはいけない②・・・損切りが遅い人はやってはいけない」
第79回「こういう人はFXをやってはいけない①・・・自分が正しいと思う人はやってはいけない」
第78回「なぜ年末は取引をやってはいけないのか・・・応当日の特殊事情」
第77回「今年1年は何をやったら儲かったか・・・反省せずに来年はやってはいけない」
第76回「昨年の値動きを忘れずにやってはいけない」
第75回「今年は今週でおしまい?・・・最後の2週間はやってはいけないこと」
第74回「実弾介入しか防げない・・・根強い円安基調でやってはいけないこと」
第73回「感謝祭相場・・・11月の特別事情を知らないでやっていけない」
第72回「要人発言を吟味しないでやってはいけないこと・・・介入は入らない?」
第71回「スイスフランの値動きを見ないで、やってはいけない」
第70回「10月の介入実績ゼロ、介入の噂だけを信じてやってはいけない」
第69回「下手な鉄砲は数撃っても当たるのか?・・・動かない相場の時は何をしてはいけないか」
第68回「中東紛争・・・過去とのFXの動きが違うことを考慮しなくてやってはいけない」
第67回「NZ総選挙を知らずにやるな・・・今日はNZドルに要注意」
第66回「米政治・次回は政府閉鎖も・・・FXも動く可能性あり」
第65回「月末は余裕がない人はやってはいけない」
第64回「ストライキ・・・舐めてはいけない経済への影響」
第63回「どうせなら格好よく言おう・・・こういえば通と思われる?」
第62回「NZ・10月総選挙・・・これを知らないでNZドルを取引してはいけない」
第61回「食料インフレ・・・国によって違うことを知らないでやってはいけない」
第60回「インフレ指標・・・これを知らずにやってはいけない」
第59回「夏枯れ相場でも手を出す3タイプのディーラー・・・やってはいけないのは?」
第58回「中銀は内容だけでなくスケジュールも異なる」
第57回「日銀?分からないときはやってはいけない・・・海外勢は理解不能」
第56回「ブラックアウト期間を知らないでやってはいけない…国によっても違う」
第54回「新聞を確かめずにやってはいけない」
第53回「スワップポイントを知らずにやってはいけない」
第52回「日銀の利上げ?・・・準備を怠らずにやってはいけない」
第51回「対ドル以外の取り引きを見ないでやってはいけない」
第50回「時間帯を知る②東京市場とは・・・これを知らずにやってはいけない」
第49回「時間帯を知る①月曜早朝取引・・・これを知らずにやってはいけない」
第48回「歴史は繰り返す・・・過去の動きを忘れてやってはいけない」
第47回「政治的な動きを知らなくてはやってはいけない」
第45回「経済指標での動きを50/50と思ってやってはいけない」
第46回「常に知識・情報をアップデートしないといけない」
第44回「銀行の融資状況を知らなくてFXをやってはいけない」
第43回「雇用・CPI等から、新たな視点に変えないでやってはいけない」
第42回「フェドウォッチを見ないでFXをやってはいけない・・・年末は95%利下げ予想」
第41回「高金利通貨は各国の状況を知らないとやってはいけない」
第40回「金融危機はまだ去っていない、最良のCEOの言葉を無視してはやってはいけない」
第39回「ドットプロットとフェドウォッチのずれを判断しないでやってはいけない」
第38回「若者こそFX取引を・・・その2、やってはいけないでなく、やってほしい」
第37回「銀行の救済問題、詳細を把握せず取引してはいけない」
第36回「若者こそFX取引を・・・その1、やってはいけないでなく、やってほしい」
第35回「肌感覚を大切にしないでやってはいけない」
第34回「タカ派・ハト派を知らずやってはいけない」
第33回「政治家の発言を吟味して取引しないといけない」
第32回「ポンドドル、ポンド円の取引をやってはいけない」
第31回「新たに注目される指標を無視してトレードをやってはいけない」
第30回「次の日銀総裁の意向を考えないで、やってはいけない」
第29回「他の市場の動きを無視して、やってはいけない」
第28回「中銀の独立性がない国の通貨はやって(買って)はいけない?」
第27回「昨年は何の通貨をやってはいけなかったか?」
第26回「提供されているヒントを無視することを、やってはいけない」
【やってはいけないこれだけの理由】第25回「重要イベント前にポジションを取ってはいけない」
【やってはいけないこれだけの理由】第24回「12月にトレードをやってはいけない」
【やってはいけないこれだけの理由】第23回「スケジュールを見ないで取引をやってはいけない…先週なぜ大きく動いたか」
【やってはいけないこれだけの理由】第22回「金利上昇=通貨買いをやってはいけない」
【やってはいけないこれだけの理由】第21回「FOMC…乗り遅れない!今年のメンバーはもう忘れよう」
【やってはいけないこれだけの理由】第20回「ファンダメンタルズには逆らうな」
【やってはいけないこれだけの理由】第19回「日本語を信じるな…翻訳ソフトで良いので原文を読む」
【やってはいけないこれだけの理由】第18回「サプライズ介入は成功するのか?」
【やってはいけないこれだけの理由】第17回「市場との対話、今回は大失敗?」
【やってはいけないこれだけの理由】第16回「アジア時間の欧州通貨の動きを捨てる」
【やってはいけないこれだけの理由】第15回「介入に備える…その4、中銀は負けが多い」
【やってはいけないこれだけの理由】第14回「日銀介入に備える…その3」
【やってはいけないこれだけの理由】第13回「日銀介入に備える…その2」
【やってはいけないこれだけの理由】第12回「日銀介入に備える…その1」
【やってはいけないこれだけの理由】第11回「FXだけで食べていく計画、その3…無料の情報を生かす」
【やってはいけないこれだけの理由】第10回「FXだけで食べていく計画、その2…高額の情報ベンダーと契約する必要はあるか?」
【やってはいけないこれだけの理由】第9回「FXだけで食べていく計画、その1…まずは金融機関と違うことを認識」
【やってはいけないこれだけの理由】第8回「儲けるために大事なこと…臆病者が勝つ」
【やってはいけないこれだけの理由】第7回「新聞は読むな?」
【やってはいけないこれだけの理由】第6回「FX詐欺でTKOされないために」
【やってはいけないこれだけの理由】第5回「どのFX指南役が信用できるか、その3」
【やってはいけないこれだけの理由】第4回「140.00円に売りなんて置いてはいけない!」
【やってはいけないこれだけの理由】第3回「どのFX指南役が信用できるか、その2」
【やってはいけないこれだけの理由】第2回「どのFX指南役が信用できるか、その1」
【やってはいけないこれだけの理由】第1回「ナンピンは魅力的。しかし・・・」

為替情報部 アナリスト

松井 隆

大学卒業後、1989年英系銀行入行。入行とともに為替資金部(ディーリングルーム)に配属。以後2012年まで、米系、英系銀行で20年以上にわたりインターバンクのスポット・ディーラーとして為替マーケットで活躍。ロンドン本店、アムステルダム、シンガポール、香港の各支店でもスポット・ディーラーとして活躍する。 銀行退職後は本邦総研、FX会社のコンサルティング、ビットコインのトレーディング等多岐にわたって活躍。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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