FX 誰にでもわかるチャート教室

第48回 今後のポンド円相場

今回解説していく通貨はポンド円です。英国ではインフレの高止まり傾向が続いており、英中銀(BOE)による金融引き締めが長期化するとの思惑が広がりつつあります(現在の政策金利は4.50%)。緩和政策を維持する日銀との金融政策の違いを手掛かりした円売り・ポンド買いが続き、ポンド円は2016年以来の高値水準をつけていますが、チャート上でもポンド円の状況を確認していきましょう。


ポンド円の週足分析

下図のチャートはポンド円の週足チャートになります。長期視点では2020年3月安値を始点する上昇トレンドが継続中です(チャート上の黄色実線)。また、より短期的な視点では昨年9月安値を始点とした上昇トレンド(黄色点線)も機能しています。



さらに今回は「MACD」でも見ていきましょう。MACD は昨年9月にボトムアウト(チャートの丸で囲った部分)し、その後に負の値から正の値に転換。「トレンドが上昇へと転換した」ことを示唆しています。トレンドライン、MACDでいずれも現在が上昇トレンドであることが確認できました。


ポンド円の日足分析

今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。基本的には週足で確認した昨年9月安値を始点とする上昇トレンド(黄色点線)を目処にした押し目買い戦略などが有効となるでしょう。足もとのポンド円相場は昨年4月以降、突発的な上下を除くと155-169円のレンジ内推移が続いていましたが、上昇トレンドに沿って先月にこのレンジ上限をブレイク。さらに昨年10月31日につけた直近高値の172.13円(チャートの青丸部分)も上抜けてきました。



ここからですが、今年4月以降にさらに上昇が加速しているため、どこかでいったん調整が入る可能性も意識しておきたいところ。その際の下値目処は前述のレンジ上限(169.28円)を維持できるとベスト。もしくは過去に2度下値を支えた168.00円付近(チャートの赤丸部分)となるでしょうか。


一方で、今後の上値目標としては週足チャートで見ても目立った上値目処が見当たらないため、前回と同じく「一目均衡表の水準論」から探ってみましょう。

チャート上の昨年9月安値を始点として計算した均衡点ですが、NT計算値はすでに上抜けているので今回は除外。N計算値は178.63円、V計算値は188.90円、E計算値は195.40円となります。この辺りも意識しておくとよさそうです。


今後のイベントは

最後に今後1か月間の重要イベントも確認しておきます。注目は6月22日に公表される英国の金融政策。現在の短期金融市場では25bpの追加利上げをほぼ織り込んだ状態となっていますが、結果はもちろんのこと、同時に公表される英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨の内容にも注意しておきましょう。また、英MPCについては政策決定の際の票決(9名のメンバーがどの決定を支持したか)も度々注目されます。その他のイベントは以下の通りとなります。


今後1カ月の重要イベント

6月15-16日 日本 日銀・金融政策決定会合

6月21日 英国 5月消費者物価指数(CPI)

6月22日 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表

6月22日 英国 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨

6月23日 日本 5月全国消費者物価指数(CPI)

 

この連載の一覧
第104回 ドル円、上昇トレンドは崩れていない
第103回 ポンド円、順調に上値試しを継続
第102回 メキシコペソ円、2022年からの上昇トレンドは終了?
第101回 ユーロドル、現在の下落基調でレンジブレイクなるか
第100回 トルコリラ円、週足ベースでも変化の兆し
第99回 豪ドル円、10数年ぶりの高値の視野に
第98回 NZドル円、ますます上昇トレンドが明瞭に
第97回 ポンドドル、短期的には上方向へ
第96回 ユーロ円、ユーロ導入来高値更新で未知の領域へ
第95回 ランド円、10数年来の相場転換となる可能性も
第94回 ドル円、急落後も上昇トレンドを維持
第93回 メキシコペソ円、上昇トレンドは健在だが・・
第92回 トルコリラ円、大きなチャンス到来か
第91回 豪ドル米ドル、上方向は攻めづらい
第90回 NZドル米ドル、トレンド転換につながる注目ポイントに接近
第89回 ユーロドル、ヘッド・アンド・ショルダーズの完成なるか
第88回 ドル円、5月中にも上方向へブレイクか
第87回 豪ドル円、上昇トレンド継続に黄色信号
第86回 NZドル円、上昇トレンド継続も目先は調整リスク
第85回 ポンドドル、長期下降トレンドの転換は間近?
第84回 ランド円、上昇トレンドは本物か
第83回 メキシコペソ円、レンジブレイクのチャンス到来
第82回 ユーロドル、レンジ相場脱却の手掛かりは乏しい
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第80回 ドル円、上昇トレンドを維持も上値追いは慎重に
第79回 NZドル米ドル、長期下落トレンドのブレイクは失敗か
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第39回 ダウ理論とエリオット波動(3)
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第37回 ダウ理論とエリオット波動(1)
第36回 ローソク足(3)
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第33回 一目均衡表(4)
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第31回 一目均衡表(2)
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第29回 リトレースメント
第28回 避けられるリスク(その他の国編)
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第24回「誰にでもわかるチャート教室」 ポイント&フィギュア
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第21回「誰にでもわかるチャート教室」 パラボリック
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第10回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その4
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第7回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その1
第6回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その2
第5回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その1
第4回「誰にでもわかるチャート教室」チャネルラインと外国為替市場の独自性
第3回「誰にでもわかるチャート教室」相場の方向性が一目瞭然、トレンドライン
第2回「誰にでもわかるチャート教室」相場のトレンドを探る
第1回「誰にでもわかるチャート教室」 相場が不安定だからこそ、チャート分析に頼りたい

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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