今回解説していく通貨はポンドドルです。市場全般で各国の政策転換時期を探る状態が続いていますが、英国は他国と比較すると相対的にインフレ懸念が根強く、利下げは年央以降との見方が強まっています。一方で、米国も足もとでは金利先安観が後退しており、今後もポンドドル相場は英米の金融政策をにらみながらの展開となるでしょう。では、チャート上でもポンドドルの状況を確認していきましょう。
ポンドドルの週足分析
下図のチャートはポンドドルの週足チャートになります。前回の分析(10月25日)からの変動を見ていくと、2014年7月高値を始点とする下降トレンド(チャート上の青色実線)および2021年5月高値を始点とする下降トレンド(チャート上の青色点線)が機能しており、長期視点では下落トレンドが続いている状況です。
ただ、今回追加した「一目均衡表」で見ると、前回の分析時に懸念されていた「三役逆転」は回避。一目均衡表の雲がサポートとして機能し、足もとでは基準線が転換線を上抜けたこともあり、現在価格線とほぼ重なって推移している遅行スパンが今後上抜けてくれば「三役好転」も見えてくる状況となっています。
一目均衡表が「三役好転」を達成する際には前述した下降トレンドラインを試す可能性も高いだけに、2014年あるいは2021年からの下落トレンドが転換する大きなチャンスが巡ってきたと言えそうです。
ポンドドルの日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。チャート上の2本のトレンドライン(青色実線、青色点線)は週足分析で紹介したものと同じものです。
チャートから見ても分かる通り、2021年5月高値を始点とする下降トレンドライン(チャート上の青色点線)にはかなり接近してきており、まずはこの線が目先のレジスタンスとなるでしょう。その次は昨年12月28日高値の1.2827ドル(チャート上の丸で囲った部分)が目処になります。
一方で下値については、昨年12月から幾度か下値を支えてきたポイントが1.2500ドル付近(チャート上の黄色実線)に位置しており、同水準の維持が重要となりそうです。昨年末からやや横ばい気味のトレンドとなっているため、目先はこのレンジをどちらの方向に抜けていくのかしっかりと確認しておきましょう。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は3月20日、21日と続いて発表される米英の金融政策になるでしょう。特に米国では政策金利水準の分布図(ドットチャート)も公表されるため注目されそうです。また、3月6-7日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が上下両院で半期に一度の議会証言を行う予定となっており、こちらも発言次第で相場が大きく動意づくでしょう。その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
2月29日 米国 1月PCEコア・デフレーター
3月6-7日 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、半期に一度の議会証言
3月8日 米国 2月雇用統計
3月12日 米国 2月消費者物価指数(CPI)
3月20日 英国 2月CPI
3月20日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、金融政策公表
3月21日 英国 イングランド銀行(英中銀、BOE)、金融政策公表