個人FXはスワップポイントが大好き
FXを取引し始めると、レートは動いていないのに
いつの間にか、お金がちょこっと増えたり減ったりすることがあると思います。
多くの人はすでにご存じと思いますが、金利が付くからです。
高金利通貨をロングにし、それよりも金利の低い通貨をショートにすれば
その金利の差額分が、日を超えると取得することが出来るわけです。
例えば、米国の金利が3%で日本が0.1%だった場合、ドルロング・円ショートにすれば
(あくまでも単純計算で)
年利で3%-0.1%=2.9%分の金利を得ることが出来ます。
このようなポイントをスワップポイントと呼び
高金利通貨を買い・低金利通貨を売るトレードの手法を
「キャリートレード」と呼んだりします。
このキャリートレードは、本邦の個人投資家は非常に好きで
金利がたくさんつくというメリットだけでロングにし
昨年のトルコリラ円の暴落などで、金利が二桁ついても、為替差損がその数倍ということもあり
キャリートレードには弊害が付いて回ります。
スワップポイントが他に何の参照になるか?
上述したようなスワップポイント自体は、FX投資を始めた初心者の方は知っていると思います。
そのスワップポイントを違った観点で見ていくと、より深くFXのことが分かると思います。
例えば日米金利背景に、半年先のスワップポイントが430Pipsあるとします。
A企業は半年先に150.00円でドル輸出予約をしたい(ドルを売りたい)とします。
市場が現在150.00円で取引されていても、半年後はスワップポイントを加味すると、
金利分が差し引かれることで150.00-4.30=145.70円で売ることになります。
しかし、企業の目標値が150.00円だった場合、スポットレートが150円でも売らない可能性もあります。
そして、半年後の輸出予約をしたい場合は、スポットレートを加味して
150.00+4.30=154.30円で売りを入れたりします。
このように、半年後、期末日(特に3月末)、1年後などの節目の水準を
企業が意識して為替予約をすることもあります。
切りの良い数値で為替予約を目指している企業は、このスワップポイントを足したレートで輸出予約をすることが多々あります。
例えば、期末までのスワップポイントが57Pipsあったとしましょう。
その場合、150円という節目だけでなく、全く切りも良くない、150.57円近辺に上がるとドル売りが増えてくる時があります。
これは、企業がスワップポイントを加味し、150.00円で売ろうとしていたりするからです。
このように、自分が高金利通貨を買い持ちするスワップポイントだけでなく、
スワップポイントを見ることで、企業がどのような動きを狙っているのかを知ることが出来ます。
スワップポイントを知らないで取引をしてはいけないとまでは言いませんが、知っていて損はしないことと言えます。