今回解説していく通貨は南アフリカ・ランド円です。前回の解説(5月24日)以降に開催された南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)の金融政策決定会合では、5月25日に利上げ(7.75%から8.25%へ)、7月20日は据え置きが決定されました。2021年11月から始まったSARBの利上げ局面もいったん「休止」となり、金融政策は転換期を迎えていますが、チャート上でもランド円の状況を確認していきましょう。
ランド円の週足分析
下図のチャートはランド円の週足チャートになります。前回の分析(5月24日)からどのように推移したかを見ていきますと、昨年6月高値を始点とする下降トレンド(青色点線)を今年6月に入ってブレイク。ただ、現時点では下降トレンドの調整局面である可能性も否定できず、今年安値を目指して再び下落していくと「ヘッドアンドショルダーズ」を形成する可能性もあるため注意が必要となります。
今回はチャート下部に「DMI」も追加しました。DMIによると+DIの数値が-DIより大きく、現時点では「上昇トレンド」とみなすことができる一方、トレンドの強さを示すADXが急失速しており、はっきりとした上昇トレンドとは言えない構図となっているようです。
ランド円の日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。昨年6月高値を始点とした下降トレンドライン(青色点線)は週足分析で紹介したものと同じものです。今回は今年の5月12日安値を始点とする短期の上昇トレンドライン(黄色点線)も付加しました。この上昇トレンドラインは本日(8月16日)時点で7.43円付近に位置、1カ月後に7.60円付近まで切り上がる見込みとなっており、短期的には同線を目処に押し目買いを進めるのもありかもしれません。
その一方で、チャート下部に追加した「MACD」はマイナスとなっており、短期的な下降トレンドであることを示唆しています。前述した上昇トレンドラインを下抜けると5月12日安値の6.91円を目指して再び売りが強まる可能性もあり、手放しで買いを進める状態ではないことも頭に入れておきたいところです。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。日本・南アフリカの両国とも期間内に金融政策の発表は予定されていません。注目はやはり24-26日の米ジャクソンホール会議でしょう。例年ですと日銀総裁も会合に出席し、金融政策について言及することも多いため、総裁発言を受けた円相場の反応に注意が必要となります。その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
8月18日 日本 7月全国消費者物価指数(CPI)
8月23日 南ア 7月CPI
8月24-26日 米国 ジャクソンホール会議