8月は市場参加者が減少し、夏枯れ相場に
先週の半ばまでは日本はお盆だったこともあり、東京でも市場参加者が限られていました。
金融機関にはお盆休暇などはないものの、本邦のメーカーなどが休業すると
その担当者も同時期に休む場合があります。また、お子さんの夏休みに合わせて休む人たちもいます。
欧米でも学校などが年の変わり目ということもあり、夏季休暇を取るなど
市場全体が年末に続いて参加者が減少します。
中央銀行のスケジュールを見ても、英国のイングランド銀行(BOE)が1日に金融政策委員会(MPC)
がありましたが、残りは南半球で冬にあたる豪州の豪準備銀行(RBA)と
ニュージーランドのNZ準備銀行(RBNZ)以外は理事会やMPCは開催されていません。
市場はある面、夏枯れ相場になっていると言えます。
夏枯れ相場でもFXに手を出す3タイプ
このように、市場参加者が少ないにもかかわらず、相場がある限り手を出さないといけないのでは
ないかとの強迫観念を持ってしまう方もいるようです。
ドル円が年初来高値を更新していることで、手を出させようと誘導されることもあるでしょうが
一般のFX個人投資家が無理をして夏枯れ相場の時に手を出す必要もありません。
夏枯れ相場では金融機関のディーラーも無理して手を出しませんが、
夏枯れ相場でも手を出すタイプが3つあり、そのうちの1つ以外は儲かりにくいのが現状です。
3タイプのうちのタイプ1は「手を出したくないのに手を出さなくてはいけないディーラー」
タイプ2は「手を出さないとの強迫観念から手を出しているディーラー」
そして、タイプ3は「戦略的に手を出しているディーラー」です。
それぞれの特徴を説明すると、タイプ1の「手を出したくないのに手を出さなくてはいけないディーラー」は
本来であれば、相場の動きも鈍く、流動性も良くないことで無理にはディールをしたくないディーラーです。
しかしながら、顧客がいる限り持ちたくないポジションを持たされ(ある面押し付けられ)
それを捌くためや、そこから少しでも収益を確保しなくてはならないためにディールをしているにすぎません。
個人FXは押し付けられることがないのに、これに該当することは無いはずです。
タイプ2の「手を出さないとの強迫観念から手を出しているディーラー」は意外に多く、最悪の例です。
ある面ディールが病みつきになっていることで、上がるか下がるかよく分からないにもかかわらず
何かディールをしてしまいます。
このような病みつきディーラーの特徴は、動いている時に儲けることが出来なかったことで
動いていないときも儲けようとします。そして、得てして方向性もない中で手を出してしまい
更に負けが込んでしまいます。個人でFXをやっている方には、このような風には絶対になってはいけないと思います。
そして、タイプ3の「戦略的に手を出しているディーラー」ですが、8月で市場参加者があまり相場を見ていないときに
今後の経済情勢がどのように動き、FXがどういう反応を示すかを予想しているディーラーです。
このようなディーラーは、勝負は短期ではありません。8月で持っているポジションの勝負をかけるのではなく
今後の相場展開を予想して、中長期に仕掛けることが多いです。
タイプ3のディーラーは、9月に入ると各中銀が再び政策金利を発表することで、
この動きを先取りすることを念頭に置いて取引をしています。
市場参加者が少なくても、チャンスを逃す必要は全くなく、ここぞというときにはポジションを仕込みます。
もしタイプ3であれば、儲かるか否かは今後の経済動向次第ですが、仮に儲けることができなくても、
経済情勢を考え込んでFXを仕掛けたのであれば、自分の見通しの違いを今後のばねとして生かすことが出来ます。
しかし、もし自分がタイプ2であるならば、夏枯れ相場はやってはいけないでしょう。