「一目均衡表」では波動論、水準論、時間論というものがあります。一目均衡表を利用する上で重要な要素ですから、しっかりと理解していきましょう。ここからは3論を1つずつ解説していきます。まずは波動論です。
一目均衡表(波動論)
波動は時間の経過とともに形成されます。
・上げだけ、下げだけの1つの波動が「I波動」
・上げ→下げ、下げ→上げの二波動が「V波動」
・上げ→下げ→上げ、下げ→上げ→下げの三波動が「N波動(下げからの波動はS波動)」
となり、波動の基本となるのは「N波動」です。
上昇相場の中でN波動は上げが大きく、下げが小さくなるため、チャート上では高値と安値を順次切り上げていく形となります。逆に下落相場では下げが大きく、上げが小さくなり、高値と安値が切り下がっていく形状となります。
また、三波動からなる「N波動」を基本として、Nの2連続(上げ→下げ→上げ→下げ→上げ)を5波動、Nの3連続が7波動、Nの4連続が9波動となり、5波動もしくは7波動で相場が急騰しなければ、9波動をもって上昇相場は終了するとされています。
一目均衡表(水準論)
次は水準論です。水準論は波動論(主にN波動)を基本として算出される予測値であり、波動の均衡点となります。基本形は「N計算値」「V計算値」「E計算値」「NT計算値」の4つがあり、実際の相場予測などでもよく利用されますので覚えておきましょう。
上図は「N計算値」と「V計算値」の考え方を示したチャートになります。
それぞれの計算式は以下の通りです。
・N計算値 = C + ( B - A )
「B-A間」の上昇幅をCに加えた値です。
・V計算値 = B + ( B - C )
「B-C間」の下落幅をBに加えた値、いわゆる「倍返し」の水準となります。
続いて「E計算値」と「NT計算値」の考え方を示したチャートです。
・E計算値 = B + ( B - A )
「B-A間」の上昇幅をBに加えた値です。「N計算値」との違いは値幅の中心点が調整後の安値Cではなく、最初の高値Bになること。必然的に「E計算値」は「N計算値」よりも水準が高くなります。
・NT計算値 = C + ( C - A )
「C-A間」の上昇幅をCに加えた値です。
ただ、一目均衡表において最も重要な要素は「時間論」とされており、「水準論」に基づいた予測値は一般的な目標値とは異なることは頭に入れておきましょう。次回は一目均衡表の基本(主体)である「時間論」について触れていきたいと思います。