やってはいけないこれだけの理由

第42回「フェドウォッチを見ないでFXをやってはいけない・・・年末は95%利下げ予想」

為替(FX)と金利・・・同じトレーダーでもスタイルが違う


ディーリングルームの中では、FXをトレードするFXトレーダー

債券をトレードする債券トレーダーなど、複数のトレーダーが存在します。

(ほかにもスワップやオプションなどのトレーダーもいます)


同じトレーダーでも適材適所があり、片方が得意でも片方が全然ダメだったりします。

例えば、FXトレーダーは瞬発力を必要とし、ドル買いのニュースが出た場合は

瞬時にドルを買わなくてはいけないなど、短期的な物事の判断が必要となります。


一方で、債券トレーダーは瞬発力よりも、今後の金利動向を見極めなければならず

熟考しながら長期的なトレードをするスタイルになることがあります。


FXトレーダーは熟考する債券トレーダーについて

「だらだらするな」「うだうだと言い訳してないで白黒はっきりしろ」

と思ったりしています。


逆に債券トレーダーはFXトレーダーについて

「瞬発力だけでやっていて、あまり物事を考えていない」

と思っていたりします。


実際に、指摘されていることは、ある程度は合っているのですが

FXトレーダーも長期にポジションを持つ場合は、金利状況を知らないでトレードは出来ないわけで

ある程度は物事を考えています。


フェドウォッチを見よう


FXトレーダーが金利状況を見ているとはいえ、経済状況をエコノミストのようにすべて把握し

経済指標の深みまで判断するのは難しいことは事実です。


しかしながら、世の中は便利なもので

米経済・米金利の状況で一番簡単に判断できるものがあります。

それは「フェドウォッチ」です。


フェドウォッチは、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出し

これから行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)で、どの程度の確率で

利上げ・据え置き・利下げ、をするのかを表しています。

FRBは今後はどのような金融政策となるか?


それでは、現(4月21日)時点でのフェドウォッチを見てみましょう。

(なお、フェドウォッチは経済指標や要人発言で、頻繁に変わりますので

この数値が現在このサイトを読んでいる時の現数値とは異なると思われます)


まずは、次回5月2-3日のFOMCでは、

FF金利誘導目標レンジ・ 4.75-5.00%(据え置きの予想)・・・17.9%

5.00-5.25%(25ベーシスポイント=bpの利上げ予想)・・・82.1%


6月13-14日のFOMCでは、

FF金利誘導目標レンジ・ 4.75-5.00%(3月から据え置き)・・・13.2%

5.00-5.25%(25bpの利上げ予想)・・・65.3%

5.25-5.50%(50bpの利上げ予想)・・・21.5%


7月25-26日のFOMCでは、

FF金利誘導目標レンジ

4.50-4.75%(3月から25bpの利下げ予想)・・・2.3%

4.75-5.00%(3月から据え置き)・・・22.2%

5.00-5.25%(25bpの利上げ予想)・・・57.7%

5.25-5.50%(50bpの利上げ予想)・・・17.8%


5・6・7月の3会合の予想を見てわかるのは、大半は25bpの利上げで終了。

50bpの利上げ派は2割前後となっています。


年後半の米金利予想は?95%が利下げ予想!


9月19-20日のFOMCでは、

FF金利誘導目標レンジ

4.25-4.50%(3月から50bpの利下げ予想)・・・1.3%

4.50-4.75%(3月から25bpの利下げ予想)・・・13.3%

4.75-5.00%(3月から据え置き)・・・41.7%

5.00-5.25%(25bpの利上げ予想)・・・35.8%

5.25-5.50%(50bpの利上げ予想)・・・8.0%



9月で状況に変化が生じます。6月までに1回25bpの利上げを行う予想が多く

5.00-5.25%に引き上げが8割を超えていることで、FF金利誘導目標レンジ5.00-5.25%となっている予定です。

よって、現在の目標水準4.75-5.00%に戻しているという数値は、5・6月から利下げとなります。


9月からは約56%が一度利下げに転じるとの予想に変わっています。


10月31-11月1日のFOMCでは、

FF金利誘導目標レンジ

4.00-4.25%(3月から75bpの利下げ予想)・・・0.9%

4.25-4.50%(3月から50bpの利下げ予想)・・・10.1%

4.50-4.75%(3月から25bpの利下げ予想)・・・34.2%

4.75-5.00%(3月から据え置き)・・・37.3%

5.00-5.25%(25bpの利上げ予想)・・・15.3%

5.25-5.50%(50bpの利上げ予想)・・・2.1%


12月12-13日のFOMCでは、

FF金利誘導目標レンジ

3.75-4.00%(3月から100bpの利下げ予想)・・・0.7%

4.00-4.25%(3月から75bpの利下げ予想)・・・8.3%

4.25-4.50%(3月から50bpの利下げ予想)・・・29.5%

4.50-4.75%(3月から25bpの利下げ予想)・・・36.7%

4.75-5.00%(3月から据え置き)・・・19.6%

5.00-5.25%(25bpの利上げ予想)・・・4.7%

5.25-5.50%(50bpの利上げ予想)・・・0.4%


年末になると、利下げ予想がさらに増します。

一度年央に25bpの利上げ後は、12月にそれ以上の利上げを行うとの予想は1%もいません

年央の水準からの据え置きが5%弱、そして、約95%が年後半は利下げを行うとの予想になっています。


FXも先を読む必要がある


金利サイドでは年末の利下げ予想が約95%となっています。

なぜ、利下げが多いかは、金融危機の影響が年後半から如実に表れてくるからというのも大きな要因の一つです。


FXはこの利下げを予想して、現在の相場が成り立っているのかを判断しなくてはなりません。

もし、FX取引を行っていて、年末に利下げがあるのを覚悟してもドルロングにするのは問題ないでしょう。


しかし、年末は利下げがあるわけがないと、根拠のない判断でドルロングをしている場合は

金利の専門家が集まるフェドウォッチに逆らうことは賢明ではない(やってはいけない)のではないかと思われます。





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為替情報部 アナリスト

松井 隆

大学卒業後、1989年英系銀行入行。入行とともに為替資金部(ディーリングルーム)に配属。以後2012年まで、米系、英系銀行で20年以上にわたりインターバンクのスポット・ディーラーとして為替マーケットで活躍。ロンドン本店、アムステルダム、シンガポール、香港の各支店でもスポット・ディーラーとして活躍する。 銀行退職後は本邦総研、FX会社のコンサルティング、ビットコインのトレーディング等多岐にわたって活躍。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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