以前に第111回「円相場を見るならアジア通貨の動きを見ないでやってはいけない」との記事で、円相場を見るうえでアジア通貨の動きを見ないで取引をしてはいけないことを記載しました。
今回も同じようにトランプ・トレード(トランプ相場)も同様にアジア通貨やほかの通貨を見ないでやってはいけないことを説明します。
先週の円安進行は予想ができた?
先週12日のアジア時間では、ドル円は上値が重く153円半ばまで弱含みました。
しかし、その後の欧米時間には米金利の上昇もあり155円手前までドル高・円安が進行しています。
この値動きですが、すでにアジア時間でもドル円が買い戻される兆候もありました。
それはアジア通貨の値動きです。
この日は、東京時間の午前に一部報道でトランプ新政権の国務長官にルビオ上院議員、国家安全保障担当補佐官就任にはウォルツ下院議員を起用すると報じられています。
2人とも対中強硬派として有名な議員です。
この2人の起用となると、当然のように新政権発足は対中政策は厳しいものとなり、高関税により中国経済への影響は深刻になると予想されました。
同様にインドなどの国にも通商問題は飛び火するとの予測、ほかにも親中、親ロの南アにも悪影響を与えることは必至とも想像できました。
よって、対ドルで人民元(CNH)は3カ月超ぶりの安値まで、インドルピーは過去最安値を更新しました。
要するにトランプ・トレードが加速したわけです。
アジア時間は動きが鈍いので、一歩先を読んで取引
このように、アジア時間にせっかくネタが出ているのに、アジア勢(特に東京勢)は反応が鈍いことが多々あります。
12日も米債が売られ(米金利上昇)、ドルがほぼ全面高、ランドなどは対ドル以外でも弱含みました。
アジア時間にトランプ・トレードがアジア通貨に対して始まっていたのですから、一歩先を読んで欧米時間では主要通貨に対しても同じようなトランプ・トレードが起こることは予想できたと思います。
これをできないのは東京勢を中心にサラリーマントレーダーが多いからで、反応が鈍いからです。
もちろん、すべてが同じようにはいかないことも事実ですが、チャンスがあればとりあえずトライする、やらぬ後悔よりやる後悔でしょう。
これから4年超続くトランプ・トレードもアジア通貨などの動きをよく観察しないでトレードはやってはいけないでしょう。