今回解説していく通貨はNZドル円です。NZ準備銀行(RBNZ)は今月19日に開催された今年最初の金融政策決定会合で予想通り50bpの利下げを決定(4.25%から3.75%へ)。今後も利下げを継続する姿勢を示しましたが、利下げ幅は25bpへと縮小する見込み。NZの利下げ局面もそろそろ一服する可能性が出てきました。では、チャート上でNZドル円の状況を確認していきます。
NZドル円の日足分析
下図のチャートはNZドル円の日足チャートになります。前回の分析(12月4日)からどのように推移したかを見ていきますと、92円台で何度か頭の重さを確認したことからその後は上値を切り下げる展開が続き、今月に入って85円台前半まで下押す場面も見られました。
現状では昨年11月高値を始点とする短期の下降トレンドライン(チャート上の青色実線)、および「チャネルライン(青色点線)」に沿うような格好で下落。チャート下部の「DMI」で見ても-DI>+DIとなっており、現在が下落トレンドであることを示唆しています。
ここからは昨年8月5日安値の83.07円(チャート上の丸で囲った部分)が下値目標となるでしょう。対して現状の下落トレンドからの転換に至るためには、まず前述した短期の下降トレンドラインを上抜けることが最低条件となりそうです。
NZドル円の週足分析
今度は週足でも見ていきます(下図のチャート)。チャート上の青色実線および青色点線、丸で囲った部分は日足分析で紹介した物と同じです。
チャート下部の「DMI」から状況を確認すると-DI>+DIとなっており、週足ベースでも現状が下落トレンドであることを示唆。今後はどこまで下落が進むか見極めていく必要があるでしょう。
最初のポイントは日足分析でも紹介した昨年8月5日安値の83.07円(チャート上の丸で囲った部分)です。同水準を下抜けると、2022年半ばから1年以上に渡って下値を支えてきた80円台前半の水準(チャート上の四角で囲った部分)がサポートとなりそうです。
また、2020年安値から昨年高値までの「フィボナッチ・リトレースメント」からも今後のサポートとして意識されそうな水準を探ることができます。注目は2020年安値から昨年高値までの上昇幅に対する半値押し水準が位置する79.20円台でしょうか。同水準付近には節目の80.00円や前述した80円台前半の過去の下げ止まり水準も位置しており、一連のサポートゾーンとして意識されそうです。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきましょう。期間内にNZから主要なイベントや経済指標などの発表はなく、注目は日銀の金融政策決定会合となります。直近では日銀内のタカ派メンバーから追加利上げについての前向きな発言が目立ち、市場は5月会合での追加利上げを織り込み始めています。3月の声明文や日銀総裁会見などで追加利上げ観測がさらに高まることになるか注目です。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
3月18-19日 日本 日銀金融政策決定会合
3月21日 日本 2月全国消費者物価指数(CPI)