先週の10日に、米国の10月消費者物価指数(CPI)が発表されました。
指標発表結果が、変動幅の大きなエネルギーと食品を除いたもの(コア指数)を含め
市場予想を大幅に下回りました。
この結果を受けて、米10年債利回りは4.07%近辺から3.82%台まで急低下。
ドル円も146円台から141円台まで大幅に下落しました。
翌日には138円まで下げ幅を広げました。
今回の「やってはいけない」は「市場の流れに逆らってはいけない」ことを記載します。
介入との対決とは違う
CPIの発表前日9日の日経新聞に
「FX個人、再び介入と対決?」との記事が掲載されました。
記事の内容を要約しますと
今年の為替介入で日本のFX個人投資家の過半数は、下がった局面でドル円を買うことで
効果があったとしています。
実際に、9月・10月の為替介入では、下がったところでうまく買えた個人投資家も多くいたでしょう。
そして上昇したら売ることで利益も得ていたと思います。
このようにうまくトレードが出来た要因は
為替介入はファンダメンタルズに乗っ取らないものであり
結局は円売りの流れを止めることが出来なかったからです。
このような逆張りトレードがうまくいくときもありますが
9日のこの記事が出た時に、個人的には「これはやばいな」と感じました。
【やってはいけないこれだけの理由】第7回「新聞は読むな?」で
日本の新聞は「為替に関しては日本の新聞は石橋を叩いて渡ることも多く、
日本の新聞に掲載されたらトレンドが終了になるときも」と書かせていただきました。
10月のCPI・・・ファンダメンタルズの変化
10日に発表された米CPIに話を戻します。
当日はNY番でNYの動向を追っていましたが
指標発表後からドルは大幅に売られました。
しかし、明らかに個人投資家が下がった局面で買い向かっていた傾向がありました。
146円台から144円台、143円台まで下がると
レンジ相場に慣れてしまうと、とても良い買い場に見えてくるからでしょう。
ただし、今回は逆張りで買い向かい勝てるような相場にはなりませんでした。
今回のCPIの結果で、FRBの利上げ幅縮小がほぼ確定し、
ファンダメンタルズに合っているものでした。
介入のようなファンダメンタルズを無視したものではなく
米金利は大幅に低下、対円以外でもドルが大幅安になり
ファンダメンタルズに基づいたドル売り・円買いだったのです。
しかし、逆張りに慣れてしまっていることで、ドル買いで立ち向かった投資家が多かったようです。
そして、買っては投げるという悪循環が、ドル円だけ下げ幅を拡大した理由になりました。
動いた理由を知る
このコラムで最初に第1回「ナンピンは魅力的。しかし・・・」
を書かせていただきましたが
逆張りやナンピンの怖さが分かる市場の動きだったと言えそうです。
介入でドル円が下がった場合は、逆張りもうまくいくこともあるでしょう。
しかし、ファンダメンタルズを無視した逆張りは、やってはいけない、ことの一つです。