以前、金融機関で働いていたディーラー仲間と、違う業界の方を交えお酒を飲んでいたことがありました。
たまたま、相場の話題になった時にディーラー仲間と私が話していたことに
違う業界の方は「意味が分からない」と言われたことがあります。
何気に話していた言葉でしたが、我々金融機関のFX業界では普通の言葉だったのですが
よく考えてみると、これはFX業界、特にFX会社ではなく銀行や証券会社のような金融機関でしか使っていない
言葉が結構あることに気が付きました。
今回はこの言葉を知っていれば儲かるわけではなありませんが、少し「通」と思われる言葉について記載したいと思います。
通貨の呼び方も色々
例えば昔の銀行で三菱信託銀行は「菱信=ビシシン」、三井信託銀行は「丼信=ドンシン」と略して言っていました。
非常に雑務作業で忙しい時にわざわざ名前をフルで言うのは、時間が無駄なため略語は多々あります。
通貨に対しても略語が多くあります。
有名なのはポンド対ドルの取り引きは「Cable=ケーブル」と呼ばれています。
ロンドンで取引しているときに、「Sterling (against) Dollar」なんて呼んでいる人は、一人もみたことがありません。
(そういえば、ポンドはSterling=スターリングと呼ばれます)
あくまでもケーブルはポンド対ドルで
ポンド円は「Sterling Yen=スターリング円」、ユーロポンドは「Euro Sterling=ユーロスターリング」です。
また、ニュージーランドドルはNew Zealand Dollarなどと呼んでいる人は、FX業界ではほぼいません。
9割9分でニュージーランドの国鳥でもある「Kiwi=キウイ」と呼ばれています。
NZドル対円は「Kiwi Yen=キウイ円」、オーストラリアドル対NZドル「Aussie Kiwi=オージーキウイ」と呼ばれます。
変わりどころでは「Loonie=ルーニー」です。
これはおそらく邦銀ではほぼ使われていないですが、外資系の一部では使われています。
これは、カナダドルのことです。カナダドル硬貨に水鳥のアビ(Loon)が刻まれていることから使われています。
ASKってなに?
またFX会社では一般的に使われる、「Bid=ビッド」と「Ask=アスク」ですが、アスクという呼び方は
銀行などの金融機関では国内、海外を含めて聞いたことがありません。
アスクではなく「Offer=オファー」と呼ばれます。
顧客がドルを買いたいので、あなたの売りサイドは何?と聞かれる場合
「(ドルの)オファーは何ですか?(英語だとWhat’s your (Usd) offer?)」であり、
これがアスクと言われた場合は、おそらく全員「???」となることでしょう。
そもそも「アスク=聞く」という言葉なので「聞いてきたのはあなたでしょう?」と思われます。
もし素人と思われたくないのであれば、アスクという呼び方で売りサイドを聞いてはいけないと言えそうです。