歴史は繰り返す
ロシアが昨年2月にウクライナ侵攻をしたとき、プーチン大統領の掲げた侵攻理由は
「ロシア、そして国民を守るにはほかに方法がなかった」と発言しました。
それは、ウクライナ東部で、ロシア系の住民をウクライナ軍の攻撃から守るという理由です。
この言葉を聞いたときに、世界史、近代史などを勉強してきた人たちは
おや?どこかで聞いたことがあるぞ?と思ったことでしょう。
それは、ナチス・ドイツが行った「ズデーテン併合」です。
ナチスが世界の脅威となり始め、オーストリア併合を達成したヒトラーは
次の標的としてチェコスロバキアに目を向けました。
そしてドイツとチェコスロバキアの国境沿いの地域に多数のドイツ系住民がいることで
このドイツ系住民がチェコスロバキアで迫害されているという言い訳をつけて
チェコスロバキアに攻撃を仕掛けました。
一度は進行を見送ったヒトラーでしたが、英国やフランスがドイツに対して
一戦を交える気配を感じないと、再びチェコスロバキアのズデーテン地方の「ドイツ人党」党首に
強引にチェコスロバキアと断交させます。
仲裁に入った英国のチェンバレン首相は、なんとすべてヒトラーの要求する条件を
全てのんでしまいました。
その後、ヒトラーはズデーテン地方だけでなく、チェコスロバキアを併合します。
そして、欧州全体に向けてヒトラーは領土拡大を図ったわけです。
今回のウクライナ危機で、欧州各国がロシアによるウクライナ領土を獲得させないようにするのは
このような苦い経験を積んでいるからでしょう。
このように、歴史は繰り返されるわけで
人間が歴史(=過去)を学ぶの意義があるのではないでしょうか?
FXも歴史を繰り返す、また自分も同じことを繰り返す
前置きが長くなりましたが、このように戦争のきっかけも歴史を繰り返すわけですが
FXの世界でも歴史は繰り返します。
例えば、金融危機などは数十年に一度は必ず繰り返します。
その金融危機でどのように金融市場は動き、FXが影響を受けたかなどを覚えておくと
新たな金融危機が発生した時に、どのようなポジションを持てば儲かるかをつかめます。
もっと身近なのは、自分のFXの取り引きも同じことを繰り返してしまうことが多々あります。
例えば「自分のポジションはいつも同じ時間に損切りが付く」
「はじめは利が乗っているが、たいていは損切りが付く」など、同じ傾向がある人もいるでしょう。
その損切りが付く原因が、自分のパターンとなり、実は繰り返している可能性があります。
その原因を突き止めることが、今後の自分のFX取引の損失の縮小(利益の拡大)にもなります。
例えば、自分が置いたストップロスが夏時間だと21時半過ぎに必ずついてしまう方もいるでしょう。
そして、その原因を調べてみると、21時半に多くの米国経済指標が発表されることで
経済指標の結果に振らされることで、損切りがついていたりします。
また、他にも、東京仲値にかけて損切りがついてしまう
欧州勢が参入した途端に損切りが付くなどもあるかもしれません。
指標発表後は損切りはつかなかったのにも関わらず、その翌営業日に損切りがついてしまうなどもあるでしょう。
振り返ってみると、同じパターンを繰り返している人も多くいます。
そのパターンにはまらないようにし、ポジションをうまくマネージするためにはどうすれば良いでしょうか?
一番簡単なことは、自分のトレードのログを付けておくことをだと思います。
例えば、どの通貨を、どの水準で何時頃作り、その結果どの水準で利食う(もしくは損切り)したか
その時間は何時だったか、何ピップス先にストップロスを置いたか、
また指標発表後は何ピップス市場は動いたかなどをデータ化したり
簡潔にノートに記載するだけでも良いでしょう。
損失はすぐに忘れたいので、ログを書きたくなくなるかもしれませんが、損切りの時こそ書く必要があります。
自分がなぜ儲けが薄いのか(もしくは損が大きいのか)などを調べることは非常に役に立ちます。
歴史は繰り返すわけですので、為替の動向のパターンも見えてきたりするときもあります。
自分の過去のパターンを反省しないと、再び同じかたちでロスを計上しますので
過去の失敗した動きを忘れるようであれば、損失は増すばかりでFXはやってはいけないと思います。