今回は「新値足」について話していきたいと思います。前回の「パラボリック」と同様にトレンド分析系の指標です。トレンド転換のタイミングがはっきり分かるという点も同じですが、大きな違いもあります。
横軸は時間ではない 一向にチャートが進まない場合も
新値足ではこれまでのようにローソク足を使うことはありません。高値や安値なども指標には考慮せず、使用するのは終値一本となります。この終値が前日(もしくは前日までの一定期間内)の終値を上回ったor下回った場合、「新値をつけた」として横軸を増やしていきます。
つまりチャートの縦軸は今まで通りの価格になりますが、横軸は時間ではないということですね。極端な話をしてしまうと、いつまでも新値をつけることができない場合は一向に横軸が増えていかないということも考えられます。
新値足は「新値n本足」と表記され、nの部分は任意のパラメーターになります。通常では3本、5本、10本などが使用されます。
では、10月からのドル円を基に新値3本足の考え方について見ていきましょう。
10月18日 終値149.26円
19日 149.90円(14日148.67円、17日149.04円、18日149.26円を上回ったので新値)
20日 150.15円(17日149.04円、18日149.26円、19日149.90円を上回ったので新値)
21日 147.65円(18日149.26円、19日149.90円、20日150.15円を下回ったので陰転)
24日 148.91円(19日149.90円、20日150.15円、21日147.65円を上・下回れず動きなし)
25日 147.93円(19日149.90円、20日150.15円、21日147.65円を上・下回れず動きなし)
26日 146.37円(19日149.90円、20日150.15円、21日147.65円を下回ったので新値)
新値3本足の場合、過去3本分の価格を上回ったか下回ったかが重要となり、どちらも超えられなかった10月24・25日は横軸を増やさずに対応します。
新値足の売買タイミング
今度は新値足を利用した売買シグナルを確認していきましょう。下図はドル円の新値3本足チャートです(横軸は時間表記ですが、これまでのように1日ずつ足形が増えているわけではありません)。
新値足の売買タイミングはいたってシンプル。陽転したタイミングで買い、陰転したタイミングで売りというものです。また、新値3本足であれば3本前の高値を上抜けたタイミングで買い、安値を上抜けたタイミングで売り、といった見方もあります。
なお、「新値n本足」の特徴として「n」の数字を増やすことで、より長期的なトレンドの流れ・相場の大勢を見ることが可能となります。その一方で実際に相場が転換してから、新値足で相場転換シグナルが発生するまでにタイムラグが生じる=転換の判断が遅れがちになるという点には注意しておきましょう。