今回解説していく通貨はカナダドル円です。カナダ銀行(中央銀行)は6日の金融政策決定会合で政策金利を5.00%で据え置くことを決定。2会合連続での金利据え置きとなりましたが、中銀は声明文で「過剰な需要が緩和していることを示す最近のデータと、金融政策の効果は遅れて出てくることを考慮した決定だった」と説明しています。
その一方で「基調的なインフレ圧力の根強さを引き続き懸念している」「必要に応じて政策金利をさらに引き上げる用意がある」などとも述べており、今後も経済データなどを確認しながら中銀の次の一手を探る必要があるでしょう。ではチャート上でもカナダドル円の状況を確認していきましょう。
カナダドル円の週足分析
下図のチャートはカナダドル円の週足チャートになります。注目はこれまでも何度か上値を抑えられてきた110円への再挑戦ということになるでしょう。昨年9月13日高値の110.64円(チャート上の青色実線)をしっかりと上抜けることができれば、2007年11月高値(125.58円)や昨年9月高値-今年3月安値のV計算値(127円台)など、今後の大幅な上値余地拡大も期待できそうです。
下値については今年3月安値を始点とした上昇トレンドライン(黄色実線)が機能。もっとも、今回のチャート下部に追加した「DMI」によると+DI>-DIとなっており、現在が上昇トレンドであることがうかがえるものの、トレンドの強さを示すADXが低下基調にある点は気になるところです。
カナダドル円の日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。チャート上の青色および黄色実線は週足分析で解説したものと同じものです。日足ベースでも「DMI」を加えてみました。こちらでも+DI>-DIの状態ではありますが、ADXは低水準での横ばい推移となっているようで、現状が強い上昇トレンドであることを示していない様子。
基本的には上方向を見てよいと思いますが、一応下値リスクについても確認しておきましょう。上昇トレンドライン(黄色実線)の他にサポート水準となりそうなのが過去に複数回下げ止まったポイント(チャート上の黄色点線)となります。それぞれ9月8日安値の107.16円、8月23日安値の106.55円、7月28日安値の104.22円です。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は日銀の金融政策となりそうです。市場では年内のマイナス金利解除も視野に入れており、植田日銀総裁の会見内容次第ではカナダドル円も含めたクロス円全般が動意づく可能性もあるでしょう。また、今後1カ月以内にカナダ中銀の金融政策は予定されていませんが、次回会合(10月25日)の行方を占う上で10月17日の9月カナダCPIも注目されます。その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
9月21-22日 日本 日銀金融政策決定会合
9月22日 日本 8月全国消費者物価指数(CPI)
10月6日 カナダ 9月雇用統計
10月17日 カナダ 9月CPI
10月20日 日本 9月全国CPI