前回はトレンドの反転を示唆するリバーサル・フォーメーションのうち、ヘッドアンドショルダーズとダブル・フォーメーションについて紹介しました。
今回取り上げるのはリバーサル・フォーメーションの「ソーサー・フォーメーション」、「ライン・フォーメーション」、「スパイク・フォーメーション」です。
受け皿のような形状 ソーサー・フォーメーション
ソーサー・フォーメーションは読んで字のごとく、相場がカップの受け皿のような弧を描きながら反転していくパターンです。ボトムとトップの2種類があり、それぞれ日本語では鍋底、団子天井などと言われています。
今回はそのうちソーサートップを紹介していきます。
上図はユーロ円のソーサートップの出現局面です。
上昇してきたユーロ円は円形を描いて徐々に上値の重さが意識されるようになり、反転・下落していきました。
その後ですが、いったん「保ち合い局面」を形成(上図の四角で囲った部分)。この保ち合い局面をプラットホームと呼び、プラットホームの下限を下抜けた段階でソーサートップが完成します。
このようにきれいに推移することは多くはありませんが、円形を描いて反転するパターンは実際の相場でもよく見られます。その際に大事なことは以前にもお話した通り、前回の高値(安値)との比較です。
上昇局面時は前回の高値との比較、下落局面時は前回の安値との比較、これがトレンドを確認する上で重要なことですので、常にチェックする癖をつけておきましょう。
一定の水準が目処に ライン・フォーメーション
ライン・フォーメーションは一定の水準をもって天井・大底を形成するパターン。下図はドル円のラインボトムの出現局面となります。
ライン・フォーメーションはソーサー・フォーメーションとは違って、円形ではなく一定の水準が何度か天井・大底として機能した後、反転していくパターンです。また、反転時にプラットホームを形成しないといった特徴もあります。
上図のドル円では100.00円の節目付近が大底として機能したことが分かりますが、為替市場ではこうした心理的な節目となる数字の大台や、過去につけた重要な高値・安値などに迫った際によく見られます。
事前の見分けは困難? スパイク・フォーメーション
最後のスパイク・フォーメーションですが、アルファベットの「V」時のような鋭角なトレンドを形成し、急激に上昇・下落していた相場が、突然急反転するパターンとなります。
スパイクボトムですと、売りが売りを呼ぶ「セリングクライマックス」が起きた後、ある時点を境に急反発。こういった局面に立ち会った方も多いと思います。
このスパイク・フォーメーションは天井・大底の判断が難しく、後になって「ここが天井(大底)だったのか」と気づかされることがほとんど。また、反転する前後で急激に相場が動くため、判断を間違えると大きな損失を抱えることになってしまいます。
実際に相場で遭遇した場合には「現在の相場が移動平均線から乖離し過ぎていないか」などを確認しながら判断しつつ、時にはストップロス注文なども駆使してリスクを管理することが需要となります。