今回解説していく通貨はNZドル米ドルです。NZ準備銀行(RBNZ)は前回の分析(10月2日)から2会合連続で0.50%の利下げを決定し、現在の金利は4.25%。次回(2月19日)の会合でも追加利下げを実施する方針を示唆しています。一方で、米国は利下げ観測が後退しており、一部ではありますが今年の利下げはないと予想する向きも出てきました。NZと米国の金利差が今後どの程度まで拡大していくか注目されますが、チャート上でもNZドル米ドルの状況を確認していきましょう。
NZドル米ドル週足分析
下図のチャートはNZドル米ドルの週足チャートになります。前回の分析時(10月2日)からの推移を確認すると、「三角保ち合い」を上方向にブレイクした直後、まさかの一転下落となってしまい、2022年10月安値を始点とした上昇トレンドライン(チャート上の青色実線)も下抜け。直近では0.5500米ドルに迫る水準まで下押ししています。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても、当然ながら-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXも上昇傾向にあり、しっかりとした下落トレンドが形成されていることを示しています。
こうなると一転して今後の下値目処が注目されますが、ここからのポイントは2022年10月安値の0.5512米ドルおよび2020年3月安値の0.5470米ドル(いずれもチャート上の丸で囲った分)が維持できるかどうかとなるでしょう。節目の0.5500米ドルを挟んだこれらの水準をクリアに下抜けてしまうと、2009年につけた0.4900米ドル付近まで大きな下値目標がなくなります。
NZドル米ドルの日足分析
今度は反発の可能性を短期的なチャートから探っていきます。下図は日足チャートです。(14日執筆時点)。
現状のテクニカル指標を確認する限り、反発を示唆する材料は乏しい状態ですが、ひとまずは昨年9月30日高値を始点とする下降トレンドライン(チャート上の黄色実線)をブレイクすることが反発への最低条件です。
その後の戻りのポイントですが、仮に先週までの下落で下げ止まったと仮定すると「リトレースメント」から38.2%戻し水準の0.5860米ドル付近が重要視されそうです。同水準付近には昨年8月5日安値の0.5850米ドル、昨年4月19日安値の0.5852米ドル(いずれもチャート上の丸で囲った分)なども控えており、これらの水準を上抜けてくると買い戻しも勢いづくことが予想されます。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。期間内にNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策決定会合は予定されておらず、米連邦公開市場委員会(FOMC)も今月は金利据え置きが濃厚。もっとも、今後の両中銀の金融政策を占う上でも物価統計などには注目しておく必要があるでしょう。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
1月15日 米国 12月消費者物価指数(CPI)
1月20日 米国 トランプ大統領、就任式
1月22日 NZ 10-12月期CPI
1月28-29日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)
1月31日 米国 12月PCEコア・デフレーター
2月7日 米国 1月米雇用統計
2月12日 米国 1月CPI