今回解説していく通貨はポンドドルです。イングランド銀行(英中銀、BOE)は3日に政策金利を5.00%から5.25%へと引き上げることを決定。その際に利上げの休止・終了を示唆する見解が伝わらなかったこと、その後に公表された4-6月期の平均賃金が過去最高の伸びとなったことなどを受け、市場ではBOEの利上げ再加速の可能性も指摘されています。
7月に利上げを再開した米連邦準備理事会(FRB)と比較して、今後の利上げペースなどを注目していきたいところですが、チャート上でもポンドドルの状況を確認していきましょう。
ポンドドルの週足分析
下図のチャートはポンドドルの週足チャートになります。長期的には2014年7月高値を始点とする下降トレンド(青色点線)が続いており、足もとの反発局面で下降トレンドラインを試しにいく展開となっています。なお、下降トレンドラインは本日時点(8月23日)で1.3300ドル付近に位置しており、1カ月後には1.3260ドル台まで切り下がる見込みです。
もっとも、今回チャート下部に追加した「ROC」によると今月に入ってゼロ水準を下抜けており、「トレンドが上昇から下降へと転換」したことを示唆。さらに直近では「弱気のダイバージェンス」を思わせるような動きとなっていることにも注意が必要となるでしょう。
ポンドドルの日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。昨年9月26日につけた安値1.0350ドルを起点として複数の上昇トレンドラインを追加してあります。上昇トレンドラインを次々に下抜けている格好となっていますが、これは上昇の勢いが衰えている証拠。
週足分析で示した下降トレンドラインに届かず、再び下落基調へと転じる可能性にも警戒すべき局面と言えそうです。その際のポイントとなるのは直近の下押し水準を維持できているかどうか。執筆時点(8月18日)では1.27ドル台半ばで推移していますが、6月29日安値の1.2591ドルや5月25日安値の1.2308ドル(チャート上の赤丸部分)を下抜けた場合、一時的な調整では済まなくなりそうです。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。まずは24-26日の米ジャクソンホール会議に注意。過去に相場が大きく動いたケースが幾度もあり、市場の注目度も非常に高いです。25日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されており、この内容が特にポイントとなるでしょう。その他では9月中旬以降に米・英の金融政策も控えています。その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
8月24-26日 米国 ジャクソンホール会議(25日にパウエルFRB議長が講演)
9月1日 米国 8月米雇用統計
9月12日 英国 5-7月雇用統計
9月13日 米国 8月消費者物価指数(CPI)
9月19-20日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)
9月20日 英国 8月CPI
9月21日 英国 イングランド銀行(英中銀、BOE)、金融政策公表