あと1週間まだ8月は残っていますが、今年の7・8月相場は大相場となりました。
日経平均に至っては8月5日に過去最大の下げ幅を記録、翌6日には過去最大の上げ幅を記録しました。
為替市場は1998年のロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の破綻から起きた危機では、4日で25円の動いたことなどと比較すると値幅は限られましたが、それでも大相場となりました。
7月相場
少し相場を振り返ってみましょう。7月上旬は、ここ何年も続いていた円キャリー相場のクライマックスを迎えるように7月3日には1986年12月以来となる161.95円までドル高・円安に動きました。
為替介入などもあり、ある程度上値を抑えられましたが、それでもどうにかやっと押し下げる程度の相場でした。
30日の日銀政策決定会合終了前日には155円台に戻すなど、まだまだ下がったら買いの円キャリー相場が優勢となっていました。
その流れが、急転したのは政策決定会合の後の植田日銀総裁の会見。
ここで、今後の更なる利上げも示唆するなど150円を割り込み7月相場は終わっています。
8月相場
上述の流れを引き継いだ8月相場ですが、それでも円キャリーを信じる投資家の買いに支えられ151円手前まで上昇。
しかし、植田総裁のタカ派への急転で、5日に日経平均株価が過去最大の下げ幅を記録し、ドル円も同日には146円台から141円台まで急落しました。
その後は内田日銀副総裁のハト派発言が出たことで、ドル円は買い戻され8月中旬には149円台まで回復しています。
7-8月は負けて終わる
7-8月の相場をざっとみてわかるように、高値から約20円ドル円下落しています。
ここで、この7-8月相場でどのようなポジションをマネージできたかが重要です。
自分のことを振り返ってみると、7月上旬で161.95円まで上昇した時も、まだまだイケイケのドルブルでした。
途中で買っては利食い、買っては損切りなども繰り返しはしていましたが、7月末までは基本ブルでしたので負けの方が大きくなっています。
幸いだったのは、8月上旬にベアに転じた時の下げ相場である程度は取り返すことが出来ましたが、それでも7-8月相場は負けています。
個人的な反省点としては7月後半に152-153円まで下がった時にブルだったこともあり、利食いをうまくできなかったこと。
逆に、改善できたのは日銀の政策決定会合及び植田総裁の会見前にはいったんはすべてスクエアにしたこと。
それと、なんとかベアに転じることが出来たことでしょう。
いつまでも考えを変えないと負け続ける
上述のように自分も負けてしまった7-8月ですが、それよりも危険な持ち方をしてしまった個人投資家の話をよく聞きます。
まずは、1日に数円単位、ましては5円も相場が動くとは思っていないと信じている人が多いことです。
多かったのが日銀政策決定会合後に151-152円台でロングにし、そのまま翌週まで持ち続け148-149円台で更にナンピンし、8月5日の141円台までの暴落で強制ロスカットした人たちです。
これは、大相場の経験がなくFX投資の経験が少ない人や、ナンピンをすればなんとかなるという考えている人が、ついていけなかったことが原因です。
また、20円下がる過程でもずっとブルを貫き通した方もいます。
どこまで下がっても、自分には絶好の買い場と見えるのか、様々なチャートポイントを探してきて、ここまで来たら買いという取引を繰り返してきました。
資金的に余裕があり、強制ロスカットがついていない人の中では、切らなければ(スクエアにしなければ)負けていないと思っている人もいるでしょう。
しかし、それは中長期のポジションというよりも、塩漬けにされたポジションであり、FX投資としては失敗例です。
仮に今回ナンピンを重ねて負けないでポジションをスクエアにできたとしても、いずれまた同じことをすれば、いつかは大損になります。
今回の20円の下落相場で仮にナンピンをして生き残ったとしても、また仮にここから再び160円まで上がったとしても、その方は取引方法を変えないとFXはやってはいけないでしょう。
20円の値幅もあれば、買い・売り・買い・売りと、いくらでも方針を変更して稼がない限りはFX投資は失敗します。
株式への投資は、その企業への投資となり、基本買うことからはじまりますが、FXは買うことも売ることも出来る市場です。
それなのに20円の大相場で、偏った考えしか持っていない場合は、上述のように今回は負けないでも、長い目で見ては負けます。
今回の7-8月相場で一度もベアに考えをかえることが出来なかったとしたら、その投資家は今後のFX投資については考え方を改めないと難しいのではないかと思います。