過去の歴史を知らずにやってはいけない
今回は先週記載したものを、もう少し紐解いて欧州の過去の歴史を辿ってみます。
過去の歴史ということで、FXで言えば、この時はこのような動きをしたことで、過去のことから学ぶことは重要です。
ただ、今回の過去は第2次世界大戦前などについてです。
このことも、以前にも記載しましたが、ロシアによるウクライナ侵攻は、ナチスによるズデーテン併合とそっくりでした。
過去にも記載しましたが、ロシアが2022年2月にウクライナ侵攻をしたとき、プーチン大統領の掲げた侵攻は
「ロシア、そして国民を守るにはほかに方法がなかった」との理由でした。
ウクライナ東部で、ロシア系の住民をウクライナ軍の攻撃から守るという理由です。
これは、ナチスが世界の脅威となり始め、オーストリア併合を達成したヒトラーは
次の標的として、多数のドイツ系住民がいることでドイツとチェコスロバキアの国境沿いの地域に目を向けました。
そして、ドイツ系住民がチェコスロバキアで迫害されているという言い訳をつけて、チェコスロバキアに攻撃を仕掛けました。
一度は進行を見送ったヒトラーでしたが、反共(反ロシア)にドイツが役立つと思い、英国やフランスがドイツに対して弱腰だったことで英仏は宥和政策を取ります。
そのすきに、チェコスロバキアのズデーテン地方の「ドイツ人党」党首に強引にチェコスロバキアと断交させます。
そして、仲裁に入った英国のチェンバレン首相は、なんとすべてヒトラーの要求する条件を全てのんでしまい、ズデーテンの併合を認めました。
ここまでが私が2023年に記載した大まかなものですが、ナチスをロシアに置きかえれば、非常に似ていると思われます。
更に共通する和平交渉
このズデーテン併合について行われた協議が、世界史などの試験にも出るミュンヘン会談(1938年)です。
この会談ですが、ズデーテン地方というチェコスロヴァキアの地域にも関わらず、会談の出席は英仏独伊四国首脳の4カ国です。
要するに進行したドイツは出席、ドイツの同盟国のイタリアも出席、そして宥和政策の英国とフランスの4カ国となります。
要するに攻撃を受けたチェコスロヴァキアの代表は呼ばれていないのです。
このことは、米露間でのウクライナ・ロシアの停戦交渉と同じで、プーチン露大統領に同調するトランプ米大統領が勝手にウクライナの命運を握ろうとしていると同じことです。
ではなぜ、ウクライナが呼ばれないのえしょうか?
そは簡単で、ロシアと米国の間でウクライナの資源を分割することを考えていることで、当事国は邪魔なのです。
ズデーテン併合の時のチェコスロヴァキアと変わりません。
米国からすると、遠い欧州での戦争の仲介に名乗り上げたのはこのような要因があります。
欧州圏にとってはウクライナの脅威は自分たちの脅威・・・深まる米・欧州の溝
欧州圏からすると、ナチスによるオーストリア併合を許したことで、その後のナチスの拡大につながったという過去の苦い経験があります。
よって、ウクライナを侵攻したロシアの行動を認めてしまうと、今後は自国にも同じことを許すことにもなりかんず、断固として反対を示しています。
これまでは、欧州と米国とは北大西洋条約機構(NATO)の一員として防衛面でも協力姿勢を保ち、現時点でも米国の意向をある程度組んでいました。
しかし、NATOも一枚岩ではいかなくなっています。
スターマー英首相は「平和維持のためウクライナに英国軍を派遣する用意がある」と述べ、欧州圏の立場はロシアに譲歩する可能性が少ないままです。
英政権についてはトランプ政権の中枢を担うイーロン・マスク氏が現労働政権を批判。
バンス米副大統領は独総選挙を前に、移民排斥を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への実質的な支持を表明するなど、欧州の現政権と米政権の溝が深まりました。
このような状況では、ウクライナとロシアへの停戦期待が急速に萎む可能性もあり、通貨ユーロにも影響を与えつづけるでしょう。
ウクライナとロシアの停戦について、米露間で合意が見られた場合でも、欧州がそれを求めない可能性も大いにあるでしょう。
米国だけの発表でユーロをはじめFXは動くこともあります。
欧州の問題や、中東の問題は、過去の長い歴史を振り返らないとわからない難しい問題があります。
学生の頃歴史を勉強して将来何に役立つか分からないと思った人もいるでしょうが、歴史を知らないと政治や未来が分からないので、できる限り過去の歴史をさかのぼり学ぶ必要もありそうです。