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第97回 ポンドドル、短期的には上方向へ

今回解説していく通貨はポンドドルです。英国ではインフレの鈍化が想定ほど進展していないことを受け、英中銀の利下げ開始が年後半(11月)頃まで後ずれするのではとの思惑が浮上。また、英総選挙が7月4日に実施されることになり、英国では金融政策に加えて政局に関しても先行き不透明感が強まっているようです。では、チャート上でもポンドドルの状況を確認していきましょう。


ポンドドルの週足分析

下図のチャートはポンドドルの週足チャートになります。前回の分析(2月28日)からの変動を見ていくと、2014年7月高値を始点とする下降トレンド(チャート上の青色実線)は継続。2021年5月高値を始点とする下降トレンド(チャート上の青色点線)は3月に一時上抜ける場面が見られましたが、買い戻しの勢いも長続きはしませんでした。4月には1.2300ドルまで下落しており、総じて1.25-26ドル台を中心とするもみ合いとなっています。



2014年7月高値を始点とする下降トレンドが有効である以上、長期視点で下落トレンドが続いていると言っても良さそうですが、今回チャート下部に追加した「DMI」で見ると、+DIと-DIは交互にクロスする状況が続いており、明確なトレンドはうかがえず。さらにはトレンドの強さを示すADXが少なくとも2014年以来の水準まで低下しており、額面通りの下落トレンドと判断するのは危険かもしれません。


ポンドドルの日足分析

次に日足でも見ていきます(下図のチャート)。チャート上のトレンドライン(青色実線)は週足分析で紹介したものと同じですが、2021年5月高値を始点とする下降トレンドラインはすでに上抜けているので、新たに昨年7月高値を始点とする下降トレンドライン(チャート上の青色点線)を引き直しています。また、今回は昨年10月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色点線)も加えました。



チャート上の青色・黄色点線から判断すると、現在は上値の切り下げ・下値の切り上げが同時に進行していることが分かるかと思います。さらに2022年9月安値からの上昇も加味すると、どうやら現在は「ペナント」と呼ばれるフォーメーションになっているようです。

「ペナント」は一般的に「コンティニュエーション・フォーメーション=トレンドの継続を示唆」するものですから、「ペナント」が持続している以上、今後の方向性は上方向ということになります。

この視点で考えると昨年7月高値を始点とする下降トレンドライン(チャート上の青色点線)の上抜けがポイントになりますね。なお、この下降トレンドラインは本日時点で1.2810ドル付近に位置、1か月後には1.2770ドル台まで切り下がる見込みです。さらにチャート上の基本である直近高値の上抜けも重要であることから、3月8日高値の1.2894ドル(チャート上の丸で囲った部分)も超えられると「なお良し」と言えるでしょう。


今後のイベントは

最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は米・英の金融政策になるでしょう。また、期間内ではありませんが、7月4日に実施される英総選挙にも注意が必要です。現在の世論調査によると与党・保守党は野党・労働党に支持率で大きくリードされており、14年ぶりの政権交代が起きる可能性が高まっています。その他のイベントは以下の通りとなります。


今後1カ月の重要イベント

5月31日 米国 4月PCEコア・デフレーター

6月7日 米国 5月米雇用統計

6月11日-12日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)

6月12日 米国 5月消費者物価指数(CPI)

6月19日 英国 5月CPI

6月20日 英国 イングランド銀行(英中銀、BOE)、金融政策公表

6月28日 米国 5月PCEコア・デフレーター



この連載の一覧
第100回 トルコリラ円、週足ベースでも変化の兆し
第99回 豪ドル円、10数年ぶりの高値の視野に
第98回 NZドル円、ますます上昇トレンドが明瞭に
第97回 ポンドドル、短期的には上方向へ
第96回 ユーロ円、ユーロ導入来高値更新で未知の領域へ
第95回 ランド円、10数年来の相場転換となる可能性も
第94回 ドル円、急落後も上昇トレンドを維持
第93回 メキシコペソ円、上昇トレンドは健在だが・・
第92回 トルコリラ円、大きなチャンス到来か
第91回 豪ドル米ドル、上方向は攻めづらい
第90回 NZドル米ドル、トレンド転換につながる注目ポイントに接近
第89回 ユーロドル、ヘッド・アンド・ショルダーズの完成なるか
第88回 ドル円、5月中にも上方向へブレイクか
第87回 豪ドル円、上昇トレンド継続に黄色信号
第86回 NZドル円、上昇トレンド継続も目先は調整リスク
第85回 ポンドドル、長期下降トレンドの転換は間近?
第84回 ランド円、上昇トレンドは本物か
第83回 メキシコペソ円、レンジブレイクのチャンス到来
第82回 ユーロドル、レンジ相場脱却の手掛かりは乏しい
第81回 トルコリラ円、昨年8月以来のチャンスをものにできるか
第80回 ドル円、上昇トレンドを維持も上値追いは慎重に
第79回 NZドル米ドル、長期下落トレンドのブレイクは失敗か
第78回 豪ドル米ドル、依然として下落トレンド
第77回 ポンド円、来年以降の下値リスクに警戒
第76回 ランド円、ヘッドアンドショルダーズの可能性高まる
第75回 メキシコペソ円、レンジ相場がしばらく継続か
第74回 ユーロドル、メインシナリオはレンジ相場
第73回 ドル円、ポイントは一目均衡表雲の維持
第72回 低迷ぶりが際立つトルコリラ円、反発の可能性は?
第71回 豪ドル円、上値トライのチャンスだが力強さを欠く
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第65回 好調なメキシコペソ円に失速の気配
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第39回 ダウ理論とエリオット波動(3)
第38回 ダウ理論とエリオット波動(2)
第37回 ダウ理論とエリオット波動(1)
第36回 ローソク足(3)
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第33回 一目均衡表(4)
第32回 一目均衡表(3)
第31回 一目均衡表(2)
第30回 一目均衡表(1)
第29回 リトレースメント
第28回 避けられるリスク(その他の国編)
第27回 避けられるリスク(英国・オセアニア編)
第26回 避けられるリスク(日本・欧州編)
第25回「誰にでもわかるチャート教室」 避けられるリスク(米国編)
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第16回「誰にでもわかるチャート教室」 DMI
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第8回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その2
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第6回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その2
第5回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その1
第4回「誰にでもわかるチャート教室」チャネルラインと外国為替市場の独自性
第3回「誰にでもわかるチャート教室」相場の方向性が一目瞭然、トレンドライン
第2回「誰にでもわかるチャート教室」相場のトレンドを探る
第1回「誰にでもわかるチャート教室」 相場が不安定だからこそ、チャート分析に頼りたい

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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