前回横軸が時間ではない(一定時間ごとに進行しない)「新値足」についてお話しましたが、今回は同様の特徴を持つ「練行足」と「カギ足」についても簡単に説明していこうと思います。一般的な使用頻度は高くないと思われますが、いずれもトレンドの方向、トレンドのタイミングを掴むという点では非常に分かりやすい指標です。
「一定の値幅」以内の動きは無視する練行足
練行足ではまず基本となる一定の値幅「~円や~%」を設定します。これは「反転ルール」や「ボックス」などとも呼ばれます。使用するのは新値足と同じく終値です。
チャートの描き方としては、現在のトレンドと同方向で「一定の値幅」以上に相場が動いた場合に足形を追加します。その際に「一定の値幅」の複数倍以上の変動があれば、その分足形を追加していく仕様となっています。
例)「一定の値幅」を0.2円とした場合、0.4円動いた際には2本追加、0.6円動いた際には3本追加
一方で、「一定の値幅」の2倍以上に相場が反転した場合には相場転換(陽転or陰転)とします。
さらに大きな特徴として「一定の値幅」以内の推移であればトレンドと同方向でも逆方向でもチャート上では無視するということです。
上図はドル円の練行足チャートです(一定の値幅は0.50円に設定)。
練行足の売買シグナルはシンプルで、練行足が陽転したタイミングで買い、陰転したタイミングで売りというものです。
また、前述したとおり練行足は相場が急激に変動した場合は足形が増えていくという特徴があります。上図ですと四角で囲った場面はドル円が11月10日に大きく下落した1日だけで追加された足形です。
1本の線が屈折して進むカギ足
続いてはカギ足ですが、練行足と同様に「(反転ルール、ボックス)」を設定します。使用するのは終値です。
チャートの描き方としては、現在のトレンドと同方向に相場が動いた場合、練行足のように足形を追加するのではなく、相場が動いた水準まで縦方向に線を延長していきます。
一方で、「一定の値幅」以上に相場が反転した場合には相場転換(陽転or陰転)とし、今度は横線を引いて次の行に移行。相場が動いた水準まで縦方向に線を延長します。
また、「一定の値幅」以内の推移であればトレンドと逆方向でもチャート上では無視です。
1本の線が屈折して進み、足の形がカギに似ていることから「カギ足」と呼ばれています。
上図はドル円のカギ足チャートです(一定の値幅は0.50円に設定)。
カギ足の売買シグナルは、相場の下落が続いた後に直近の高値(肩と呼びます)を上抜けて相場が強気転換したタイミングで買い、上昇が続いた後に直近の安値(腰と呼びます)を下抜けて相場が弱気転換したタイミングで売り、となります。
上図では分かりやすいポイントに丸印をつけましたので、確認してみてください。